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温存か全摘か。 出産は可能か。

[管理番号:2427]
性別:女性
年齢:32歳
よろしくお願いします。
乳癌(循環癌、ステージ1)と診断され、3月○日に手術を予定しています。
まず、温存か全摘再建かで悩んでいます。
癌は1センチ弱くらいなので、温存でいけるならあたたかみのある自分の胸で温存が良いかと思ってますが、綺麗な形で残したいという思いが強く、悩んでいます。
乳首も近いため、とった方がいいかも、と言われてます。
残したければ残すと言ってくれてますが、残した場合は癌が残るかもということですよね?それは、放射線をあてても死滅しないんですか?
また、循環癌の場合、抗ガン剤かホルモン治療は絶対にいるんですか?
まだ、未婚ですが、出産願望が強く、どうしても子供が産みたいです。
抗ガン剤やホルモン治療は卵巣に影響があるかもと調べているとあるので、不安です。
卵子凍結もありかと、今度婦人科の先生に話を聞く予定でいますが、手術、生理の日などをみて、卵子をとるチャンスはあるのか不安です。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず「循環癌」という表現が不明です
「まず、温存か全摘再建かで悩んでいます。癌は1センチ弱くらいなので、温存でいけるならあたたかみのある自分の胸で温存が良いかと思ってますが、綺麗な形で残したいという思いが強く、悩んでいます。」
⇒「1cm弱」であれば「温存」可能だとは思います。
 
「乳首も近いため、とった方がいいかも、と言われてます。」
⇒「乳頭は近くても、直接浸潤なければ」問題無いと思います。
 
「残した場合は癌が残るかもということですよね?それは、放射線をあてても死滅しないんですか?」
⇒それは(術後の)病理組織検査結果次第です。
 
「また、循環癌の場合、抗ガン剤かホルモン治療は絶対にいるんですか?」
⇒サブタイプが不明ですので、回答不能です。
 
 ただ「腫瘍径が1cm弱」であれば「必須」とはいえません ♯実際の最大浸潤径
(術後に判明)での評価が必要です。
 
「まだ、未婚ですが、出産願望が強く、どうしても子供が産みたいです。抗ガン剤やホルモン治療は卵巣に影響があるかもと調べているとあるので、不安です。」
⇒「抗がん剤を(万が一)する場合」には事前に「卵子凍結が必要」です。
 ただ、ホルモン療法は「休止」すれば影響は殆どありません。
 
「卵子凍結もありかと、今度婦人科の先生に話を聞く予定でいますが、手術、生理の日などをみて、卵子をとるチャンスはあるのか不安です。」
⇒手術とは無関係です。
 抗がん剤をする前に行えばいいのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

以前は回答ありがとうございました。
循環癌??湿潤癌の間違いでした。
すみません。
手術が近くなり、温存にするつもりですが、乳首が近く、切除するか悩んでいます。
残すと血の巡りが悪くなり、残して壊死するかもとは言われていますが、無事に残ることもあるんですよね?再発の可能性も高くなりますか?
マンモトーム後の、結果で、mib-1 46.7%とでており、抗ガン剤が必要かもと言われました。
手術後の検査をしてみないと最終はわからないとのことですが、抗ガン剤は必要なんでしょうか?できれば、妊娠も望ん
でいるし、抗ガン剤はしたくありません。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「残すと血の巡りが悪くなり、残して壊死するかもとは言われていますが、無事に残ることもあるんですよね?再発の可能性も高くなりますか?」
⇒乳頭の裏側を「どこまで削るのか?」が鍵となります。
 つまり「整容性」と「根治性」のバランスなのです。
 
「マンモトーム後の、結果で、mib-1 46.7%とでており、抗ガン剤が必要かもと言われました。手術後の検査をしてみないと最終はわからないとのことですが、抗ガン剤は必要なんでしょうか?」
⇒luminal AかBかという事です。
 Ki67は(手術標本で)病変全体で評価した方がいいのです。
 
「できれば、妊娠も望んでいる」
⇒前回コメントしたように、(例え抗ガン剤の方針となったとしても)「抗がん剤治療の前に」卵子凍結保存という手は残っています。
 
「抗ガン剤はしたくありません。」
⇒それは「万人の願い」と言えそうです。
 ただし、「1cmのしこり」であれば(そしてルミナールタイプならば)、抗がん剤は必須とは言えません。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

3月(上旬)日に左胸温存手術しました。
乳首にも近かったですが残してもらいました。
昨日手術後の病理結果聞いてきました。
腫瘍0.8㎜、悪性度1
(術前マンモトームの結果では、ER、PgRが95%、MIB-1(ki-67)が46.7%、HER2陰性でした。)
今回の結果では、ER、PgRが100%、MIB-1(ki-67)が27.2%(弱陽性
細胞が多数)CK5/6陰性、HER2陰性でした。
主治医の先生曰く、ルミナルAかBで、若いから抗ガン剤オススメするって話でした。
来週腫瘍内科で、抗ガン剤のメリットデメリットをきいて、決める感じです。
微妙な数字なのですか?先生はした方がいいと思いますか?
抗ガン剤をするとなったら、妊娠希望のため、卵子か卵巣凍結を希望しています。
リンパ節生検で、1つに転移があり、3つ取りました。
残りの2つには転移なかったとのことで、放射線でカバーするとのことです。
もし取ってないリンパに転移していたとして、放射線で焼ききれるのですか?
胸の方が、断片陽性(乳首と逆側。
残ってる部分は乳管内)で、筋肉ギリでとったから取り切れてるかもしれんし、とってみないとわからないと。
すると、全摘+リンパ郭清するか、放射線を多めに当てるか選んで下さいとのことでした。
悩んで悩んで温存を選んだ胸、出来ればこのままでいきたい。
放射線で、なんとかなりますか?全摘のが安全なんですか?
乳腺を集めて縫ってあるので、エコーでは黒くうつるので、再発が見つけにくいかもとのことでした。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
pT1b(8mm), pN1(微小転移なのか、肉眼的転移なのかは不明ですが…), NG1, luminal
十分な早期乳癌です。
「若いから抗ガン剤オススメするって話」
⇒根拠薄弱です。
 むしろホルモン療法でも「LH-RHagonistの併用が有効」であることに注目すべきです。
 ○つまり「若いから抗ガン剤」ではなくて「若いからタモキシフェンにLH-RHagonist」にすべきです。
 
「微妙な数字なのですか?先生はした方がいいと思いますか?」
⇒上記通りです。
 「腫瘍径も小さく」「NG1」であるので「化学療法による上乗せは、あまりない」と思います。
 
「リンパ節生検で、1つに転移があり、3つ取りました。」
⇒「微小転移≦2mm」なのか「肉眼的転移>2mm」なのかをまずは、はっきりさせましょう。
 
 
「残りの2つには転移なかったとのことで、放射線でカバーするとのことです。」
⇒「転移が2つ以内ならば、放射線照射を行う事で、追加郭清とは差がでない」という報告はあります。
 
「もし取ってないリンパに転移していたとして、放射線で焼ききれるのですか?」
⇒臨床試験では「放射線照射で十分代用できる」との結果が出ています。
 
「胸の方が、断片陽性」「放射線で、なんとかなりますか?全摘のが安全なんですか?」
⇒全摘の方が安全であることは間違い有りません。
 ○断端陽性は「局所再発のリスク因子」であることは間違いありません。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

返信ありがとうございます。
??まだホルモンの内容については詳しく聞いてないのですが、先生のおっしゃる、ホルモン療法でも「LH-RHagonistの併用が有効」
「若いからタモキシフェンにLH-RHagonist」だとどういいのですか???
??「化学療法による上乗せは、あまりない」と思います。
ということは、抗ガン剤はしなくてもいいってことですよね???
??「リンパ節生検で、1つに転移があり、3つ取りました。」⇒「微小転移≦2mm」なのか「肉眼的転移>2mm」なのかをまずは、はっきりさせましょう。
というのは、大きさで何か違うのですか?
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「ホルモン療法でも「LH-RHagonistの併用が有効」「若いからタモキシフェンにLH-RHagonist」だとどういいのですか???」
⇒その通りです。
 SOFT試験の結果で「35歳未満ではLH-RHagonistの併用が有効」であることが解っているのです。
 
「抗ガン剤はしなくてもいいってことですよね???」
⇒そう思います。
 
「微小転移≦2mm」なのか「肉眼的転移>2mm」なのかをまずは、はっきりさせましょう。というのは、大きさで何か違うのですか?」
⇒微小転移であれば、「リンパ節転移なし」と予後は同等なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

度々質問すいません。
リンパ節転移の1つは7mmだそうです。
結構大きいですよね?この大きさから抗ガン剤をした方がいいとかありますか?
抗ガン剤は、するとしたらTC3か月とのことでした。
抗ガン剤するなら卵子卵巣とりに行かなきゃいけないし。
抗ガン剤しないで、卵巣はそのまま…のが体的に、妊娠出産にもいいのではないか。
と思ったり、もし再発、転移したら(それこそ卵巣に…)と思うと抗ガン剤しといた方がいいのかなと思ったり。
抗ガン剤の決断ができません。
先生ならどっちをおすすめしますか?
また、再発転移したら完治はないんですか?
再発転移したら5年後どう…って話になってくると腫瘍内科の先生は言ってました。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「リンパ節転移の1つは7mm」
⇒肉眼的転移(>2mm)でしたね。
 追加郭清しないことに術前取りきめがあったのだと思います。
 
「この大きさから抗ガン剤をした方がいいとかありますか?」
⇒そうではありません。
 腫瘍径が8mmだし、「タモキシフェン+LH-RHagonist」でいいと思います。
 
「抗ガン剤しないで、卵巣はそのまま…のが体的に、妊娠出産にもいいのではないか。」
⇒勿論そうなります。
 
「もし再発、転移したら(それこそ卵巣に…)」
⇒乳癌は卵巣には転移しません。
 
「抗ガン剤の決断ができません。先生ならどっちをおすすめしますか?」
⇒タモキシフェン+LH-RHagonistです。