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乳癌の手術と、その後の治療について

[管理番号:359]
性別:女性
年齢:37歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1013「乳がん手術後の患者様よりメッセージ

 
 
初めまして。
数日前に乳癌と診断され、まだ半分パニック状態で、やっと少しずつ自分で色々と調べる気力が出てきたところ、こちらのQ&Aにたどり着き、藁にもすがる思いで質問させて頂きたく思います。
 
2週間ほど前にクリニックにてエコーと細胞診を受け、そのときのエコーでは乳癌の可能性は低いと言われていたのですが、今週の月曜日(27日)に細胞診の結果、乳癌と診断され、その場で細胞を取る検査(麻酔をかけ、すぐに検査でした。恐らく針生検?検査の確実な名前が分からず申し訳ありません。)翌日に大きな病院でMRIを受けてきました。
その2つの詳しい結果がGW明け(9日)に分かり、そのときに手術など諸々の計画を立てるとのことでしたが、不安でたまりません。
 
まず、手術は一刻を争うような状態(一週間や二週間で状況が変わってくるもの)でしょうか?
また、今後の予定として、どのような経過、治療が考えられるでしょうか?
 
私は、北関東に在住しており、上の子どもが小学一年生になったばかり、そして下の子どもがまだ10ヶ月の乳児です。
乳癌は、右の乳房に2つ、2cm弱か2cmぐらいの確かなしこりとして、自分でも確認できます。
 
私自身、治すためならどんなことでもする気でいますが、子どもが小さいため、手術や治療にかかる時間や見通しの不安もあります。そして正直、手術後の予後が不安でたまりません。
しこりが確実に手で触れて分かるような状態の場合、かなり進行した癌と考えられるのでしょうか?
 
そして、受診したクリニックのお医者様が、(腕は確かなのかもしれませんが)詳しく色々説明してくださる方ではなく、詳しい質問は全て看護師の方にフォローして頂いてきたので、その点での不安もあります。
 
そこで本題の質問をさせて頂きますと、私は北関東に在住しておりますが、実家が江戸川病院さんから割りと近く(千葉)、もしも可能であれば、江戸川病院さんを受診させて頂いて、今後治療していきたい…とも考えてしまいました。
下の子どもを実家の母にまかせるとなると、それが一番助かるのですが、ただ問題は、上の子どもが小学校の通学があるので、長期間の滞在は不可能なことです。
この場合、手術は今受診しているクリニックのお医者様に、なるべく早急にして頂いて、その後の治療は江戸川病院さんで…ということは可能なのでしょうか?
『手術後の治療』が、どのようなスケジュールで入ってくるのかも分かっておらず、不安です。
(放射線治療などになると、数ヶ月毎日病院に通うことになるイメージなのですが、その可能性もありますか?)
数ヶ月毎日の通院となるのか、または1ヶ月に1回の通院が数ヶ月続くことになるのか(この場合でしたら、実家に帰っての通院も可能かと思っています)、また通院治療はどれぐらい続くことになるのかも懸念しています。
どちらにしても、両親の助けを借りるしかないのですが、手のかかる乳児もいるため、できるだけ両親に負担をかけさせない方法を選びたいことと、信頼できるお医者様に診て頂きたいこと(今のお医者様も信頼できない方ではないのかもしれませんが…)などで、GW明けの診察まで迷い続けてしまいそうです。
 
たくさん質問させて頂いて申し訳ありません。
お忙しい中、大変恐縮ではありますが、アドバイスを頂きたく思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

 おはようございます。田澤です。
 27日に「急に乳癌」と言われ、『これから、何がおこるのだろう?』という不安の中に居る様子が伝わってきました。
 是非、力になりたいと思います。
 いろいろな情報が溢れていますが、『乳癌は(初期治療を誤らない限り)十分治癒を狙える』ものであり、『乳癌治療は(手術を始めとして)正しく行えば、安心・安全に行えます。』
 乳癌は恐れる必要は無いのです。

回答

「まず、手術は一刻を争うような状態(一週間や二週間で状況が変わってくるもの)でしょうか?」
⇒大丈夫です。
 ただし、(乳癌は大人しいとはいえ)進行性ではあるので、「初診から診断、診断から手術」これらトータルで2カ月以内に収めるべきと思っています。
 ※質問者の場合は(4月中旬に細胞診を受けているようなので)「6月中頃までに手術」がいいと思います。
 
「今後の予定として、どのような経過、治療が考えられるでしょうか?」
⇒針生検により「乳癌」の確定診断がつきますが、その後(この検体で)「乳癌の性質(サブタイプ)」が判明します。
 MRIにより、「癌の拡がり」が判明します。 つまり術式として「乳房温存か? 乳房切除(全摘)か?」という判断材料となります。
(上記で術式が決まり)手術が行われます。

  • 術後は「局所療法」としては
     (乳房温存術の場合)術後(温存乳房)放射線照射(連日で25-30回程度 totalで5,6週間)を行います。
     (乳房切除術の場合)術後放射線照射は原則ありませんが、(リンパ節転移を認めた場合には)「胸壁及び、リンパ節照射」が行われます。(回数は温存照射と同様)
     
  • 術後の「全身療法」としては
     (術式にかかわらず)サブタイプによって「ホルモン療法」「化学療法」「分子標的薬」を行います。
     ※ザックリ言うと、
     「ホルモン療法が効くタイプ」の場合は「ホルモン療法」
     「ホルモン療法が効かないタイプ」の場合は「化学療法」
     「HER2蛋白が陽性のタイプ」の場合は「化学療法+分子標的薬」を行います。
     

「しこりが確実に手で触れて分かるような状態の場合、かなり進行した癌と考えられるのでしょうか?」
⇒2cm程度では「進行した状態」ではありません。
 十分早期乳癌(1期)の可能性があります。
 (脇の下を触ってみて)リンパ節がゴロゴロしている場合には「やや進行した状態」とは言えますが、「乳癌の殆どは早期」なのです。
 
「この場合、手術は今受診しているクリニックのお医者様に、なるべく早急にして頂いて、その後の治療は江戸川病院さんで…ということは可能なのでしょうか?」
⇒もちろん、それもできますが、
 むしろ「当院で手術」の方がいいと思います。
 当院では「2泊3日」での手術で『手術精度も高い』ので、「術後の状態も心配ありません」
 日曜日に入院、月曜日に手術、火曜日に退院。 退院した日には家事もできます。
 
「放射線治療などになると、数ヶ月毎日病院に通うことになるイメージなのですが、その可能性もありますか?」
⇒(前述したように)「連日で1カ月半」程度です。(数か月もかかりません)しかも1回あたりは数分で終わり、副作用もありません。
 温存手術後は必ず「温存乳房照射」があります。
 
「通院治療はどれぐらい続くことになるのか」
⇒以下に、(温存術の場合の)放射線治療、ホルモン療法の例を書きます。

  1. 放射線照射:
    連日で1カ月半通院で終了です。

  2. ホルモン療法:
    3カ月に1回の内服薬処方と皮下注射(閉経前のホルモン療法では、こちらの適応も十分ありそうです)で通院。
    内服は5年間(データ上は、今後10年間が推奨となりそうです)皮下注射は2年間です。

 
◎全体でまとめると、
 手術(2泊3日)入院⇒(術後1週間目で)創部確認で来院⇒(術後2週間目で)手術病理結果に来院⇒(術後1カ月半位から)放射線連日(1カ月半通院)
 あとは、3カ月に1回の「ホルモン剤処方と皮下注射」で通院です。
全体像が見えてきたでしょうか?
 「実家が千葉にある」のであれば、是非当院で手術から治療も全て行ってください。
 「手術精度」など、当院であれば間違いはありません。
 
★ (受診予約は通常のルートではなく) 予約枠を確保します。
 是非、お待ちしてます。

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 
 江戸川病院 乳腺センター 田澤
 
 

 

質問者様から 【感想】

今朝方、乳癌の手術と治療について質問させて頂いた者です。
早々の、とても詳しく温かいお返事、本当にありがとうございました。
この数日間、悩んで悩んで不安でたまらなかった気持ちが、一気に晴れていき、大きな希望が見えた思いでした。
早速、小平様に電話させて頂き、予約を取らせて頂きました。
小平様もとても丁寧に話を聞いてくださり、心からホッといたしました。ありがとうございました!
診断を受けてから、ショックと不安で打ちのめされていた私にとって、これほどの安堵感はありません。
子どもたちがまだ小さいので、どんなことがあっても治す…という思いでいるのですが、やはり癌と言われてしまうと、もしも…の思いと、転移の不安などがぐるぐる巡り、頭の中がごちゃごちゃでした。
やはり信頼できる先生に診て頂きたい思いが強く、そんな先生に診て頂くことが、自分の中でも一番の確かな力(頑張っていく力)に繋がると感じますので、田澤先生にお世話になりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
大変ご多忙な中、ご丁寧なお返事、本当に本当にありがとうございました!
重ね重ね感謝致します。
 
 

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