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乳ガン早期でしょうか?

[管理番号:1821]
性別:女性
年齢:35歳
初めて書き込ませて頂きます。
35歳、つい先日乳ガンと診断されました。
病理組織検査結果でよく解らない記載にモヤモヤしています。
また診断後、主治医が体調不良にて入院なさるとのことで他の医療機関に紹介状を書いて頂き数日後に受診予定です。(治療を急かされた感じがあり不安で仕方ありません)
病理組織検査結果は
乳腺CNB3本
全体が腫瘍です。多型性の強い硬癌型の浸潤癌を認めます。
Invasive carcinoma NST/scirrhous
carcinoma
histological grade3(構造異型3、核異型3、核分裂2)
intraductal component(-)
comedo(-)calcification(-)
と、記載がありました。浸潤癌で硬癌、グレード3は理解しましたが、多型性と言うのがよく解りません。
エコーでは
所見
右乳房内Cに18mm×9mm×12mm大
の不整形の低エコー腫瘤を認めま
す。血流あり、石灰化あり
診断
右乳房内腫瘤
両側乳房内嚢胞
ネットでいろいろ調べてしまいノイローゼ状態です…早めに気がついたつもりだったので早期であったのかと思っていましたが、医療機関の方に早い方がいいと受診予定が繰り上げてもらったり…
こちらのQ&Aはとても詳細で丁寧に返答されており私も聞きたいと思い投稿させて頂きました。
お時間ある時にご回答、よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「治療を急かされた感じがあり不安で仕方ありません」
⇒癌の診断である以上、「可能な中での早期対応」を当たり前にしているにすぎません。
 考え過ぎです。
 
「多型性と言うのがよく解りません」
⇒「顕微鏡の見た目についての表現」にすぎません。
 病理所見の印象が「いろいろな形態をしている」という表現です。
 気にするようなものではありません。
 
「早めに気がついたつもりだったので早期であったのかと思っていましたが、」
⇒超音波で「18mm」であれば、十分早期です。
 
 「リンパ節の状況」についての記載がないので「それ以上」解り兼ねますが…
 
「医療機関の方に早い方がいいと受診予定が繰り上げてもらったり」
⇒「医療機関としては、癌である以上、早い方がいい」と考えて当然です。
 ○進行しているから「特別早くした」と言う事を疑っているならば、「完全な誤り」です。
 
★ネットなど見ていると「硬癌」とか「核グレード3」などに「要らぬ心配」をさせられていることでしょう。
 全く「無意味な情報」です。
 これから「サブタイプ」が出るのかもしれませんが、「サブタイプに応じた治療」を行う事です。
 「早期である事」に勝る武器はありません。
 
◎サブタイプとは?
組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
・エストロゲンレセプターの発現(ER)
・プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
・HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
●luminal type:(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性) ホルモン療法が有効(更に増殖指数Ki67の値が低いAと高いBに分けます)
 ♯luminalA(Ki67低値)ではホルモン療法単独を、luminalB(Ki67高値)には(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い
●HER2 type:(HER2陽性のもの) ハーセプチンという分子標的薬と通常の抗癌剤の組み合わせを行う
●トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
●トリプルポジティブ:(ER陽性、PgR陽性、HER2陽性)ホルモン療法と分子標的薬と抗癌剤の全てを行う
 ※正式名称はluminal B(HER2タイプ)と言います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

以前も質問させていただきました。
その後、温存手術を終え今後の治療について主治医と相談しているところですが、先生のご意見も伺いたく再度投稿させていただきます。
術前)針生検
浸潤性乳管癌
ステージⅡa
HER2タイプ(FISH2.14)微妙と言われてました
ki67 70%
手術は左乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検を行いセンチネルリンパ節に転移あり(1/3個)で腋窩郭清(0/14)
術後)
浸潤性乳管癌(充実腺管癌)
最大浸潤径 14mm
リンパ管浸潤なし、静脈浸潤なし
HER2蛋白過剰発現なし、そのためトリプルネガティブに変更
ki67  42%
トリプルネガティブのため今後は化学療法が推奨されるとのことでした。
主治医からは
①TC(4クール)
②FEC+DOC(4クール+4クール)
いずれか、と提案がありました。
その際、ずっとサブタイプはHER2タイプだと思っていたのでハーセプチンは出来ないかを確認したところ術前の病理では微妙でも反応があったのでやってみてもいいと思いますよ、
と言われ悩んだ結果、
FEC+DOCは精神的にもやりきれそうもないためTC+ハーセプチン(17回/1年)とお願いしようと思いますが、先生でしたら何を奨めますか?
また、放射線照射も化学療法後に25~30回を予定しています。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
pT1c(14mm), pN1, HER2typeですね。
まず第1に「術前針生検の標本でFISH陽性」であれば、「抗HER2療法すべき」です。
手術標本で再度「ER, PgR, HER2を再評価」しているから問題が起こるのです。
手術標本でありがちなのは「標本の(ホルマリン)固定不足」です。
○「ER, PgR, HER2の評価で信ずるべきは「術前針生検の標本」なのです。
「ずっとサブタイプはHER2タイプだと思っていたのでハーセプチンは出来ないか」
⇒当然「抗HER2療法すべき」です。
 
「FEC+DOCは精神的にもやりきれそうもないためTC+ハーセプチン(17回/1年)とお願いしようと思いますが、先生でしたら何を奨めますか?」
⇒TC+HERでいいと思います。
 Another choiseとしては「weekly PTX」+HERです。
 ♯副作用としては、こちらの方が軽いとは思います。
 
「また、放射線照射も化学療法後に25~30回を予定しています。」
⇒温存後なので、当然そうなります。(化学療法とは無関係です)
 
 

 

質問者様から 【質問3】

現在、TC+ハーセプチンの3回目を終えたところですが、血液検査の結果、白血球が高いと言われました。
2回目の時も高めでしたが更に上がっていて主治医に理由を尋ねましたが不明とのこと…更に『この次も高いようなら抗ガン剤の副作用で血液にも影響しているのかもしれないので血液内科の受診も考えましょう』と言われショックです。
特に熱が出ている、怪我している、などはありません。
WBC/
初回6100
2回目12600
3回目14300
好中球/初回3700
2回目10200
3回目11400
これら以外の血液検査のデータは初回と大きな差はありません。
副作用は人それぞれとはわかっていますが、白血球が高くなった原因が
解らずどうしていいのかわかりません。
内服はアレルギーが出やすい体質のため最初の処方から増量し現在は連日デカドロン2mg×2回とアラグラ60mg×2回です。
主治医はデカドロンの影響かもね、とも言ってましたが…
ステロイドの影響なのか顔面の浮腫と過食気味です。
また、眩暈が酷く立ちくらみが頻繁にあります。
その件について主治医は起立性低血圧とのこと。
もともと起立性低血圧はありましたが眩暈の感じが違うのと、寝ていても眩暈があります。
これも副作用でしょうか?
このまま、何もしなくとも大丈夫なのでしょうか?
それとも何か対策はないのでしょうか?
お忙しいところ大変申し訳ありませんが、どんな些細なことでも構いません。
田澤先生のご意見を頂ければ心強いです。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「現在、TC+ハーセプチンの3回目を終えたところですが、血液検査の結果、白血球が高いと言われました。2回目の時も高めでした」
⇒これは、明らかに「ステロイドによる影響」です。
 質問者は「連日デカドロン4mg/day」内服しているわけだから、特におかしくありません。
 それよりも「血液内科受診」など全く無駄です。(質問者に余計な心配をさせているだけです)
 もしも「白血球の中に異型白血球でもあれば別ですが…当然そんなものがでている
ことは無い筈」です。
 
「副作用は人それぞれとはわかっていますが、白血球が高くなった原因が解らずどうしていいのかわかりません。」
⇒気にする必要ありません。
 TC3回くらいでは「何も、予想外の事はおこりません。 肝機能障害だけ気をつけていればいいのです」
 
「もともと起立性低血圧はありましたが眩暈の感じが違うのと、寝ていても眩暈があります。これも副作用でしょうか?」
⇒副作用です。
 
「このまま、何もしなくとも大丈夫なのでしょうか?それとも何か対策はないので
しょうか?」
⇒特に対策はありません。
 酷ければ「減量」するだけです。