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乳腺嚢胞から乳腺腫瘤へ要経過観察と言われました

[管理番号:696]
性別:女性
年齢:43歳
はじめまして。今日、健診結果が返ってきて心配になり、色々調べていたところ、こちらに辿り着きました。Q&Aを拝見し、だいぶ分かったように思いますが、やはり念のため、お伺いしたく、質問させていただきました。
平成22年から会社の健診で触診と超音波検査を年に1度受けています。マンモグラフィーは一度も受けたことがありません。
平成22年から平成24年までは右側乳腺嚢胞で要経過観察、平成25年、平成26年は両側乳腺嚢胞で6か月後要再検査となっていました。
平成25年の時に健診結果をもって再検査を受けにいったところ、これまでも右側には乳腺嚢胞がずっとあるし、1年に1度検査していれば大丈夫ですよと言われ、再検査を行いませんでした。
そういわれたこともあり、平成26年にも再検査はしていません。
ところが、今年、健診結果が乳腺嚢胞ではなく、乳腺腫瘤となっていました。
今年から検査の病院が変わったこともあるのかもしれませんが、嚢胞が腫瘤となっていたことがショックでした。
しかしながら、再検査、要検査の指示はなく、年に1度の定期的な検査をおすすめしますとだけ書いてありました。乳腺嚢胞があっても、1年間放っておいていいものなのでしょうか?
一人親で子供がまだ小さいので、少しでも癌の可能性があるのであれば、再検査をして、不安は払拭しておきたいと思っています。
お手数ですが、ご回答いただけますと大変助かります。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 検診結果の「嚢胞」と「腫瘤」ですね。
 「嚢胞では安心」だけど、「腫瘤では不安」というお気持ちは良く解ります。

回答

「今年、健診結果が乳腺嚢胞ではなく、乳腺腫瘤となっていました」
⇒おそらく、「今年から検査の病院が変わったこともあるのかもしれません」というのが最も考えられる事です。
 つまり「全く同じもの」でもA病院では「嚢胞と断定」するのに対し、B病院では(嚢胞とは断定せずに)「嚢胞で無い可能性=腫瘤疑い」としている可能性が高いです。
 また、「濃縮嚢胞」の可能性もあります。
 嚢胞の内部の液体が凝固すると、「嚢胞とは断言できなく」なります。そうすると「腫瘤との鑑別が難しい」ので「乳腺腫瘤」としている可能性もあります。
 この場合は「腫瘍の可能性があるとしても」良性とほぼ断言できるので(通常の嚢胞と同様に)「年に1度の定期的な検査をおすすめします」となるのです。
 
○実際に診療をしていても、ある検診機関では検診票に「乳腺嚢胞」と記載するのに対し、別の検診機関では「乳腺腫瘤の疑い」と記載されていたりします。 
 どこまで診断をつめるかは、その医療機関によってバラバラなのです。
 ♯「濃縮嚢胞」を『これも嚢胞』と判断する所もあれば、『嚢胞ではない可能性も捨てきれないので、腫瘤としておこう』と判断する所もあるのです。
 
 
「乳腺嚢胞があっても、1年間放っておいていいものなのでしょうか?」
⇒(嚢胞ではなく、腫瘤の誤記載だとは思いますが)
 上記で示した様に、この場合には「嚢胞と同等」に考えていいと思います。
 ○本当に「癌の可能性のある所見」を「1年後とすることは無い」と思います。