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ノルバデックスの服用期間

[管理番号:780]
性別:女性
年齢:49歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:787「ルミナールAでの「微小転移」」

 
 
ノルバデックスの服用期間で迷っています。
6年前に右乳癌で温存手術を受けました。病変は近接して2ヶ所ありましたが、結合部は確認できませんでした。病変1(17×13㎜)病変2(12×9㎜)いずれも 進展度g核異型度NG1
脈管浸潤:ly(-),v(-)切除断端:陰性 ER(5),PgR(5)HER2(-)センチネルリンパ節に1つ転移がありました。リンパ節はlevel1(0/7)level2(0/2)
抗がん剤を勧められましたが、決心がつかなくてしなかったこともあり、リュープリンの注射を5年間勧められ受けました。
ノルバデックスの内服も5年間の予定でしたが最近10年間の服用が再発予防に有効との報告があったとのことで服用を続ける選択肢もあるが、自分で決めるよう主治医より言われました。
ノルバデックス服用後の副作用は軽度のホットフラッシュくらいでしたので継続して服用することを選択し7年目に入りました。
この間の診察でノルバデックスの長期服用は子宮がんのリスクを高めるが、まだ続けていきますか?と主治医に言われました。
子宮がん検診は頸部、体部も1年に1回の検診をしています。主治医は体部ガンは見つけにくいのでノルバデックスの服用は止めてもいいのではないかとの考えのようですが、先生はどう思われますか?
リュープリンを標準治療より長い5年間受けたことも関係するのでしょうか?
ご意見をお聞かせください。
 
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 pT1c, pN1, luminal A(NG1より推定)ですね。
 そもそも「抗がん剤はしなくてもいい」と思います。(質問者にとっては過ぎてしまった事ですが、このブログを見てくれる他の方達のために)

回答

「体部ガンは見つけにくいのでノルバデックスの服用は止めてもいいのではないかとの考えのようですが、先生はどう思われますか?」
⇒これにはSOFT試験で数値がでています。
 TAM10年投与での「乳癌死の減少効果」は「子宮体癌などの副作用による増加」よりも30倍も高いのです。
 当然「子宮体癌が怖い」と言う理由で「ノルバデックスを継続しない」のには反対です。(他の副作用で日常生活や仕事に支障があるからという理由ならば、辞めてもいいですが)
 「子宮体癌」はきちんと検診して「子宮内膜の肥厚をチェック」すれば大丈夫です。
 ○内膜肥厚が、でてきたら「辞めればいい」のです。
 
「リュープリンを標準治療より長い5年間受けたことも関係するのでしょうか?」
⇒特にLH-RHagonistの影響を考える必要はありません。
 タモキシフェン投与は、特に「術後10年以上の晩期再発にも有用」なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

前回、「ノルバデックスの服用期間」と「ルミナールAでの微小転移」についてについて質問させていただいた者です。
6年前に右乳癌で温存手術、リンパ節郭清を受けました。術後の病理結果には病変は#15-#20の範囲に近接して2ヶ所ありましたが、結合部はは確認できませんでした。病変1(17×13㎜)病変2(12×9㎜)いずれも 進展度g核異型度NG1(unclear atypia2+mitosis1=3) 脈管浸潤:ly(-),v(-)切除断端:陰性 免疫染色(#18で評価)ER(PS3+IS2=5),PgR(PS3+IS2=5)HER2(-)センチネルリンパ節に1つ転移がありました。リンパ節はlevel1(0/7)level2(0/2) と記載されておりました。その下にコメントがあり背景の乳腺にはにはcyst,sclerosis,apocrine metaplasisを伴う乳腺症が認められます。#16の底面で5㎜以内に腫瘍を認めますが、露出はみとめません。
ICD code,C50.8,8500/31,pT1,pN1a
#16の腫瘍とはガンかもしれない、またはガンになり得るということでしょうか?主治医の抗がん剤の勧めを拒否したため不安になります。
現在はノルバデックス服用以外は年1回のCT(造影剤なし)、エコー、血液検査のみです。当時はKl67の測定などはなかったのですが、タイプはルミナールAと考えていいのでしょうか?
主治医は抗がん剤とリュープリン2年、ノルバデックス5年の治療を勧めましたが、抗がん剤を拒否したためリュープリン5年ノルバデックス10年年の治療になりました。ノルバデックスの10年服用も主治医は子宮がんのリスクが増加するのみと消極的ですが私の希望で続けています。
主治医の意見を聞き入れない患者ですので今まで質問できなかったことを聞かせていただいています
かせていただいています。お忙しいところ申し訳ありませんが長年の不安や疑問から解放していただければ嬉しいです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
前回までの追加ですね。
「#16の腫瘍とはガンかもしれない、またはガンになり得るということでしょうか?」
⇒癌そのものです。
 断端に癌が近いという記載です。
 ただし「側方断端」とは異なり、「皮膚側」や「深部側」断端は「執刀医が気をつけていれば大丈夫」です。
「当時はKl67の測定などはなかったのですが、タイプはルミナールAと考えていいのでしょうか?」
⇒NG1ですので、そう推測します。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

毎日このサイトを拝見し、勉強させていただいています。
以前、ホルモン療法の件で質問させていただきましたが、今回3か月毎のの診察で質問させていただきたいことができましたのでお願いします。
42歳で温存手術を受け、放射線治療のあと5年間の3か月毎のリュープリンと現在もノルバデックスの服用を続け7年になります。
リュープリンの治療が終わり2年になりますが生理の再開がないので主治医にこのままノルバデックスの服用でいいのか質問したところ、ノルバデックスの服用を続けるか、アロマシンに変えるかは自分で選択するように言われました。
主治医の説明では、最近ノルバデックスの10年服用の有用性がが言われるようになったが、以前はホルモン剤10年間の服用の場合は5年間のノルバデックスの後、5年間のアロマシンが標準治療だったとのことです。
ノルバデックス10年とノルバデックス5年の後アロマシン5年年の服用での再発率の比較についての臨床結果はまだでていないので自分で選択するようにとのことです。
リュープリン終了後2年経っているのでそろそろ生理が始まるかもしれないが、年齢的に50歳くらいが閉経と考えてアロマシンに変えてもいいかもしれない。
アロマシンはホルモン剤による子宮ガンのリスクがノルバデックスに比べ減少するが、アロマシンに変えて生理が再開した患者もいるので変えるかどうかは3か月後の診察までに考えておくように言われましたわれました。
私としては10年のノルバデックスの有用性を信じて続けてきたわけですし、
副作用も殆どないのでこのまま後2年余りをノルバデックスの服用、
もし閉経していた場合ノルバデックス服用は無意味でしょうか?
主治医にサブタイプの質問をしたところ当時はki67の測定はなく断言はできないけど、おそらく病理結果からルミナールAと推測されるとのことです。
当時はリンパ節転移ありとのことで抗がん剤を強く勧めたが現在であれば勧めないかもしれないとも言われました。
このサイトを拝見していますと
35歳以上にはリュープリン投与もあまり効果がないとのことですが
42歳から5年間もリュープリン注射をしました。
主治医から手術方法、抗がん剤の使用、ノルバデックスの服用期間などその都度自分で選択するように言われてきましたが、
時代とともに変わるわる治療に今までの治療でよかったのか不安になります。
今回の選択についてもどうしていいのかわからなくなります。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「ノルバデックス10年とノルバデックス5年の後アロマシン5年年の服用での再発率の比較についての臨床結果はまだでていないので自分で選択するようにとのことです。」
⇒(もし閉経されているとしたら)アロマターゼインヒビターに変更すべきだと思います。
 直接比較はありませんが…
 治療前は閉経前であったが、タモキシフェンの5年投与を完了し、閉経が確認された場合はアロマターゼ阻害薬の追加5年投与が勧められる(推奨グレードB)となっています。
 これは「タモキシフェン5年投与完了までに閉経した早期乳癌患者にレトロゾールを5年間追加することで再発率を75%低下させた」というものです。(MA.17)
 この数字はATLAS試験での「タモキシフェン10年継続投与よりも優れている」と思われます。
 
「リュープリン終了後2年経っているのでそろそろ生理が始まるかもしれないが、年齢的に50歳くらいが閉経と考えてアロマシンに変えてもいいかもしれない。」
⇒血中エストラジオールを測定して確認すべきです。
 
「アロマシンに変えて生理が再開した患者もいる」
⇒このようにならないために、閉経の確認は必須です。
 だから「血中エストラジオール」なのです。
 
「もし閉経していた場合ノルバデックス服用は無意味でしょうか?」
⇒無意味ではありません。
 ATLASで有効性が証明されています。(ATLAS試験の対象は約9割が閉経後であり、閉経後でも10年投与の有効性は証明されているのです)
 ただ、上記「MA.17と比較すると」アロマターゼ阻害剤への変更の方が有用ではないかと思います。
 
「このサイトを拝見していますと35歳以上にはリュープリン投与もあまり効果効果がないとのことですが42歳から5年間もリュープリン注射をしました。」
⇒SOFT試験の結果が出る前は「閉経前にはLH-RHagonistを併用すれば+αがあるのでは?」と考えられていたので仕方がないことです。
 ただ、「再発率を上げる」わけではないのでご安心を
 
「時代とともに変わるわる治療に今までの治療でよかったのか不安になります。」
⇒おおよそ問題はありません。
 過去を振り返っても仕方がありません。
 その時点で判明している「ベスト」を行うことです。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

お忙しいところ、早々にご回答をいただきありがとうございます。
10年間のノルバデックスの服用が希望でしたが、先生にご説明をいただき血中エストラジオールの値を見て選択しようと思いました。
ただ、長年のノルバデックス服用に影響を受けてエストラジオール値のみで閉経かどうかを判断できるのか心配です。
この値は今の無月経がノルバデックスの副作用なのか閉経しているのか
を示してくれるものなのでしょうか?
主治医はもともとホルモン剤の10年間の投与には、副作用で子宮ガンのリスクが増加することを考え消極的な様子です。
ですから、エストラジオールの測定については近日子宮ガン検診に行く予定ですので婦人科の先生にお願いしてみようと思います。
閉経時のエストラジオール値については基準値が18以下と示しているものや10以下としているものなど様々ですが、いくつ以下ならアロマシンに変更すべきでしょうか?FSHも考慮に入れるべきでしょうか?
ノルバデックスとアロマシンでは副作用としての子宮ガンになるリスクに差があるのでしょうか?
また、7年間のノルバデックスの服用では自覚する副作用は軽度のホットフラッシュと4㎏の体重増加くらいでしたが、アロマシンでは副作用はは出やすいのでしょうか?
対側乳がんの予防についてはノルバデックスに比べてどうなのでしょうか?
自分でホルモン剤の選択をするように言われていますが、決断に自信がない場合は子宮ガンのリスクについては不安がありますが、このまま後33年(53歳まで)ノルバデックスの服用を続けてもいいでしょうか?
お忙しい先生に頼ってしまい申し訳ありませんが、ご意見をお聞かせ下さいさい。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「長年のノルバデックス服用に影響を受けてエストラジオール値のみで閉経かどうかを判断できるのか心配」
⇒心配ありません。
 是非、測定してください。
 
「この値は今の無月経がノルバデックスの副作用なのか閉経しているのかを示してくれるものなのでしょうか?」
⇒「月経が無いこと」を調べるわけではなく、
 「エストロゲンレベルから卵巣機能が十分(閉経)レベルにあるのかをみる」のです。
 
「閉経時のエストラジオール値については基準値が18以下と示しているものや10以下としているものなど様々ですが、いくつ以下ならアロマシンに変更すべきでしょうか?」
⇒10以下でいいと思います。
 
「FSHも考慮に入れるべきでしょうか?」
⇒不要です。
 
「ノルバデックスとアロマシンでは副作用としての子宮ガンになるリスクに差があるのでしょうか?」
⇒子宮体癌のリスクはタモキシフェン(ノルバデックス)です。
 
「アロマシンでは副作用はは出やすいのでしょうか?」
⇒あまりありません。
 
「対側乳がんの予防についてはノルバデックスに比べてどうなのでしょうか?」
⇒そのデータはありません。
 
「自分でホルモン剤の選択をするように言われていますが、決断に自信がない場合は子宮ガンのリスクについては不安がありますが、このまま後33年(53歳まで)ノルバデックスの服用を続けてもいいでしょうか?」
⇒前回回答したように…
 明らかに「アロマターゼインヒビターへの変更」が有効です(エストラジオールのレベルで閉経を確認できれば)
 
「お忙しい先生に頼ってしまい申し訳ありませんが、ご意見をお聞かせ下さいさい。」
⇒あまり、余計な事を考えるのは止めましょう。
 極めてシンプルに
「エストラジオールが低値」⇒アロマターゼインヒビターへ変更
「低値ではない」⇒タモキシフェン継続
 それでいいのです。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

先日はホルモン剤の内服について教えていただきありがとうございました。
婦人科の先生に採血をお願いした結果、E2 33.5 LH 7.1 FSH 13.7
13.7 でした。
所見は閉経には至っておらず、子宮体ガンの検査でも少し子宮内膜は肥厚しているものの異常はなくノルバデックスの服用を勧められました。
後3年間の服用予定ですが、毎年のガン検診の時にホルモン検査をして確認確認する方がいいのでしょうか?
それとも最後までノルバデックス服用でいいのでしょうかでいいのでしょうか?
内服の選択については、主治医は何のアドバイス選択するためのデータもくれず、ただ自分で決めてくださいと言われるだけでしたので、田澤先生には大変感謝しております。
今日お聞きしたいのは、リンパ浮腫についてです。
7年間リンパ浮腫には細心の注意を払ってきたのですが、先日ずっと我慢してきたボーリングに行って羽目を外してしまい、(8ゲームしてしまいました)後悔でいっぱいです。
腫れは見られませんが脇から胸にかけての痺れと上腕の内側内側の違和感があります。
リンパ郭清した脇にピンポン玉を挟んでいるような感覚です。
早急に病院に行けば何か手立てはありますか?
自分では就寝時には枕で腕を少し上げて休んだり抹消からのマッサージをしたりしていますが、少し様子を見た方がいいのでしょうか?
浮腫になるとすれば、急激に腫れてくるのでしょうか?
自分でしてしまったことですが、脇の違和感が気になって辛いです。
不安になると主治医より田澤先生に頼ってしまい申し訳ありませんが、アドバイスをお願いします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「腫れは見られませんが脇から胸にかけての痺れと上腕の内側内側の違和感」
⇒心配な気持ちは解りますが、「リンパ浮腫の前兆」ではありません。
 ○リンパ浮腫を注意すべき前兆があるとすれば、「腕の蜂窩織炎」です。
 腕が「真っ赤に発赤」します。(虫刺されなど感染が契機となります)
 その場合には「抗生剤投与+安静+患肢挙上+冷却」で入院を必要とする場合があります。
 
「早急に病院に行けば何か手立てはありますか?」
⇒ありません。
 上記のような「炎症所見」がなければ大丈夫です。
 
「自分では就寝時には枕で腕を少し上げて休んだり抹消からのマッサージをしたりしていますが、少し様子を見た方がいいのでしょうか?」
⇒それで十分です。
 
「浮腫になるとすれば、急激に腫れてくるのでしょうか?」
⇒そんなことはありません。
 大丈夫です。