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MRI

管理番号:15
性別:女性
年齢:50歳
マンモで石灰がみつかりました。
その後エコーを受けましたが異常なし
細胞診ですか?とたずねると(6年を程前に細胞診をした事があったので)
細胞診はしこりがないのでできないとのことでMRIをして調べましょうと言われました。
MRIは、なんだかすごくたいそうな検査に思います。
どんな場合にMRI検査は、するものなのですか?
 

A.回答

こんにちは。田澤です。
この質問は、(他の多数の方にとっても)大変参考になる内容だと思います。
ご質問ありがとうございます。
それでは、「状況の整理」⇒「回答」を示します。
 

状況の整理

「マンモで石灰化、エコーで異常なし、MRIをしましょう」
⇒正直いいますと、この医療機関は石灰化を生検する「ステレオガイド下マンモトーム生検」を持っていない、もしくはその意義を解していない。と思います。
※本来「ステレオガイド下マンモトーム生検」ができない施設では「石灰化」の診療はできません。
 ステレオガイド下マンモトーム生検については、トップページの「乳がんの検査」の「マンモトーム生検」を参照してください。
 

回答

MRIは画像診断であり、目的は「存在診断」です。決して組織診断に替わるものではありません。(無論、確定診断とはなりません)
用途としては、

  1. 癌と判明した際に、癌の拡がりを調べる場合
     順番としては、針生検⇒「癌と判明」⇒部分切除の際の「切除範囲」の参考にするために乳房MRIを行う。となります。
  2. マンモグラフィーで「しこり」が疑われるが、超音波ではどうしても解らない場合
     通常、超音波で描出できなければ「異常なし」でもいいのですが、どうしても気になる場合、存在診断(=本当にあるのか?)目的に行う事もあります。(それ程多くない)

※「血性乳頭分泌」の際にMRIを撮影する、若い医師(大学病院など)がいますが、本来は誤りです。乳頭分泌の際には「乳管造影」をするべきです。乳管造影ができない(又はしたことが無い)医師が増えています。
※今回のケースも本来ステレオガイド下マンモトーム生検をすべきなのに、それができないので(本来不要な)MRIを撮ろうとするケースです。
 

補足

この場合にMRI検査をするというのは私には理解できません。MRIは単なる画像診断(存在診断)であり、質的診断(それが何であるか)ではありません。
「MRIで写っているから、癌でしょう。」なんて事もないし、逆もありません。
現に石灰化があるわけで、何かはあるのです。ここでしなければならないのは質的診断(癌であるかどうかの確定診断)ですので、是非「ステレオガイド下マンモトーム生検」をしてもらうべきです。
● 江戸川病院「乳腺外科」では毎週木曜日の午後(1日3件)行っています。