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ステレオガイド下マンモトーム生検の検査結果

[管理番号:989]
性別:女性
年齢:42歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:747「乳腺嚢胞と石灰化のカテゴリーについて」

 
 

質問者様の別の質問

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管理番号:1008「ステレオガイド下マンモトーム生検でのトラブルと「確実性」」

 
 
田澤先生、こんにちは。
お忙しいところ恐縮ですが、先生のご意見をお聞かせいただけませんでしょうか。
今日、先日受けたマンモトーム生検の結果を聞きに行ってきました。
先生からは「大丈夫だったから」の一言だけでした。
もともと口数の少ない先生で、あまり詳しい話が聞けず、大丈夫と言われたにもかかわらず本当にこれで安心してよいものかと不安に感じております。
いただいた病理診断報告書には
【診断】Normal or benign,(mastopathic changes with calcification),right breast,core needle biopsy.
【所見】乳腺針生検組織を8本ご提出いただいています。背景の間質には全体的にかなり強い硝子様の線維化が不規則に生じています。そのための小葉萎縮も目立ちます。乳管の小嚢胞拡張も散見され、それらには分泌型の石灰化が目立ちます。基本的には乳腺症に伴う変化です。標本中に悪性の所見は認められませんでした。
所見に書かれている「強い硝子様の繊維化」や「小葉萎縮」「分泌型の石灰化」など気になる言葉もありますが、これはどのように理解すればよいのでしょうか。
先生からは次は1年後と言われましたが、本当にそれで大丈夫でしょうか。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 ステレオガイド下マンモトーム生検の結果「良性」だったのですね。
 良かったです。
 「石灰化を起こす原因の殆どは乳腺症」です。
 マンモトーム生検の適応となる「石灰化」を検査すると2~3割程度の癌の診断となりますが、残りの8割弱の良性の大部分は「乳腺症」となります。
 今回、質問者の所見も「mastopathic changes with calcification:石灰化を伴う乳腺症変化」という診断となっています。

回答

「本当にこれで安心してよいものかと不安に感じております」
⇒大丈夫です。
 上記でコメントしたように、「典型的な良性所見、乳腺症に伴う分泌型石灰化」です。
 
「強い硝子様の線維化」
⇒乳腺症の本態は「乳腺の線維化」です。
 この線維化が強く起こると「無構造となり、硝子化」と言われます。
 
「小葉委縮」
⇒「乳汁産生を行う小葉」が委縮した状態です。
 これも乳腺症に良く認める変化です。
 乳腺組織の「経年的変化」と言えます。
 
「分泌型の石灰化」
⇒ザックリ言うと、典型的な「乳腺症に伴う石灰化」です。
 乳腺症では「線維化」が起こり、それにより「乳管が閉塞」→「乳管内の分泌物中のカルシウムが沈着」という過程で生じると考えられています。
 
「先生からは次は1年後と言われましたが、本当にそれで大丈夫でしょうか。」
⇒大丈夫です。
 私であれば、「石灰化の決着(白黒)がつきました」 「経過観察は不要です。一般検診へ」とするところです。
 
○ただ、質問者の場合は「嚢胞内腫瘍?」という所見がありましたので、「そこの診断が確定しない限り」経過観察が推奨されます。