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マンモトーム生検後の結果

[管理番号:3461]
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生、はじめまして。
素人では何も分からず専門医である先生に是非質問させて下さい。
今年の2月に市の検診を受け3月上旬にカテゴリー3 微細集蔟性石灰化の為要精密検査となりました。
マンモグラフィーで左胸の乳頭近くに一個見えました。
その時は近くの推奨クリニックで
診てもらい3~4ヶ月後の経過観察となりました。
7月にまた診てもらおうと思ったのですがこれでいいのか不安になりネットで調べると田澤先生が石灰化はマンモトーム生検で確定診断をと読みましたので機械のある県立病院(九州方在住です)に7/(下旬)受診、8/(上旬)にマンモトーム生検を受けました。
そして昨日結果を聞きに行きましたら、悪性では無いが
気になる所があるため外科的生検をと病理医の診断があったので切開しますと言われました。
ただマンモトーム後の血腫があるため落ち着くまで出来ない、11月(中旬)日に予約ですと言われその時は了承したのですがだんだん不安になってきました。
ここから質問なのですが、私としてはすぐにでも調べて貰いたいのに本当に出来ないのでしょうか?
よそで見るとマンモトーム時目印にクリップを入れると読みました、それを入れてくれていたらすぐに場所が特定できて切開生検ができたのではないか?
3ヶ月も放置して大丈夫なのでしょうか?(先生は心配いらない悪性でも早期だから的な事を言ってました)
マンモトーム生検したのでがんの場合よそに散って浸潤しないのでしょうか?
もしも悪性だったとして私は早期でも非浸潤がんであって欲しいのです。
せっかく調べて早く決着を付ける為にマンモトーム生検をしたのにこれでは納得できない気持ちで一杯で涙が出て苦しいです。
このまま3ヶ月もこんなどっちか分からず宙ぶらりんなまま苦しい思いで過ごす自信が無いため、田澤先生でしたらこんな場合でも外科的生検をして頂けるのでしょうか?
かなり遠方ですが、田澤先生に診て頂きたいです!
気が動転して病理診断報告書をもらい忘れてしまいました。
なので私の文章だけで伝わっていないのではと思いましたがこちらに質問させて頂きました。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
メール内容は理解しました。
私は数多くステレオガイド下マンモトーム生検をしてきた(自分自身で1500は超えています)ので、あらゆるケースを経験しています。
質問者の場合も文面から、おおよそ「幾つかあるパターンのどれか」として想像できます。
「悪性では無いが気になる所があるため外科的生検をと病理医の診断があった」
⇒以下のどれかだと推測できます。
①atypia
 FEA(flat epithelial atypia)
MLL with atypia(Mucocele like lesion with atypia) ②ADH(atypical ductal hyperplasia
 重要な事は、「石灰化は手掛かり」にすぎず、しかもマンモトームは(採取組織量は多いとはいえ)「あくまでもサンプリング検査にすぎない」のです。
 これらの病変が有った場合には「病変全体を評価すべき=外科的生検」なのです。
「ただマンモトーム後の血腫があるため落ち着くまで出来ない、11月(中旬)日に予約です」
⇒ここが問題です。
 通常はマンモトーム後には「多少の血腫」はできるとしても、(その後手術が必要な際に)「妨げとなる」ことはありません。
 余程大きな血腫なのですか?
「私としてはすぐにでも調べて貰いたいのに本当に出来ないのでしょうか?」
⇒普通はできます。
 問題は「その血腫の程度」です。
「よそで見るとマンモトーム時目印にクリップを入れると読みました」
⇒それはメーカーが推奨していることを、そのままやる施設の場合です。
 ちなみに私は今まで1例もマーカーを入れたことはありません。(皮膚の刺入部とそれから連続する瘢痕で部位は特定できるのです)
「3ヶ月も放置して大丈夫なのでしょうか?」
⇒問題はありません。
 それなりの(進行を心配しなくてはならない)癌であれば「マンモトームで簡単に決着がつく」筈です。
 こう言うケースでは(経験上)「癌だとしても、低悪性度の非浸潤癌」となります。(これは、通常、浸潤まで年単位だと推測します)
「先生は心配いらない悪性でも早期だから」
⇒まさに「その通り」です。
「マンモトーム生検したのでがんの場合よそに散って浸潤しないのでしょうか?」
⇒ありません。
「田澤先生でしたらこんな場合でも外科的生検をして頂けるのでしょうか?」
⇒その「血腫の程度」が気になりますが…
 常識的な範囲ならば、「外科的生検は可能」でしょう。
 
「かなり遠方ですが、田澤先生に診て頂きたいです!」
⇒了解しました。
 ただし、そもそも「手術待ち」の問題があります。
 ◎乳管内乳頭腫、(通常の)葉状腫瘍(ただし境界悪性以上で大きいものは、癌よりもむしろ優先することもあります)、境界病変などの手術は「手術枠を制限」しています。(癌の方の手術を優先して確保するため)
  そのため「癌よりも手術待ちの期間が長い」のが現状です。
 その点を了解した上で、受診を希望する場合には「秘書へ」から連絡してださい。
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。