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浸潤性乳癌ルミナールAのホルモン療法の薬の変更について

[管理番号:4073]
性別:女性
年齢:64,5歳
乳がんプラザのHPを拝読させて頂き、とても参考になり、
先生の懇切丁寧な回答にお医者さんとしての熱意が伝わってきます。
64.5才 女性 既往症 原因不明慢性蕁麻疹(約10年) 産後鬱
現在 脂肪肝 粗大の胆石指摘有 強迫性障害、
2015年1月 マンモトーム生検での病理検査結果
T4bN1MO Invasive carcinoma 浸潤性乳癌(粘液がんの成分も含む)
NG:1 ER:5+3=8  PgR:2+1=3
HER2 2+ FISH増幅なし Ki67:15%
大学病院で術前抗がん剤 乳房全摘、術後放射線といわれましたが、
医療は不確実、やってみないとわからない。
治療後の体で生活していくのは、ほからぬ私自身。
手術は、おこりうる可能性のある合
併症、後遺症が万が一自分におきてもよいという覚悟のもとに受けるものと思っています。
いろいろ調べた結果、健康寿命まで20、30年あるわけでもなく、
リンパ浮腫 後遺症等 心の問題、独居等で、要は、自分が何を大切にし、これから
どう生きたいのか、自分の気持ちに正直に生きるしかないと考え、
今ある生活の質を大切し、積極的な治療をしないことのリスクも覚悟の上で、
薬物専門医に診て頂き、内分泌療法をしています。
アリミデックス1mgを450錠服用したところです。
以下経過です。
201503(上旬) PETCT K大学病院
左D領域に31mm大の腫瘤を認め、高度のFDG集積を伴っており、原発巣と思われます。
皮膚に接し、皮膚肥厚も認め、浸潤が疑われます。
明らかな胸壁浸潤(―)
上記原発巣の内頭側にも小結節を認め、娘結節の可能性がありますが、
集積は弱く非特異的です。
左腋窩に2か所の集積亢進を認め、リンパ節への集積と思われます。
扁平で有意なサイズではありませんが、他のリンパ節と比べ集積が強く、
転移の可能性があります。
その他、明らかな遠隔転移を示唆するFDG異常集積は指摘できません。
201510(下旬) 造影剤CT N大学病院分院
他院CT(201503(上旬))と比較。
【胸部】
左乳房D領域に15mm大と皮膚と連続する15mm大の腫瘤性病変を認めます。
皮膚肥厚と皮膚のひきつれを伴っています。
前回と比較して縮小傾向です。
左腋窩リンパ節は顕在化していますが、前回と比較して縮小傾向です。
肺内に明らかな転移を疑うような新規病変はみられません。
胸水貯留なし。
【腹骨盤部】
明らかな肝転移は認めません。
胆嚢内に粗大な胆石と小さな胆石がみられます。
膵、脾、副腎、腎に明らかな転移はみられません。
胃小湾にもリンパ節顕在化あり。
腹水貯留なし。
201602(上旬) 単純CT N大学病院分院
前回(201510(下旬))と比較しました。
左乳腺D領域の皮膚浸潤を伴う腫瘤は、約16×16㎜→18×15㎜と著変ありません。
左腋窩リンパ節の顕在化は著変ありません。
肺野に転移はありません。
胸水はありません。
201603(上旬) エコー T大学病院
両側乳腺はややまだら状
①左D領域に22×16×13㎜の脂肪織とisoechoの形状不整なmass(+)
    →既知のCa.(nipple直下の細いductとつながってみえる)
②上記massのやや下方に皮内から連続して10×12×10mmのhypoechoic mass(+)
→①と②は連続するようにあり、全体で30×15㎜程にみえます
他、両側gland内に明らかなmass lesion(-)
腋窩リンパ節
左に6×7×5mmのhypoechoic mass(+) (LNs/o)
他に、両側に二層性で扁平状のもの
201610(下旬) 単純CT
前回(201602(上旬))と比較しました。
左乳腺D領域に皮膚浸潤を伴う腫瘤は、約16×15㎜であり、前回とほぼ同様です。
左腋窩リンパ節は最大短径14mmに腫大、前回より増大しています。
Q1 アリミデックスを服用時、絶対やるべき検査は何で、
どのくらいの頻度で、検査すればよいでしょうか?
Q2 原発巣が縮小傾向の横ばいでも、
左腋窩リンパ節が3月時点で、左に6×7×5mmのhypoechoic mass(+) (LNs/o)
10月に14mmとなったことで、
アリミデックスが効かくなくなった判断するものなのでしょうか?
お忙しいところ、誠にお手数ですが、お教え頂けたら幸いです。
どうぞ、よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
ご本人が自分なりに治療を選択して自己責任のもとすごされていることは解りました。
ただし、私は常識ある乳腺外科医として(このブログを読んでいる、他の方へのメッセージも含めて)コメントせずにはいられません。
①手術可能な状況で手術を選択しないことは、(今はいいかもしれないが)必ず後悔する日が来る
②手術は乳癌の治療(薬物療法や抗ガン剤、放射線など)の中で、「最も楽な治療」であう。
上記2点を指摘しないわけにはいきません。
これは、私が多くの患者さんを診てきて(中には手術拒否したり、民間療法に走ったりした人も少なからずいらっしゃいます)心底感じることです。
○もしも疑うのであれば、(私を含め)乳腺外科医で「家族が乳癌になった際に、手術以外の治療を勧める者など、絶対に居ない」事実がもの語っています。
「大学病院で術前抗がん剤 乳房全摘、術後放射線といわれました」
⇒全く賛成しません。
 そもそも「乳房全摘」するのに「術前抗がん剤」など「適応外」です。
 ルミナールAなのだから、「乳房全摘」⇒「ホルモン療法」であるべきです。
「Q1 アリミデックスを服用時、絶対やるべき検査は何で、どのくらいの頻度で、検査すればよいでしょうか?」
⇒超音波での腫瘍の増大チェックですが、手術すべきです(取り返しのつかなくなる前に)
「アリミデックスが効かくなくなった判断するものなのでしょうか?」
⇒いずれは効かなくなります。(時間の問題です)