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リュープリン注射について

[管理番号:1954]
性別:女性
年齢:40代
おはようございます。
リュープリン注射についてですが、リュープリン注射は、CMF療法と同等の抑制効果が得られたと、ありますが、それは、CMF療法に限って言える事なのでしょうか?
他のAC療法やTC療法などと、比較すると、どうなのでしょうか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「LH-RHagonistがCMFと同等」という臨床試験はZEBRA trialです。
但し、ここには注意すべき点があります。
比較される両群(LH-RHagonist投与群vsCMF群)共にタモキシフェンが併用されていない点です。
つまり本来(閉経前ホルモン感受性乳癌であれば)「化学療法を選択しても、LH-RHagonistを選択してもタモキシフェンを併用するべき」なのです。
○注意が必要なポイントとしては実臨床の場では「タモキシフェンは必須」だということです。
 「LH-RHagonist+タモキシフェン」vs「CMF+タモキシフェン」での比較ではないということです。
  この対決では「CMF+タモキシフェン」に軍配が挙がるかもしれません

回答

「他のAC療法やTC療法などと、比較すると、どうなのでしょうか?よろしくお願いします。」
⇒「ACやTCに劣る」と推測されます。
 直接比較の試験はありません。
 ただし、歴史的に「CMFはアンスラサイクリンレジメンに劣っている」ことが証明されたため、「標準療法から外れ」ました。
 
 その「アンスラサイクリンレジメンであるAC」に直接比較で勝ったレジメンが「TC」です。
 そこから解釈すると
 
 TC>AC>CMF=LH-RHagonist
となります。
 しかも(冒頭でコメントしたとおり)更に「タモキシフェンを追加」するとLH-RHagonistの分は少々悪そうです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

おはようございます。
術後の補助療法で、化学療法を勧められましたが、どうしても、したくない場合は、リュープリン注射+ノルバデックス服用と、言われました。
閉経前の40後半です。
リュープリン注射は、40才以下が推奨とのこと。
私の場合は、どのようにおもわれますか?
病理結果としては、中間リスクと、思います。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「化学療法を勧められましたが、どうしても、したくない場合は、リュープリン注射+ノルバデックス服用と、言われました。リュープリン注射は、40才以下が推奨とのこと」
⇒「化学療法を勧められる理由」として2パターン考えられます。
①「ルミナールAだが、リンパ節転移4個以上陽性」
②「ルミナールB]
 SOFT試験では「35歳未満」及び「化学療法を施行後、月経が再開した人」に(タモキシフェン単剤に対して)「LH-RHagonistの上乗せ」が有効であったことが解っています。
 その意味では、「厳密には質問者は適応外」と言えますが、
 「化学療法を施行後、月経が再開した人」を曲解すると「有る程度のリスクがあれば、LH-RHagonistで抑えた方がいい」という考え方もできます。
 ○その意味で「LH-RHagonistの併用」は間違いではないと思います。