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35-40歳のリュープリン上乗せ効果

[管理番号:3840]
性別:女性
年齢:35歳
初めまして、2016年7月(35歳8カ月)に乳がん告知を受け、
9月に右胸乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検を受けました。
10月に聞いた病理検査の結果は以下でした。
術前での針生検の結果→術後の病理結果で記載します。
・腫瘍径1.8センチ→2.4センチ
・グレード2→1
・ER+90%→+80%
・PR-→-
・HER2 1+→1+(陰性)
・Ki67 30%→20%
・粘液癌 純型
・リンパへの転移なし(0/1)
この結果を踏まえ、Ki67としては低い数字ではなかったけれど、リンパへの転移がなく、悪性度の低いと言われる粘液癌であること等踏まえ、
化学療法はなしで、放射線治療25回とホルモン治療を行うこととなりました。
現在35歳11カ月、未婚、出産経験はありません。
ここで質問です。
ホルモン療法について、ノルバデックス単独とするか、ノルバデックス+リュープリンとするかについて悩んでおります。
リュープリンの上乗せ効果ですが、こちらの以前のQAを拝見しますと、
SOFT試験の解釈は
①化学療法を行った後、生理が戻るようならLH-RHagonistを行い「卵巣機能を抑性」することで「上乗せ効果」がある。
②35歳以下の場合には(有る程度のリスクの方が対象ではありますが)「上乗せ効果」がある。
とのご回答を拝見しました。
今の私は35歳11カ月と微妙な境目の年齢ですが、癌細胞が出来てしまったのは30代前半かと思っていますが、上記のような病理結果(リスク)も踏まえると、私にはリュープリンの上乗せ効果があるのでしょうか?
そして先生は、リュープリンの投与を進めますでしょうか?
なお、現在未婚ですが、今後可能であれば出産もしたいと思っており、
ホルモン療法として5年間が標準かと思いますが、2年間などでいったん治療を中断することも視野に入れております。
そのような場合に、リュープリンを行うことで、治療中断ないし終了時点での卵巣への与える影響(例えばリュープリンすることで生理が戻らない、出産しにくくなる等の影響)というのはありますでしょうか?
以上、何卒どうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「この結果を踏まえ、Ki67としては低い数字ではなかったけれど」
⇒Ki67=20%は「十分低い=luminalA」となります。
「リンパへの転移がなく、悪性度の低いと言われる粘液癌であること等踏まえ、化学療法はなしで、放射線治療25回とホルモン治療を行うこととなりました。」
⇒こんな(余計な注釈を付けずとも…)誰がどう見ても「luminalA = ホルモン療法単独」となります。
「SOFT試験の解釈は①化学療法を行った後、生理が戻るようならLH-RHagonistを行い「卵巣機能を抑性」することで「上乗せ効果」がある。②35歳以下の場合には(有る程度のリスクの方が対象ではありますが)「上乗せ効果」がある。」
⇒SOFT試験の解釈はそれでいいですが…
 是非、「今週のコラム 24回目 自分自身をアップデートしなくてはなりません」をご参照ください。
 ここでは(年齢に関係なく)「ステージ1の明らかなlow risk以外は」LH-RHagonistすべきとなっています。
 ○その意味では質問者は…
  「SOFT試験の解釈では」(質問者は35歳だから)「適応あり」となります。
  しかし、一方で「ASCO 2016ガイドラインからは」(質問者は明らかな低リスクだから)「適応なし」となります。
  それでは、現場ではどうか??
  (私見とはなりますが) やはり35歳では「LH-RHagonistを推奨する方が多数派」ではないかと思います。
「上記のような病理結果(リスク)も踏まえると、私にはリュープリンの上乗せ効果があるのでしょうか?」
⇒これは「かなり微妙」です。
「そして先生は、リュープリンの投与を進めますでしょうか?」
⇒勧めます(上記理由にて)
「リュープリンを行うことで、治療中断ないし終了時点での卵巣への与える影響(例えばリュープリンすることで生理が戻らない、出産しにくくなる等の影響)というのはありますでしょうか?」
⇒LH-RHagonistによる閉経は(化学療法閉経とは異なり)「殆どが可逆性」と言われています。
 大丈夫だと思います。