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リュープリンの必要性について

[管理番号:2978]
性別:女性
年齢:42歳
三月に左胸温存手術をうけました。
結果はNG1 リンパ14個とって内2つ転移有り ルミナルAタイプ ステージⅡaと言われました。
現在は放射線治療をしながらタモキシフェンとリュープリンをしています。
そこでリュープリンへの質問ですが
私は42才でよく質問を見ていると
もっと若い方への適用は良いのかもしれませんが私みたいな年齢の方にはあまり意味がないと見かけます。
リュープリンの追加はどういう病理結果の方が当てはまるのでしょうか。
ステージによりリュープリン追加は決まるのですか?
私のような年齢でもリュープリンの追加には意味があるのでしょうか?
また先生は今後タモキシフェンとリュープリンどの位続けた方が良いと思いますか?ご意見お聞かせ下さい。
お忙しいとは思いますが宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
LH-RHagonistの適応について
一度、「今週のコラム 24回目 自分自身をアップデートしなくてはなりません
を見ていただくといいかもしれません(自分で読み返してみても、余談の記載の方がが多い様にも思えますが…)
 
「もっと若い方への適用は良いのかもしれませんが私みたいな年齢の方にはあまり意味がないと見かけます。」
⇒SOFT試験の結果が発表されて、暫くはそうでした。(QandAの回答にも多く登場します)
 ただ、ASCOガイドライン(2016)では「明確な規定はない」のですが…
 ①ステージ2,3で当然抗ガン剤が推奨される者
 ②ステージ1,2でもハイリスクとして「抗ガン剤の適応を考えてもいい」者
 この②が、今回の味噌です。
 質問者が②に当て嵌まるのか?
 「ハイリスクとは言えない」までも(リンパ節転移陽性として)「抗ガン剤の適応が考えてもいい」とは言えます。
 つまり、「ASCOガイドライン(2016)」で考えると、「質問者にLH-RHagonistの併用をすることは間違いではない」と思います。
 
「リュープリンの追加はどういう病理結果の方が当てはまるのでしょうか。」
「ステージによりリュープリン追加は決まるのですか?」
⇒ASCO(2016)では「明確な基準を避けている」ように私には思えます。
 ある程度「現場の裁量の余地」を残しているようです。
 つまり明確に「ステージ1の○○」などではなく、「化学療法を(ちらっとでも)考える状況であれば」LH-RHagonistの適応となるのです。
 
「私のような年齢でもリュープリンの追加には意味があるのでしょうか?」
⇒ASCO(2016)では「年齢に関しての制限をしていない」ことがポイントです。
 
「また先生は今後タモキシフェンとリュープリンどの位続けた方が良いと思いますか?」
⇒現在の考え方では
 「タモキシフェンは10年」「LH-RHagonistは5年」です。