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抗がん剤の中止について

[管理番号:711]
性別:女性
年齢:44歳
はじめまして、浸潤性乳管癌 3.6センチ、ER(>66%) PR(10-33%) HER2(-) Ki67:50%、グレード2~3で、CEFサイクル3回まで終了している者です。
腫瘍の大きさから、全摘かと思っていた所、主治医より「温存したいんだよね?」と言われ、絶対温存という強い意思もなく、温存できるのなら程度の気持ちで、術前化学療法を開始してしまいました。
注射が苦手で、3週間に1度の採血やCEF点滴も苦痛でしたが我慢してきました。
CEF2サイクル終了後に左腕に血管痛が出て、3サイクル目は左腕に血管が見つからず、右腕に点滴となりました。
血管痛で左腕は伸ばせず、仕事や家事でいつも痛みを感じ、すっかり落ち込んでしまいました。
今後は、CEF4サイクル目とパクリタキセル×12週が待っています。
毎週の点滴と、これにより右腕にも血管痛が出て、両腕が痛みで不 自由になったらと考えると不安でいっぱいですし、抗がん剤で体中が壊されているとも感じています。またパクリタキセルの副作用も厳しいようで、今から怖くて仕方がありません、精神的に耐えられるか心配です。
術前化学療法をCEF4サイクルで終了し、パクリタキセルをやらずに全摘手術という事は可能でしょうか?
パクリタキセルをやらなかった場合、どの様な悪影響が出るでしょうか?
どうか宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「腫瘍径36mm, luminal type」で化学療法中なのですね。
 リンパ節の記載が無いので、転移所見無し(cN0)でしょうか?

回答

『主治医より「温存したいんだよね?」』
⇒もともと「luminal type」は「抗がん剤の効果が悪い可能性」があります。
 「温存したい」との強い意志無しに「術前化学療法」はすべきではありません。
 
「CEF2サイクル終了後に左腕に血管痛が出て、3サイクル目は左腕に血管が見つからず、右腕に点滴となりました」
⇒こういう状況であれば、「CVポート」も検討するべきです。
 担当医と相談してみてください。
 
「術前化学療法をCEF4サイクルで終了し、パクリタキセルをやらずに全摘手術という事は可能でしょうか?」
⇒もちろん可能です。
 何ら問題はありません。
 
○手術をして病理結果を確認の上、「術後にパクリタキセルを行うことによる上乗せ効果が必要か?」担当医と相談すればいいのです。
 基本的には、「内分泌療法感受性陽性」なのだから、術後は「内分泌療法」単独でも構わないと思います。
 
「パクリタキセルをやらなかった場合、どの様な悪影響が出るでしょうか?」
⇒悪影響はありません。
 再発予防効果としての「上乗せ効果」は数パーセント程度だと思います。
 それを『副作用と天秤にかける』ことになるのです。