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抗がん剤治療は行うべきでしょうか?

[管理番号:2552]
性別:女性
年齢:43歳
昨年12月に左胸の温存手術を行いました。
ステージ1の遠隔転移なしで、腋窩部郭清は行っておりません。
術後の病理の結果ですが
・組織学的浸潤:10mm
・波及度:脂肪組織まで
・核グレード:3
・リンパ管侵襲:陰性(とりきれている)
・リンパ節転移(転移個数/摘出個数):0/1
・エストロゲン:強陽性(95%)
・プロゲストロン:強陽性(70%)
・Ki-67:20%(術前針生検時は30%)
・HER2:陰性
という結果でした。
ホルモン受容体が強陽性であるので、ホルモン療法に期待できるとの説明を受け、
放射線も局所再発予防のため勧められております。
主治医によりますと、Ki-67が術前より減ったものの20%の境界値、核グレードも3と高いため、
抗がん剤治療も勧められており、抗がん剤投与は、3ヶ月に4回、3週間に1回ずつということで、タキサン系のTC療法が候補だそうです。
私的には、抗がん剤は出来るなら受けたくない思いがあります。
ホルモン療法と放射線治療だけでは、やはり駄目でしょうか?
抗がん剤治療も必須でしょうか?
田澤先生でしたら、どのようになさるか教えていただきたいです。
HER2の結果が出るまで術後1ヶ月半程かかり、抗がん剤を受ける受けないは本人の意志ということで、じっくり考えて下さいと主治医から言っていただき、2月いっぱい考えさせていただきました。
でも、まだはっきりと決断が出来ないこともあり、田澤先生のご意見をお聞きしたいです。
そして、抗がん剤治療を受けるとなれば、虫歯の治療も済ませるよう言われ、今月半ばで終わる予定です。
手術してから2ヶ月半空いてからの抗がん剤治療でも間に合いますでしょうか?遅すぎますか?
長文となり申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(10mm), pN0, luminal A, NG3
十分な早期癌、低リスクです。
「私的には、抗がん剤は出来るなら受けたくない思い」「ホルモン療法と放射線治療だけでは、やはり駄目でしょうか?」「抗がん剤治療も必須でしょうか?」
⇒pT1b, luminalA なのに、私が「抗がん剤を勧める」事は全くありません。(「抗がん剤に対して積極的かつ、1%でも」という方ならば別ですが…)
 「化学療法による上乗せは僅か4%」となります。
 とても「できれば抗がん剤は受けたくない」と言う方に(敢えて)勧める数字ではありません。
 
「田澤先生でしたら、どのようになさるか教えていただきたいです。」
⇒タモキシフェン単剤です。
 
「手術してから2ヶ月半空いてからの抗がん剤治療でも間に合いますでしょうか?
遅すぎますか?」
⇒術後治療に「遅すぎる」などというものはありません。
 ただし、抗がん剤は不要でしょう。