Site Overlay

術後の抗がん剤治療について

[管理番号:3624]
性別:女性
年齢:36歳
温存手術が8/(上旬)に終了し、断片陽性のため追加手術、結果取り残しなしでした。
その後の抗がん剤の治療を行うかどうかで悩んでいます。
病理の結果、
ステージ2a 4.3cm リンパ転移なし グレード3 kiー67 39%
ER陽性 PgR陽性 HER2陰性
ルミナールBとのことで、主治医からは抗がん剤を進めますとのことでした。
核グレード3、年齢などが要因のようです。
また、オンコタイプの検査を行いスコアは20。
低リスクに近い中間リスクで、抗がん剤の上乗せ効果が疑問です。
出来れば抗がん剤はしたくないです。
総合的な判断をすると、やはり抗がん剤はすべきでしょうか。
また、仮に抗がん剤をしなくても良いタイプだったのに抗がん剤をした場合、再発率を上げるようなことはないのでしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
OncotypeDXが20なのに、何故担当医は「抗ガン剤を勧めている」のですか??
それでは「せっかく40万円以上も出して、OncotypeDXをしたことの意味がない」こと
になります。
質問者の手元にある「OncotypeDXのレポート」をよく読んでください。
化学療法の上乗せ(グラフの「Tam+chemo」-「Tam alone」が上乗せの数字です)は殆どありませんよね?
「ルミナールBとのことで、主治医からは抗がん剤を進めますとのことでした。核グレード3、年齢などが要因のようです。」
⇒Ki67=39%を見るとluminalBとなり抗ガン剤が必須とはなります(年齢も核グレードも無関係に)
 ただし、それはルミナールAとBを分ける手段として「ER, PgR, HER2, Ki67」だけを用いた場合です。
 ここでOncotypeDXをしたのであれば、当然そちらを優先すべきとなります。
 (参考に)
そもそも本来の「intrinsic subtype」とは「496個もの遺伝子の発現パターンによる分類」なのです。
 それを「ER, PgR, HER2, Ki67(の免疫染色)」で「代用」したものが実際の臨床現場で使用されています。
  つまり「ER, PgR, HER2, Ki67(の免疫染色)」によって「luminalB」と診断しているのは(実際は)「間違い」であり、それで時々「luminalB(like)」という表現を用いるのです(つまり○○様ですね)
 そこに(ER, PgR, HER2, Ki67を含む21遺伝子の)遺伝子検査により(「ER, PgR, HER2, Ki67(の免疫染色)」よりは)より本来の「intrinsic subtypeに近付けた」
検査として位置するのが「OncotypeDX」なのです。
 ○つまり「ER, PgR, HER2, Ki67(の免疫染色)」だけしか行っていなければ(これが通常の状態です)それで解る範囲で判断すべき⇒Ki67により「luminalA とBを分ける」
  しかし、ここでOncotypeDXを行ったのであれば、その結果の方を優先すべき⇒
『「ER, PgR, HER2, Ki67(の僅か4つの免疫染色)」ではluminalBと判断されても、(それら4つに加え)「全部で21遺伝子の発現レベルでの判断であるncotypeDX」
で低リスクもしくは中間リスクとなれば,当然(OncotypeDXの結果を優先し)
luminalA(化学療法による上乗せ効果がない)と判断すべき』なのです。
「低リスクに近い中間リスクで、抗がん剤の上乗せ効果が疑問です。」
⇒レポート用紙に有る通りです。 上乗せは殆どありません。
「出来れば抗がん剤はしたくないです。総合的な判断をすると、やはり抗がん剤はすべきでしょうか。」
⇒抗ガン剤は不要です。(この結果でも抗ガン剤をするとしたら、何のためのOncotypeDXだったのか?となります)
「また、仮に抗がん剤をしなくても良いタイプだったのに抗がん剤をした場合、再発率を上げるようなことはないのでしょうか。」
⇒無意味と言う事です。(再発率を上げるというのは考え過ぎです)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

お忙しい中、早急なご回答ありがとうございました!
オンコタイプの結果では、抗がん剤必要なさそうなのは理解できました。
しかしまだ迷いが生じてます。
というのも、私の場合、核グレード3で再発率が高くなっており、しこりも43mmと大きく、年齢もしこり発見時は35歳ということで、
これを考慮してでも本当に抗がん剤が必要ないのでしょうか。
オンコタイプをした場合、核グレード3も考慮された上での結果で間違いないでしょうか。
病理結果だと、抗がん剤をやる条件が揃っているので、やらない条件を探してしまいます。
再発率については、オンコタイプでは、グラフをみると下記でした。
Tam+chemo9%位-Tam alone12% 3%の上乗せ効果位。
ほとんどないですが、ゼロではないのですし、ここも気になるところです。
下げれるならやはり少しでも再発率を下げといたほうがいいという意見もあります。
(1%でも再発の重みは相当なものだと思いまして…)
病理結果だと、抗がん剤をやる条件が揃っているので、やらない条件を探してしまいます。
治療方針を決めなければならない期間が迫っており、大変恐縮ですが、再度質問させていただきました。
どうぞよろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
私には質問者の迷いが全く理解できません。
もしも「グレード3とか43mmとか」に強い拘りを持っているのであれば「そもそもOncotypeDXしても全く無意味」です。
「Tam+chemo9%位-Tam alone12% 3%の上乗せ効果位。ほとんどないですが、ゼロではないのですし、ここも気になるところです。」
⇒私は3%で抗ガン剤を勧める必要を全く感じません。