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抗がん剤

[管理番号:2795]
性別:女性
年齢:44歳
3月下旬に右乳房部分切術をし、先日病理結果がわかり、抗がん剤を受けるか迷って
います。
浸潤性乳管癌、腫瘍の大きさ 1.5センチ
リンパ管侵襲 なし、 血管侵襲 なし
リンパ節転移 なし、
ER 陽性、 PgR 陽性、 HER2 陰性
ルミナール A、 核グレード 1、 Ki67 30%
主治医は放射線、ホルモン療法でと言っていますが、家族はki67が高いから抗がん剤
をやった方がと、言っております。
抗がん剤の上乗せ効果、5年後の再発率、10年後の生存率はどのくらいでしょうか?
抗がん剤をやった方が良いでしょうか?先生のご意見をお聞かせください。
来週月曜日に、外来にて返事をしなくてはなりません。
お忙しいところ申し訳ありません
が、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

今日は。田澤です。
pT1c(15mm), pN0, pStage1, luminal, NG1
低リスクです。
「抗がん剤の上乗せ効果、5年後の再発率、10年後の生存率はどのくらいでしょうか?」
⇒抗ガン剤の上乗せ効果は
  再発率に対しては「4%」
  生存率に対しては「1%」
 5年後の値は解りませんが…
 10年での再発率は
  無治療 17%
  ホルモン療法単独 11%
  ホルモン療法+抗ガン剤 7%
 10年生存率は
  無治療 95%
  ホルモン療法単独 96%
  ホルモン療法+抗ガン剤 97%
 
「抗がん剤をやった方が良いでしょうか?先生のご意見をお聞かせください。」
⇒勧めません。
 Ki67=30%はグレーゾーンではありますが(その意味では抗ガン剤の適応が
無いわけではありません)
 ただ、核グレード1であり早期でもあるので「上乗せ効果が低くなる」のです。