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骨転移について

[管理番号:2579]
性別:女性
年齢:53歳
田澤先生、はじめまして。
母の乳癌のことで質問があります。
母は乳癌局部摘出の手術をし、結果は浸潤2.4センチ、脈管侵襲なしでステージ2A、ホルモン陰性、HER2陽性、悪性度3の乳癌と診断されました。
手術後はまず放射線治療を行い、現在抗がん剤治療の段階ですが、母が、乳癌手術前後(2.5ヶ月ほど前)くらいから、腰が痛い脚が痛い、と頻繁に言うようになりました。
母が言うには昔から脚は弱く、歳だから仕方がないということでしたが、手術後は湿布を買ってきたりと以前よりも痛みが増し、また以前はあまりなかった腰痛も出てきているようでした。
具体的には立ち上がる時など力をかけた際に痛むそうです。
しかし、先日から抗がん剤治療を始め(FEC75)、1回目を終えた後から、腰の痛みも脚の痛みもなくなったと言うのです。
これは抗がん剤が効いたということ、つまり腰の痛みや脚の痛みは骨転移だったということでしょうか。
そもそも、抗がん剤の成果はこのような形で1回目の後すぐ現れるのでしょうか。
また、逆に抗がん剤の副作用(痛みの神経が鈍っている等)ということも考えられるのでしょうか。
なお、母の記憶では手術前に骨の検査はしていないそうです。
骨転移、そもそも最初からステージ4だったのではと不安になっています。
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答お願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT2(24mm), pN0, pStage2A
十分な早期乳癌です。
○骨転移など(術前も術後も)不要です。
 
「昔から脚は弱く、歳だから仕方がないということでしたが、手術後は湿布を買ってきたりと以前よりも痛みが増し、また以前はあまりなかった腰痛も出てきている」
⇒手術による影響でしょう。
 左右のバランスを含めた影響と思います。
「しかし、先日から抗がん剤治療を始め(FEC75)、1回目を終えた後から、腰の痛みも脚の痛みもなくなった」
⇒術後の時間経過及び(抗がん剤投与時の)「前投薬として投与されたはずのステロイド」による効果だと思います。
 
「これは抗がん剤が 効いたということ、つまり腰の痛みや脚の痛みは骨転移だったということでしょうか。」
⇒違うと思います。
 
「そもそも、抗がん剤の成果はこのような形で1回目の後すぐ現れるのでしょうか。」
⇒転移の症状では無いと思います。
 
「また、逆に抗がん剤の副作用(痛みの神経が鈍っている等)ということも考えられるのでしょうか。」
⇒これも違います。
 
「なお、母の記憶では手術前に骨の検査はしていないそうです。」
⇒不要です。
 無用な医療被曝です。
 
「骨転移、そもそも最初からステージ4だったのではと不安」
⇒心配しすぎです。
 様子を見ましょう。