Site Overlay

骨転移について

[管理番号:1388]
性別:女性
年齢:67歳
質問者様の別の質問
管理番号:2399「再発について
 
初めて質問させて頂きます。母が9年前に乳がん、リンパ節転移あり。
HER2陰性、ホルモン受容体プラスで、右乳房全摘後、抗がん剤、放射線治療を行いました。
画像上、がん細胞は消え、その後5年間ホルモン剤を服用していました。
 
5年経過したので、違うホルモン剤に変えます。との事で、違うホルモン剤になったのですが、副作
用が激しく、主治医に相談したところ、他に変更する事が出来ないので、どうしても
副作用が激しいなら、止めてもいいよ。との事で止める選択をしました。
その後、何もなかったのですが、9年目の今年の8月、腰に激しい痛みが出て、調べたところ、
骨転移が発覚しました。
 

今のところ骨以外には転移は認めないのですが、骨には腰、頭蓋骨など、多数転移していました。
今、4週間に一度骨を強くする注射とホルモン剤(エキセメスパン)と痛み止を服用しています。
腰にもずっと鈍痛のような痛みとやはり副作用が激しいらしいのですが、この痛みは改善される事はないのでしょうか?
 
あと、これに代わるホルモン剤などもないのでしょうか?
抗がん剤という選択肢は今は考えない。という事なんですか?
 
お忙しいところ申し訳ございません。よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。
 
術後9年での「骨転移」との事。
お気持ちお察しします。
 
まず指摘したい点は
①(9年前は58歳ですから)術後ホルモン療法は最初から「アロマターゼインヒビ
ター」であった筈です。
 
②現在エキセメスタン(アロマシン)を内服している訳ですから、おそらく初回は
「アナストロゾール(アリミデックス)もしくはレトロゾール(フェマーラ)」だっ
た筈です。
 
③術後補助療法として用いることができるアロマターゼインヒビターは、この3種類
(エキセメスタン、アナストロゾール、レトロゾール)ですが、「再発後のホルモン
療法としては」フルベストラント(フェソロデックス)の適応があります。

回答

「この痛みは改善される事はないのでしょうか?」
⇒あります。「ホルモン療法と骨吸収抑制剤(ゾレドロン酸もしくはデノスマブ…4
週間に1回の注射のことです)」の効果がでてきたら改善します。
 但し、「腰痛がある」のであれば是非「放射線照射」をするべきです。
 放射線照射は「転移部位に一致した疼痛」もしくは「骨折のリスクがある」場合に
適応となります。
 
 ○メール内容からすれば「腰椎転移があり、その部位に一致した骨転移がある」訳
ですから、当然「放射線照射」を選択するべきです。
 
「これに代わるホルモン剤などもないのでしょうか?」
⇒フルベストラント(フェソロデックス)です。
 エキセメスタンで副作用があるようなら、「当然、検討されるべき」です。
 担当医からお話があった筈ですが…
 
「抗がん剤という選択肢は今は考えない。という事なんですか?」
⇒再発治療の考え方としては(リンパ節再発や骨転移などの)「命に危険のない転
移」であれば、「できるだけホルモン療法で、生活の質を重視する」というものです。
 
 但し、「ホルモン療法が無効」で(多発肺転移や肝転移などの)「命に危険のある
転移」が出現することがないように「注意を怠らない」ことが必要です。
 その場合には「速やかに抗がん剤を導入」しないと、大変な事になるからです。
「腰痛に対する放射線照射」と「エキセメスタンによる副作用に対してフルベストラ
ントへの変更」を早急に「担当医に相談」すべきです。