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乳がんの可能性(マンモ→石灰化、エコー→6~7mmいびつな形、血流あり)

[管理番号:691]
性別:女性
年齢:44歳
先生。精密機械によって結果が違うのでしょうか?心配でたまりません。
2012年3月に総合病院にて健康診断 
→ 結果 マンモで石灰化ありとの診断。
心配な為、乳腺外科専門病院へ来院しエコーを見て頂いたら、触診問題なし、嚢胞があるだけだから大丈夫。またマンモで引っかかったらきてくださいとの事で安心してしまいました。
2012年10月に海外へ転勤。
2015年4月に本帰国し市の検診(触診、マンモのみ)
→ 結果項目は①異常ありませんでした。②左右に明らかな良性石灰化がありますがご心配ありません。③マンモグラフィーでは、病変検出率が低くなることがありますので超音波検査をお勧めします。と上記3点にチェックがあった為に再来院しエコーで再検査して頂きました。
→ 右外側の際、何度も測りとても時間がかかっていて不安になった私はエコーを見ていました。カラーで赤や青・・・今までカラーなど拝見したことがなく、まずいな!・・・と心臓が
ドキドキし始めました。超音波を撮ってくださった方ではなく、医院長より検査結果を伺った所、6~7mmくらいのいびつな形がありがんの可能性があります。周りに?血流?もあるので。次回乳腺外来の先生がくる8月か9月に見せてほしい。との事でしたので8月に予約を入れました。
動揺して何も聞けずに帰路に向かってしまった事に後悔し、次の日に再度詳しく伺いたいと電話しましたが、8月まで心配であればデーターも渡すし紹介状も出します。他の病院へ行っていただいても良いと受付の方に言われました。
特に紹介状も申し出ず、海外転勤する前に来院した乳腺外科専門の病院へいきました。
→ その際、マンモで石灰化が見つかったのでエコーでみてほしいと伝えました。
(6~7mmの事は伝えませんでした)
触診異常なし。そして、さら~っとエコー(白黒)で見て嚢胞があるけど生理周期で大きさも変わるし大丈夫だから心配しないで。また1年後にエコーを勧めます。との事でした。
がんの可能性があると言われた事をお伝えしなかった私も悪いのですが、どちらを信じたらいいのかわからなくなってしまいました。色々検索すると不安にもなってきていますしまた他の病院を探すのか(横浜から江戸川病院は通いいでしょうか・・)8月の予約を待った方がいいのかわからなくなってきています。
婦人科→いびつな形=がんの可能性大。血流が見られる=がんの可能性と判断した方がいいのでしょうか。嚢胞の一言はでてきませんでした。
乳腺外来→嚢胞あり
お忙しい中大変申し訳ありませんが、ご回答いただけますとありがたいです。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 内容は完全に理解しました。
 根底にあるのは「超音波検査の精度のバラつき」です。
 最初の病院の(おそらく)検査技師のエコー(丁寧にカラードップラーもしてますね)とあとで診た「乳腺外科医のエコー」(医師自らのエコーですよね?)のどちらを信用するか?となります。

回答

「6~7mmくらいのいびつな形がありがんの可能性があります。周りに?血流?もある」
⇒これは癌の疑いがあります。
 エコー所見としては「カテゴリー4」となります。
 ちなみにカテゴリー4は一般的に『4割~6割で癌の確率』と考えてください。
○私は、「2件目の病院の医師の見逃し」だと想像します。
 
「婦人科→いびつな形=がんの可能性大。血流が見られる=がんの可能性と判断した方がいいのでしょうか。」
⇒一般的に、技師さんは過大評価(腫瘍でないものを腫瘍と判定)する事が多い事実を差し引いても「歪な形」である以上は「がんの可能性はある」と思います。
 
 
○横浜にお住まいなのですね。
 もしも『6~7mmのしこり』で十分な精度を持った確定診断を希望するのであれば、是非江戸川病院を受診してください。その日の内にマンモトーム生検します。
 
 実際のところ、この程度の大きさだと「精度のある針生検」が誰にでもできる訳ではありません。(そもそも、小さいという理由で経過観察とする医師も少なからず居るのです)
 
 

 

質問者様から 【質問2 症状と病院選び】

お忙しい中、ご回答ありがとうございました。
やはり「ガンの可能性あり」なのですね。体中が熱くなりました。
色々症状なども検索していくと不安と悲しみ、そして,自分の身体から叫び!があったにもかかわらず
年齢のせい・・・海外生活で不安定なんだ・・・と過ごしてしまっておりました。
乳がんの症状としては、エコーで7㎜ですが、もしかしたら他の臓器?リンパ?に転移している症状もあります。
その逆で、他のガンで乳がんへと転移しているとも考えられるのでしょうか・・・?
江戸川病院で予約できた場合、マンモトーム生検をしていただけるとの事ですが
結果乳がんで、転移もしていた場合も治療をしていただけるのでしょうか?
思い起こせば、2012年に海外へ転勤して慣れた半年後から身体の調子が悪くなったように思います。
常に身体がだるく眠い。頭も重く横になり寝てしまう生活。時々心臓もドキドキ早くなったり、物を落とすようになったり
言語障害かな?と思うくらい言葉も上手くでてこず。生理も3ケ月間こなく婦人科にかかったり(子宮頸がんは異常なし)
6キロ体重増加で肝臓肝。高速道路を運転中に眠くなり、もう少しで事故に。
2015年3月に本帰国になり、婦人科→内膜が14㎜と厚く、卵巣も腫れてるので
頸癌、体癌検査をしてもらいました(異常なし)・眼科→右目に一つ黒点あり(飛蚊症、軽い緑内障と診断)
・脳神経外科→MRI(異常なし)、乳がん検診で異常が見つかり、やっと自分の身体からの訴えがわかりました。
息子2人がおりますが、本当に愛おしくガンに負けたくない気持ちでいっぱいですが
正直、どこの病院へ頼ったらいいのか分からない状況です。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 エコーでたまたま見つかった「7mmのしこり」
もしも、それが「癌」だったとしても、「遠隔転移は勿論のこと、リンパ節転移などの可能性は全くありません」

回答

「エコーで7㎜ですが、もしかしたら他の臓器?リンパ?に転移している症状もあります」
⇒転移している可能性はありません。
 何か「関連付けている症状があるとしたら」それは「転移の症状」ではありません。
 
「他のガンで乳がんへと転移しているとも考えられるのでしょうか」
⇒これも可能性は0%と言い切れます。
 乳腺に転移する癌は無いのです。
 強いて言えば「悪性リンパ腫が乳腺内にできる事が非常に稀」にありますが、「悪性リンパ腫は癌では無い」し、これは「転移とも違い」ます。
 癌が乳腺に転移する事は一切考える必要は無いのです。
 
「結果乳がんで、転移もしていた場合も治療をしていただけるのでしょうか?」
⇒転移している可能性はありませんが…
 勿論全ての治療を行います。
 
「正直、どこの病院へ頼ったらいいのか分からない状況です。」
⇒江戸川病院であれば、確実に診断ができます。
 「確実な診断を求める」のであれば、是非、当院を受診してください。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生。
先生の回答やアドバイスで、私も含め皆さんの心配事、迷いが軽くなっていること、本当に感謝申し上げます。
今、とても迷っている事があります。
ネットで調べてもあまり経験談がなく自分の中で答えが出せず
先生だったら・・・と投稿させていただきました。
数か月前に乳がんの可能性あり~と投稿させていただきましたが
針生検の結果・・・浸潤がん(詳しく何ガンなのか教えてくれず)でした。
術前現時点では・・・右乳房9×6×5㎜。
T1,N0,M0。リンパ転移なしだろう。
ステージⅠ期。ER+(ER99%、PgR90%)HER2.2+(FISH
検査結果)陰性、Ki-67,1~9%。
乳房部分切除術(センチネルリンパ節生検含む)
術後、放射線治療5~6週間
上記まで理解しているつもりです。
以下?答えがだせません。
①ルミナルA?(いつから服用?など言われていない)
②閉経はしていません。
術前にタモキシフェンを14日~28日間服用する研究へのご協力をお願いされました。
術前にホルモン治療をしている方の経験談もありませんし、私は子宮内膜症もちで
服用したことで子宮内膜症が悪化、子宮体癌になるのではないか・・など不安でたまりません。
でも、手術まで1ケ月半近くあるので、血液やリンパ節へ転移していないか心配で心配でたまりません。
タモキシフェンを服用すれば、広がらなかったのに・・
と後悔するのも嫌で、答えがでません。
お忙しい中申し訳ありませんが、先生だったらタモキシフェンをすすめますでしょうか?
御回答いただけると大変ありがたいです。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
随分時間が経ちましたが、治療はこれからなのですね。
幸い早期だから頑張ってください。

回答

「①ルミナルA?(いつから服用?など言われていない)」
⇒その通りです。
 「ER+(ER99%、PgR90%)HER2.2+(FISH検査結果)陰性、Ki-67,1~9%」は、完全なルミナールAです。
 
「先生だったらタモキシフェンをすすめますでしょうか?御回答いただけると大変ありがたいです」
⇒勧めません。
 術前ホルモン療法は行っていません。
 ただ、「子宮体癌のリスク」は「術後にタモキシフェンを行う」ことを考えれば
「術前から始めること自体」は「リスク上昇には全く無関係」です。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

数回にわたって田澤先生に頼らせていただいております。
私にとって先生の御回答がとても心に響き主治医とも冷静に話し合えておりますこと、感謝申し上げます。
やっとやっと乳房温存術が終わり、術後の病理診断報告も受け今月末から放射線治療に入ります。
また先生に頼ってばかりで申し訳ありませんが、
治療に入る前に1点不安な事と、もう1点、疑問があり
御回答頂けましたら大変ありがたいです。
◎術後の病理結果
右乳房下外側部 浸潤乳がん
腫瘍径0.7×0.5×0.6・・・j腫瘍の広がり1.1×0.7×0.6
切除断端マイナス・・・異型度グレード1
リンパ節転移0/3・・・ホルモン受容体ER80%・・・
PgR60%
Ki10%・・・・HER2(2+)
T1、N0、M0
①不安な事は、術前もHER2は2+でFISH後マイナスとなりました。
術後もHER2はやはり2+でした。
再度FISH検査してくれるのかと思いましたが、術前がマイナスだから大丈夫と・・・・。
主治医を信じつつも、それで、本当に大丈夫なのか不安になりました。
3+よりでしたら、大きく治療方法が違いますので。
②放射線治療の回数の件で病院側から自分が思っていた回数と違いがあり、考えさせてくださいと申し出帰宅しました。
ネットでも検索したのですが、放射線単位が病院側から伝えられた数字はありませんでした。
私は1回2Gy…週5回….50Gy/25回照射と思っておりました。
でも、病院側は1回2.66Gy…..週5回…..42.56Gr/16回と言ってきました。
放射線が混んでいるからでしょうか。
(12月初めに手術しましたが放射線は混んでいて1月末から開始です。
44歳の年齢で16回というデーターはあまりないですが、25回と効果も副作用もそんなに変わらないですよ!と伝えられました)
大丈夫なのでしょうか?
先生の考えを伺わせていただけますと助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
pT1b(7mm), pN0, luminal A, NG1
完璧な早期乳癌です。
「①不安な事は、術前もHER2は2+でFISH後マイナスとなりました。術後もHER2はやはり2+でした。再度FISH検査してくれるのかと思いましたが、術前がマイナスだから大丈夫と・・・・。」
⇒FISHは不要です。
 そもそも「術後にER, PgR, HER2を再検査」する意味もありません。
 何故なら、「これらは、術前針生検と変化する筈がない」ことと、(万が一、変化した場合には)むしろ「手術標本での(ホルマリン)固定不良」を考えるべきなのです(つまり、これらについては、術前針生検の方が信頼できるのです)
 ♯Ki67に関しては「病変全体での評価が重要」なので「手術標本が望ましい」と思いますが、「ER, PgR, HER2は病変全体で見る必要はない」のです。
 
「②放射線治療の回数の件で病院側から自分が思っていた回数と違い」「病院側は1回2.66Gy…..週5回…..42.56Gr/16回」
⇒寡分割照射です。
 これは、欧米では「通常照射に遜色無」という結果が出ています。
 ただし、「エビデンスが豊富でない」ことがあり、また臨床試験の条件などから
ASTRO(American Society for Radiation Oncology)では
a)50歳以上
b)pT1-2, pN0
c)全身化学療法を行っていない
d)線量均一性を保てる(放射線科での治療計画の際のシュミレーションによる)
 を条件に挙げています。
 これを受けて乳癌診療ガイドラインでは上記条件を満たす場合のみ 推奨度Bとしていますが、(その条件を満たさない場合には)推奨度C1となっています
○質問者は(dはともかくとして)年齢が条件に反します。
 その意味では「積極的には」寡分割照射は推奨されません。
 
「放射線が混んでいるからでしょうか。」
⇒そういう事情よりも
 ・患者さんの利便性を考えて
 ・施設として数字を出したい
 などがありそうです。
 
「25回と効果も副作用もそんなに変わらないですよ!と伝えられました 大丈夫なのでしょうか?」
⇒有害事象は変わらないでしょう。
 ただし、「敢えて、推奨度C1なのに」寡分割照射を選択する必然性がありません。
 
「先生の考えを伺わせていただけますと助かります。」
⇒通常照射です。
 特に「(仕事の都合その他の事情により)なるべく少ない回数の通院にしたい」という患者さん側からの希望が無い限り、こちらから「寡分割照射を勧める」理由がありません。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

いつも拝見させていただいております。
お忙しい中、申し訳ありませんが、今回も田澤先生のご意見を伺いたく質問させていただきました。
3月初めに放射線治療25回目照射が終了しました。
3月(上旬)日~タモキシフェンのみを服用中です。
生理は3月にありました。
・術前後に担当医とお話した時には、放射線治療後は、タモキシフェンのみを5年以上服用との事でした。
が・・・放射線治療終了後の診察では、タモキシフェン+4月初めからゾラデックス を打ちましょうと言われました。
正直、注射の治療があると思っていなかったのですが、その時には質問できませんでした。
①なぜ、注射も必要なのでしょうか?
(再発リスクが高い、年齢が若いから?)
ゾラデックスは3ケ月持続効果がありますが、副作用が強そうなので、最初はリュープリンの方がいいのだろうか?と迷っております。
先生でしたら、進められますでしょうか?
またゾラデックスかリュープリンのどちらを進められますでしょうか?
・タモキシフェン単独治療の方でE2を測定したところ増えてしまい、乳がんの治療には逆効果だったと伺いました。
タモが卵巣を刺激すぎてエストロゲンが通常より増加してしまったようです。
上記が心配だった為、担当医にタモ服用前と服用中時に、
血液検査をしてほしいと申し出たのですが必要ない!ときっぱり言われてしまいました。
②必要ない検査でしょうか?
・私は子宮内膜症もちの為、タモキシフェンを服用するにあたり副作用として悪化が心配です。
③婦人科で定期健診をするしかないでしょうか?
・今後のスケジュールを質問した所、1年に1回マンモ・エコーをすればいいと言われました。
④私は3ケ月後か半年くらいの間隔と思っていたのでとても心配です。
・術後の病理結果
右乳房下外側部浸潤乳がん(乳管がん)
腫瘍径0.7×0.5×0.6・・・j腫瘍の広がり1.1×0.7×0.6
切除断端マイナス・・・異型度グレード1
リンパ節転移0/3・・・ホルモン受容体ER80%・・・
PgR60%
Ki10%・・・・HER2(2+)
T1N0M0
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
pT1b(7mm)l, pN0, luminalA
超低リスクです。
心配ありません。
「①なぜ、注射も必要なのでしょうか?(再発リスクが高い、年齢が若いから?)」
⇒LH-RHagonistは不要です。
 「再発リスク」これ以上低いことが、なかなか望めないような「超低リスク」ですし、年齢も「30歳代」ではないので「全く該当しません」
 SOFT試験での結果(35歳未満や化学療法閉経後)やASCOの新しいガイドライン(2016)でも全く該当しません。
 ASCO(2016)ではハイリスクでは「併用すべき」となっています。
 
「ゾラデックスは3ケ月持続効果がありますが、副作用が強そうなので、最初はリュープリンの方がいいのだろうか?と迷っております。」
⇒これは勘違いです。
 ゾラデックスもリュープリンのどちらにも、「1カ月製剤と3カ月製剤の両方」があります。(そのような使い分けではありません)
 
「先生でしたら、進められますでしょうか?」
⇒勧めません(上記コメント通り)
 
「②必要ない検査でしょうか?」
⇒不要です。
 
「・私は子宮内膜症もちの為、タモキシフェンを服用するにあたり副作用として悪化が心配です。③婦人科で定期健診をするしかないでしょうか?」
⇒その通りです。
 それで「もしも子宮内膜症が悪化」する場合には「LH-RHagonistの併用」も考慮していいかもしれません。
 
「・今後のスケジュールを質問した所、1年に1回マンモ・エコーをすればいいと言われました。④私は3ケ月後か半年くらいの間隔と思っていたのでとても心配です。」
⇒エコーは3カ月もしくは半年、マンモは1年に1回がいいと思います。