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家内が乳がんになりました

[管理番号:4025]
性別:女性
年齢:58歳
田澤先生
家内が乳がんになりました。
9月の検診で引っかかっていたのですが、結局11月頭で再検査。
9月の段階でエコーで検出された1cmほどの腫瘤が11月の初めで2倍近くになっていました。
また周りにほぼ同じ大きさ程度に不鮮明な、広がりをエコーで検出。
即日、バイオプシー(乳腺2およびリンパ節1)。
11月(下旬)日、乳がん告知
病理診断:Invasive ductal carcinoma, right breast
臨床ステージ:II T2, N1もしくは2かも, T2N0の場合、2a, T2N1の場合は2,
浸潤最大幅5cm
組織型:invasive
組織グレード:3
ER: 30%, 3a
PR: 陰性
HER2 FISH: 来週判明
MIB: 70%
mitotic count 3
Nuclear arytical, 3
Tuble and Grand formation: 3
Nuclear pleomorphism 3
全ての生検で、類似した腫瘍像。
異形の目立つ腫瘍細胞が、泡巣状になって浸
潤、増殖しています。
腫瘤の乳管内成分、脂肪組織への浸潤も認められ、浸潤性乳管癌。
リンパ節: ClassIII
所見:エコーで多少の腫れは認められるが、血流増加までは認められない。
リンパ生検の結果は、リンパ球や間葉系細胞が出現しています。異形の乏しい小
型リンパ球とともに、中型からやや大型の円形細胞の混在が目立ちます。
反応性変化を疑いますが、明らかな上皮結合を有する集塊が見られないものの孤立性に出現した悪性細胞の可能性を否定できません。
血液マーカー:全て陰性
予約できる一番早い手術日、12月(上旬)日を予約。
全摘出を希望しました。
主治医は遠隔転移は現在では考えにくいが、11/(下旬)日にPET-CT, 11/(下旬)日にMRI検査するとのこと。
化学療法はやる予定ですが、気になっているのが放射線療法。
私はやった方が局所再発を防ぐためには良いような気がしますが、主治医の先生のお話では温存でなく、化学療法をやる場合は放射線はやらないとのこと。
リンパ節をどこまで切るかの決定には、センチネルをやってどこまでメスを入れるか決めるとのこと。
リンパ節に関しては97.8%くらいの確率でもし広がっていれば検出できるとのこと。
またその術後病理の広がり方から、化学療法のコースを決めましょうとのこと。
年末年始が入るので、年明けから化学療法開始予定です。
病変の病理の悪さとMIBの値が余りに高いので凹んでいます。
またERが30%しかないので、ホルモン療法もあまり期待できないかもと再発率を気にしています。
自分でnew Adjubant Onlineを見ようとしたのですが、何故かRegisterできません。
先生のおおよその見通しを教えて頂けないでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
cT2(5cm), cN0?(細胞診では陰性なので、N0と信じたいところですが腋窩リンパ節の細胞診には技術が要るので偽陰性の可能性もあります)
お気持ち、お察しします。
ご主人からのメールということで冷静さを期待します。
シンプルに考えることが必要です。
要点は
1.手術術式は?
2.術後化学療法は必要か?
3.術後放射線療法は必要か?
以上、3点となります。
1.手術術式
 5cmの腫瘍(浸潤径5cmという記載は誤りです。浸潤径は手術標本での病理診断でしか確定できないことです)なので、全摘を選択したことは(当然)妥当です。
 ♯他の選択肢としては(術前化学療法を行い)「小さくして温存」がありますが…
   質問者(の奥さまは)、「ルミナールタイプであることと、増大傾向があり(抗癌剤が効かない場合には)手術不能となるリスクがある」ことより「全摘が安全」と言えます。
2.術後化学療法
 これは、Ki67=70%であることにより(厳密には、手術標本でのKi67を目安にすべきですが)化学療法は必須と言えます。
3.術後放射線治療
 全摘の場合には「腋窩リンパ節転移が4個以上」の場合には推奨されます。
 ♯そもそも全摘では局所再発(特に胸壁再発)は基本的には無いので、「やればいいもの」ではありません。(きちんと適応を考えるべきです)
「 予約できる一番早い手術日、12月(上旬)日を予約。」「全摘出を希望しました。」
⇒早くて良かったです。
「主治医の先生のお話では温存でなく、化学療法をやる場合は放射線はやらない」
⇒ここで、混乱がでています。
 物事はシンプルに考えましょう。
 「化学療法をすること」と「放射線照射すること」は全く別次元の話です。
  つまり、
  ルミナールBだから化学療法を行う
  全摘ならば(原則として)放射線照射は行わないが、(もしも)「リンパ節転移4個以上なら(全摘でも)放射線照射行う」ということです。
「病変の病理の悪さとMIBの値が余りに高いので凹んでいます。」
⇒そんなことはありません。
 考え過ぎです。
 「ルミナールBだから化学療法の適応」という風に治療との関連で捉えてください。
「またERが30%しかないので、ホルモン療法もあまり期待できないかもと再発率を気にしています。」
⇒関係ありません。
 
 そんなことを気にしても「無意味」です。
 やるべき事を(極めてシンプルに)行う事なのです。
「先生のおおよその見通しを教えて頂けないでしょうか?」
⇒化学療法は(ルミナールタイプだから)TC(4サイクル)を
 放射線照射は原則なし(リンパ節転移が、4個以上だったら行う)
 極めてシンプルな話です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
 以前にセカンドオピニオンをいただき、安心して手術に臨むことが出来ました。
厚く御礼申し上げます。
 術前の診断を含めてご報告いたします。
長文お許しください。
(1) 12月初旬、術前検査結果
PET-CT: 遠隔転移なし
検査前の所見では右乳房12時方向に2cm大の腫瘤、この外側にも底エコー領域あり。
CNBで浸潤性乳管癌。
腋下LNは形状は正常に見えるがやや目立ち、細胞診クラスIIIであった。
F18 FDG 179MBq投与後、90分から全身スキャンした。
右乳腺のAC領域には長径22mm程度の辺縁やや不明瞭で不整形の腫瘤性病変とその外側に不規則な腫瘤性病変が存在し、全体としては長径50mmほどの病変が少なくとも広がる。
この腫瘤性性病変にはSUVmax(1.5hr)=19.4の明確なFDGの集積を伴う。
右腋下レベルIからII境界領域付近にかけて2個の短径9.0mm大までの明瞭な腫大リンパ節が存在しており有意なFDG集積を伴う。
腋窩レベルIIIから鎖骨上窩、胸骨領域に明らかな腫大リンパ節やFDG集積を認めるリンパ節は認めない。
対側乳腺には明らかな腫瘤性病変は認められない。
右肺中葉および舌区にS5の領域を中心とした索状影が広がり、非特異的な瘢痕や部分無気肺と考えられる(肺S5に関しては5年前の人間ドックで所見が出ていたとのこと)。
舌区S5末梢肺野には2個の長径5mm大の不形結節が認められる。
有意なFDGの集積は認められないが、小結節であり過小評価されいる可能性が高い。
まずは肉芽腫などの良性結節を考えたいが、転移との鑑別は最終的な経過を合わせた評価をお願いしたい。
その他は陰性。
右乳腺AC領域原発性
乳がんT3 or2N1M0を疑う。
原発巣の正確な広がりはUS,MRI所見を優先くだ
さい、舌区とS5の小結節い関しては念のため経過をみてください。
術前画像診断における腫瘍サイズ約50mm
術前臨床画像診断:右乳腺AC領域原発乳癌T3 or2N1 M0相当を疑います。
舌区 S5の小結節に関しては念のため経過をみてください。
術前臨床ステージ: IIa orIIb
ようやくHER2 FISHの結果が出た: 1.3で陰性
(2)12月初旬、手術実施
術式:乳房全摘出、センチネルリンパ節生検実施、迅速診にてリンパ節を含めて4つ凍結切片にて生検。
驚いたことに、FDGで陽性であったのに陰性とのこと。
術直後の主治医の先生に、本当にN0ですか?と何度も聞いてしまった。
リンパ節郭清実施せず、腋窩温存。
12月中旬退院予定です。
(3)術後病理
12月末に最終病理診断が出る予定です。
手術の後の経過:
本人はN0となったことに気を良くして、術後2日目からドレーンをつけたまま元気に歩き回って、何だか治ったような気になっています。
元気なのは良いのですが、化学療法も本当は必要ではないのでは?と言い出す始末で困っています。
ここからがご相談内容です。
(1)化学療法
本人を何とか説得させて、年明けから術後化学療法を開始したいと思っています。
FISH陰性であったことから、HER2療法は適用外かと。
家内はアルコールに対するアレルギーがあることがわかっています。
以前に骨折手術で麻酔のために背中をアルコール消毒した際に、喘息のような症状が出て陽性とみられたようです。
以前に先生からお返事をいただき、TC X4回でシンプルに考えましょうとのお話を拝見しました。
別の方への質問への回答を拝見すると、weekly
パクリタキセル+ エンドキサンもしくはTriweekly ドタキセル+ エンドキサンとのお話が出ていました。
どちらが良いのでしょう?またアルコールへのアレルギーがあるので、何回かパクリもしくはドタキセルで頑張って辛いようなら、費用は高くてもweekly アブラキサンも視野に入れた方が良いのかもと思っています。
アブラキサンの術後のweeklyのエビデンスはまだ確立していないとのことでしたが、アルコールへのアレルギーで化学療法をやりきれないよりは良いかもと。
また化学療法のレジメは山のようにあって、FEC+wPTXや
FEC+Triweekly DTX、triweekly TCなど乱立していてよくわかりません。
HER2陰性のルミナルBはタキサン抵抗性も症例もあると聞いています。
アントラ系とタキサンを組み合わせた方が良いか?混乱しています。
化学療法についてご助言ください。
(2) 気にしても仕方がないが、やはり気になる再発率(生存率ではなく)
 舌の件は気にした方が良いか?またT3N0, ステージ3に近い2bだと思っています(最終病理が出ないとわかりませんが)。
Ki67の値が70%と高いので以前の先生のご意見通りルミナールB。
またKi67が50%以上高いと、ステージ、
腫瘍サイズ全部ひっくるめてですのでわかりませんが10年のDFSは70%くらいという英文論文を読みました(Experimental and Therapeutic Medicine 1:747-754, 2010)。
また再発した症例に限った解析では初発でKi67が50%超えた場合、2年以内に77%が出ていて、10年以降はほとんど出ないとのデータでした。
やはりがんは100人いいれば状況は100通り、各個の症例が将来どれに当たるかは全くわからないと実感しています。
先生のご経験による再発に関する見通しは如何でしょうか(前文と矛盾しますが…)。
(3) 局所コントロール、少ない確率だとは思いますが、局所再発(取り残し)に関して
 少ない確率ではあるが、センチネルの凍結切片での陰性から、永久標本による最終診断で陽性に変わる例があると聞きました。
その場合は腋窩温存をしたので、追加腋窩郭清よりはIMRTやトモセラピーを使用した放射線治療がメインになると聞いています。
今回は結果的に迅速診断でN0となりましたが、2箇所でのリンパ節でFDG集積陽性にも関わらず、腋窩温存を行いましたので(凍結切片でOSNAでもないし)、局所での放射線治療によるコントロールを考えた方が良いか?
 長文、失礼しました。
心より感謝しております。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「(1)化学療法化学療法についてご助言ください。」
⇒本来は術後のKi67を見てから考えるべきです。
 針生検でのKi67=70%はあくまでも参考値にすぎません。
 もしも「術後の標本ではKi67を測定しない方針」だとしたら、Oncotype DXも検討すべきと思います。
 
 ○もしもやるなら、TCです。
 ドセタキセルはアルコールフリーで調剤できます(当院では、全例そうしています)
 パクリタキセルは使えません。(そもそもpaclitaxel + エンドキサンなど、ありません)
 アブラキサンは決してお勧めしません。
「先生のご経験による再発に関する見通しは如何でしょうか」
⇒そもそも、Ki67だけで再発率を考えるのは「余りに飛躍」がありすぎます。
 Oncotypeでは16の癌関連遺伝子と5の対照遺伝子を用いて行っているのです。
(それを1つの指標だけで物事を論じること自体が全くナンセンスです)
「今回は結果的に迅速診断でN0となりましたが、2箇所でのリンパ節でFDG集積陽性にも関わらず、腋窩温存を行いましたので局所での放射線治療によるコントロールを考えた方が良いか?」
⇒PETはともかく…
 術前に行った腋窩リンパ節の細胞診は「クラス3だった」のですよね?
 それであれば「センチネルリンパ節生検の結果を信頼」してあげましょう。
 もしも「永久標本で肉眼的転移(ないと思いますが)」があった場合に腋窩照射は検討すべきです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生
術後病理の結果が出ました。
摘出した組織を1cm間隔ぐらいに切って病理切片を見たようです。
所見:肉眼的には右乳房上内側領域に、1.5X1,5cmの腫瘍を認めます。
組織学的には右内上部領域から乳輪部に複数の浸潤巣が見られますが、乳管内成分を介して繋がる一連の腫瘍と考えます。
浸潤巣では、異型の高度な腫瘍が、大小の泡巣状や充実状となって浸潤増殖する充実腺管癌相当の像が見られます。
異型細胞が乳管内で、comedo壊死を伴いながら充実性に増殖する、腫瘍の乳管内成分も広く見られます。
腫瘍細胞には、bizzareな核を有しているものや多核の細胞も見られます。
標本24では異型細胞が多角形形状となり、細胞間橋も見られ、single cell keratosisも伺われる扁平上皮癌成分も認めます。
標本36等では軟骨様構造も見られます。
浸潤巣には壊死も目立ちます。
腫瘍の浸潤は乳腺周囲脂肪組織に及びます。
リンパ管侵襲は明らかではありませんが、静脈侵襲を認めます。
乳管内成分を含めて全体で4.4×4.2cmに拡がっており、最大の浸潤巣は12時方向で2.2×1.0cm(標本23-25)になります。
断端陰性と考えます。
免疫染色にて異型細胞は、cytokeratin(CK)5/6(90%以上+)、CK34βE12(90%
以上+)、p40(5-10%+)、CD56(5%未満+)、chromogranin(-)、
synaptophsin(-)、D2-40(軟骨様の箇所で一部+)、vimentin(60%+)、S-
100(5%未満+)、hCG(-)でした。
扁平上皮や軟骨への化生を認めますが、それらの成分は少量であり、化生癌とする程度ではありません。
絨毛癌や神経内分泌腫瘍とする所見は認めません。
組織型はinvasive carcinoma of NST with squamous differentiation and chondromatous differentiationとします。
背景乳腺組織では、乳管の拡張やflat epithelial atypiaが見られます。
リンパ節転移は見られません(0/4)。
センチネルリンパ節(0/3), 非センチネルリンパ節(0/1)
UICC TNM分類第7版(2009): pT2, pN0, cM0, R0, Stage IA Nuclear grade: Grade 3
Nuclear atypia score 3 Mitotic counts score 3 Histological grade: Grade 3
Tubule and gland formation 3 Nuclear plemorphism 3 Mitotic counts 3
(参考) (恐らく生検の病理結果) ER(+, J-score 3a), PgR(-, J-score 0), HER2 FISH(1), MIB-1 70%
病理組織診断:
Right breast cancer, C area, 4.4×4.2cm(invasive area: up to 2.2×1.0cm), invasive carcinoma of NST(invasive ductal carcinoma, solid-tubular
carcinoma) with squamous differentiation and chondromatous differentiation, pT2, f, ly(-), v(+), margin(-), mastectomy. No lymph node metastasis, pN0, 0/4.
ここからご相談内容です。
1) 化学療法
 さすがの家内も一部、病理で化生までが認められたことを知り化学療法はしないと仕方ないと納得したようです。
主治医の先生は、これはMetaplastic
Cancerです、珍しいですと述べられたそうです。
また、セカンドオピニオンも勧めるとのこと(症例が限られるためと思われる)。
主治医の先生はTCを勧めておられるようです。
一部ですが、軟骨分化まで伴い、ビメンチン陽性がここまで高い場合でもTCでしょうか?個人的にはアンスラサイクリン+タキサンまで進めた方が良いかもと思うのですが如何でしょうか。
一方、調べるとトリプルネガティブよりも治療抵抗性が高く予後不良ということから、必要以上にやっても仕方ないかも…と迷っています。
また通常の乳癌のマーカーであるKi67もしくはOncotype DXはほとんど意味がないかもと思っていますが如何でしょうか。
2) Stage IA?ほとんど意味がないのでは?
 一番、凹んだのはcytokeratin(CK)5/6とビメンチンとCK34βE12陽性率です。
それと急速に増大した臨床症状を総合して、主治医の先生は見ておられるのかなと推測しました。
サイズや、EMTの所見まで出ているのにStage IAになる理由がよくわからないです。
病理組織学的にはかなり未分化でレアな部類なので、Stageはあまり意味がないと思うのですがどうでしょうか?
お忙しい中、ご返答くださり心より感謝です。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
メール内容を見て(担当医にも責任の一端があるようですが)誤った方向に行っている事を危惧します。
「扁平上皮や軟骨への化生を認めますが、それらの成分は少量であり、化生癌とする程度ではありません。」
⇒この文言が目に入りませんか?
 それにもかかわらず担当医は「これはMetaplasticCancerです、珍しいですと述べられた」とありますが、正直呆れてしまいます。
 実際には、部分的な「化生」は特にめずらしくもなく、実際に予後的には(そのような小範囲は)無意味であることが解っています。
 今一度、冷静になりましょう。
 
 
 

 

質問者様から 【感想4】

田澤先生
 御世話になります。
今年も宜しくお願いします。
 部分的に化生が認められることは良くあるとのこと。
医師ではないのですが、大学院で病理をかじっているので、ビメンチンとサイトケラチン陽性の値を見て、EMT、最悪となりパニックになっていました。
冷静になります。
 年の瀬に、主治医の先生と面談しました。
今後の補助療法の決定のための面談でした。
化生癌といったという部分は家内からの伝聞であったために、伝言ゲームになっていたようです。
主治医の先生からは、「一部化生まで見られた状態であったので、手術先行かつ全摘出を選択したのは正解であったと思います」とのこと。
ただ、主治医の先生は以前にこのような進行が早く結果的に化生を含む例で、化学療法を先行させたが奏功せず手術不能になった例を経験しているので、急速に増大した病態を考えて反射的に手術先行、全摘へ進みましたとのお話を頂きました。
主治医医の先生もbasal likeのマーカーが高く出て
いることをかなり気にしていました。
ERは30%陽性ですが、サイトケラチン
3/5およびビメンチンの陽性割合が高いので、半分くらいは基底膜様、basal
likeに近いのかもというお話になりました。
 今後、化学療法に入ることになりますが、相談した結果、TC X4回になりました。
アンスラ系との組み合わせの可能性も何度か聞いたのですが、治療期間が長くなることから第一選択ではない、またリンパ節転移がないことから第一選択ではないとのことでした。
術前化学療法とは考え方が違いますとの主治医の先生のご説明でした。
 当初、家内は化学療法の施行自体が免疫機能の低下を引き起こし、乳癌の再発を加速しているとの独自の理論を展開、化学療法にかなり抵抗を示していました。
私からも術後化学療法の有効性の科学的根拠を何度も説明したところ、
何とか納得してくれたようで、1月中旬よりTCX4の化学療法に入ることになりました。
私もTCでもやらないよりはずっとましだと考えました。
基底膜様の可能性がある家内の場合はその他のタイプと比べると決して良い傾向ではないようですが、術後の化学療法という観点ではBasal likeも他もルミナルBも変わらないとの主治医の先生のお話でした。
 ただ、残念なのは手術標本で基本パラメータであるKi67, ER, PRすら見てくれないとのこと。
何とか手術直後にHER2くらいはとお願いしたのですが、1+だったそうです。
私は手術標本で基本的なパラメータを出し、治療方針を決定するのが王道では?と食い下がったのですが、バイオプシーでやっているので、手術標本ではやりません、術後化学療法の方針は変わらない、国の医療費の高騰を考えるとこれ以上やる必要性がないとの病院の方針とのことでした。
それは正しい道なのでしょうかと述べたところ最後に、じゃあ、何とか病理へ頼み込んでKi67くらいはみましょうと主治医が少しだけ折れてくれました。
ただ、この調子で行くと今後、何かとぶつかることが多そうです。
 ともあれ、この調子で行くと先々で大変そうな上、3月で主治医の先生が離任することがわかっています。
3月末でTCが終わり次第(化学療法は自宅に近
いところの方が何かと都合が良いのでそのままで)別の病院へ変わることを考えています。
よっぽど生検に自信があるのか、これ以上の病理により細分化は意味がないと見切っているのかよくわかりません。
治療経緯のご報告まででご
ざいます。
ご助言とご指導に心より感謝します。