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術後の治療

[管理番号:2286]
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生
お世話になります。
日頃よりQ&Aを拝見させて頂き参考にさせて頂いております。
田澤先生のご意見賜りたく何卒宜しくお願い致します。
【症状】
右乳頭より分泌物があり受診したところ、広範に石灰化と黒い影が映っているとのことで、まずは石灰化部分に針生検を行いましたが「異型ではあるがガンとは断定できなく非浸潤ガン」との結果で、再度針生検を黒い影に行い浸潤ガンとの診断でした。
浸潤ガン・非浸潤ガンを合わせると6センチの広範囲の為、全摘出とのお話でした。
先日、PET-CTとMRIを行いましたが、リンパ節・全身転移はないとのことでした。
2月中旬に手術(皮下乳腺全摘出・乳頭切除)を予定しておりますが、術後の治療についてご意見を頂戴したく宜しくお願い致します。
【ご質問内容】
①早期発見になりますでしょうか?
②ルミナールA・Bのどのタイプにあたりますか?
③術後は、化学療法を選択する必要がありそうだと主治医からお話がありますが必要がありますでしょうか?
④田澤先生であればどのような治療を選択しますでしょうか?
⑤KI-67の数値が高い(27%)、ステージ1、グレード3とのことですが根治は可能でしょうか?
⑥再発リスク及び左乳房の発がんリスクはどのようになりますでしょうか?
【検査結果・所見】
Adequate,Malignant,Invasive ductal carcinoma,G3,NG3:-rigt breast,needle biopsy
右乳房A領域の低エコー腫瘍より採取されたエコー下マンモトーム生検標本。
6本のコアを認め、全て腫瘍を認める。
高度の核形不整と中頻度の核分裂像を呈する腫瘍細胞が、線維性間質の増生を伴いつつ、充実性胞巣や不整腺管を形成し浸潤性に増殖している。
浸潤性乳管癌であり、硬癌ないし乳頭腺管癌、G3,NG3を推定する。
腫瘍内および腫瘍辺縁には篩状、低乳頭状、微小乳頭状の非浸潤癌成分がみられ、一部に面皰壊死を伴う。
また、FEAやADH、flat typeのDCISとの鑑別の難しい異型上皮巣も散見される。
ステージ:1
ER:3+,90%,強,Allred score 5+3=8
PgR:3+,90%,強,ALlred score 5+3=8
HER2:score 2+
Ki67 LI:27%(135/500)
HER2 FISH(ASCO/CAP2013ガイドライン準拠):陰性
HER2/CEP17比:1.2
HER2シグナル数/1癌細胞3.1
子供(娘2人)がまだ小さく、根治を目指し何が何でも生き抜きたいと考えております。
ご多忙の中大変恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「先日、PET-CTとMRIを行いましたが、リンパ節・全身転移はないとのことでした。」
⇒PETは不要な検査です。
 トップページの「6回目 無駄どころか、有害なのです」を参照してください。
 
「①早期発見になりますでしょうか?」
⇒手術をしてみないと「最大浸潤径が不明」なので言いきれませんが…
 「浸潤部分はそれ程大きくはなさそう=病理所見にステージ1と記載あり」なので、その可能性が高そうです。
 
「②ルミナールA・Bのどのタイプにあたりますか?」
⇒「Ki67=27%」は微妙なラインです。
 施設によって解釈が分かれるでしょう(ただし、あくまでもマンモトームはサンプリングなので、手術標本で病変全体で評価すべき」です。
 
「③術後は、化学療法を選択する必要がありそうだと主治医からお話がありますが」
⇒これは担当医が「Ki67=27%をルミナールBと解釈」しているようです。
 
「必要がありますでしょうか?」
⇒病変全体を評価して「最大浸潤径」が判明しないと解釈は困難ですが…
 ただ、私は「Ki67=27%はルミナールA」と解釈し、「リンパ節転移4個以上」でないと原則として「化学療法は勧めません」
 
「④田澤先生であればどのような治療を選択しますでしょうか?」
⇒ホルモン療法単独の可能性が高いですが…
 やはり「手術標本での評価」が先です。
「⑤KI-67の数値が高い(27%)、ステージ1、グレード3とのことですが根治は可能でしょうか?」
⇒「根治が可能」というか…(そう言うレベルの話ではありません)
 そもそも「根治の可能性の方が圧倒的に高い」のです。
 
「⑥再発リスク及び左乳房の発がんリスクはどのようになりますでしょうか?」
⇒これは「最大浸潤径」が解ってからでないと困難です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
今晩は。
先日は、ご丁寧な回答ありがとうございました。
手術後の病理検査次第との事で納得しました。
色々不安があり、手術前まで診察がないのでお話しを伺いに行ってきました。
お話しの中で、広範囲に広がっている石灰化が、浸潤癌の可能性もゼロではなく、その場合は、ステージ3になる可能性があるとのお話でした。
ステージ3になるとやはり予後不良で、治療は難しいのでしょうか。
また、生存率はどのようになりますでしょうか。
浸潤してない事を祈るばかりですが、不安で仕方ありません。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「広範囲に広がっている石灰化が、浸潤癌の可能性もゼロではなく、その場合は、ステージ3になる可能性」
⇒あくまでも可能性です。
 
「ステージ3になるとやはり予後不良で、治療は難しいのでしょうか。また、生存率はどのようになりますでしょうか。」
⇒仮定の話で悩んでいても仕方がありません。
 ただひとつ言えるのは「ゴロんとしたしこりでの5cm以上」と「石灰化として拡がって、結果として5cm以上」では「同じステージだとしても、全く意味が異なる」ということです。
 無意味な心配はしないことです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生こんにちは。
今月、右乳房皮下乳房全摘出及び乳頭切除の手術を行い、リンパ転移もなく無事に終了し、現在は病理結果待ちです。
手術前の説明では、広範囲に広がる石灰化は非浸潤がんと予想しているが、浸潤がんの可能性もあるとの事でした。
浸潤してない事を祈る毎日です。
質問させて頂きたいのは、退院後から右足付け根の少し上辺りと背中に痛みを感じていますが、手術に関連するものでしょうか?
または、右手に負担がかからないように意識しているので、精神的なことからくる痛みなのでしょうか?それとも手術とは全く関係はなく内科受診が必要でしょうか?
宜しくお願いします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
無事に手術が終了しましたね。
「質問させて頂きたいのは、退院後から右足付け根の少し上辺りと背中に痛みを感じていますが、手術に関連するものでしょうか?」
⇒そう思います。
 背中は「センチネルリンパ節生検の影響」でしょう。
 「右足の付け根の少し上」は「体のバランス」でしょうか?
 大きな問題ではありまえん。
 
「または、右手に負担がかからないように意識しているので、精神的なことからくる痛みなのでしょうか?」
⇒手術及び、それに伴う(一次的な)体のバランスが影響していると思います。
 
「それとも手術とは全く関係はなく内科受診が必要でしょうか?」
⇒もう少し様子を見ましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生
こんばんは。
何時もご質問させて頂き、丁寧なご回答有難うございます。
本日、病理検査結果がでましたので、今後の治療についてご相談させて頂きます。
◆病理検査結果
組織型 乳頭腺管癌
ER +100%
PR +100%
HER2 スコア0
Kiー67 10ー15% approx
腫瘍の大きさ 浸潤部 16×8×18mm in situ含む 全体40×12×65mm
浸潤の範囲 g,f
脈管侵襲 ly1,v0
核グレード グレード1 核異型2 核分裂1
随伴するDCIS Extenive
切除縁 断端露なし
センチネルリンパ節 SNB(+)1/3 SLN1に1.5mm
◆質問
1.ステージはどうなりますか?
2.術中のセンチネルリンパ節生検では転移なしでしたが、
病理検査で訂正される事はあるんでしょうか?
3.ルミナールAのとの事でしたが、抗がん剤は必要でしょうか?
転移は一つで微小ではあるが転移していた事は変わりない。
抗がん剤はしてもいい。
するのであれば3ヶ月と言われました。
判断する材料として、オンコタイプDXもいいと思うとの事でした。
4.田澤先生ならどのような診断をしますか?
5.抗がん剤をする場合としない場合の再発率はどうなりますでしょうか?
6.早期になりますでしょうか?
本日より、タモキシフェンが処方されました。
やはり、微小でも転移があったと言うことはショックで悩んでしまいます。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
pT1c(18mm), pN1mi, luminalA, NG1
現在はpN1mi(微小転移)はpN0(リンパ節転移無)と予後が同等であることが解っています。
十分な早期癌(そして大人しいタイプ)です。
 
「1.ステージはどうなりますか?」
⇒pT1c, pN1mi, pStage2Aとなります。
 
「2.術中のセンチネルリンパ節生検では転移なしでしたが、 病理検査で訂正される事はあるんでしょうか?」
⇒「微小転移」が(後で)見つかる事は時々あります。(肉眼的転移は稀ですが)
 
「3.ルミナールAのとの事でしたが、抗がん剤は必要でしょうか?」
⇒不要です。
 そもそも「ルミナールAでリンパ節転移1個」だとしても「化学療法の適応はな
い」と(私は)思います。
 しかも今回は「微小転移」なので予後的には「リンパ節転移無と同等」なのです。
 
「転移は一つで微小ではあるが転移していた事は変わりない。」
⇒変わりは大いにあります。
 「微小転移」は「リンパ節転移無」と同等なのです。
 
「抗がん剤はしてもいい。するのであれば3ヶ月と言われました。」
⇒必要ないと思います。
 
「4.田澤先生ならどのような診断をしますか?」
⇒ホルモン療法単独です(迷う要素がありません)
 
「5.抗がん剤をする場合としない場合の再発率はどうなりますでしょうか?」
⇒抗がん剤をしない場合(ホルモン療法単独)では11%
 抗ガン剤をした場合(ホルモン療法+抗ガン剤)では7%(抗癌剤による上乗せは
4%です)
 
「6.早期になりますでしょうか?」
⇒早期です。
 pStage2Aとは言え、pStage1と同等なのです。(pN1miだから)
 
「やはり、微小でも転移があったと言うことはショックで悩んでしまいます。」
⇒全く問題ありません。
 pN0と同様に考えてください。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

田澤先生
こんにたは。
何時もわかりやすいご回答有難うございます。
先生のご回答に勇気を頂き、積極的に治療する意欲が湧いてきます。
追加で質問させて頂きたくお願い致します。
1.リンパ節転移があったとの事ですが、郭清は必要ないと主治医から言われましたがどの様にお考えになられますか?
2.現在もリンパ節にまだ癌は残っているのでしょうか?残ってあるとしてもエコーでは発見出来ない程度なんでしょうか?
3.放射線治療は必要ないのでしょうか?
一期再建をしたので勧められないのでしょうか?
4.今後は、定期的な外来受診でエコー確認していけば問題ないのでしょうか?
5.田澤先生は、私の病理検査結果では抗がん剤は必要ないとご回答頂きましたので、主治医より進められているオンコタイプDXは必要ないとのお考えですよね?
御多忙とは存じますが宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答5】

今日は。田澤です。
「1.リンパ節転移があったとの事ですが、郭清は必要ないと主治医から言われましたがどの様にお考えになられますか?」
⇒微小転移では「郭清省略が一般的」です。
 以下に「センチネルリンパ節生検の取り扱い」について掲載します。
 ①SLN(センチネルリンパ節)に転移を認めない場合には「腋窩郭清は省略」する
 これについては「疑問の余地」はありません。
 世界のスタンダードと考えていただいて結構です。
 もします。
②SLNに微小転移(2mm以下)を認めた場合
  これについても「腋窩郭清は省略する」でほぼ意思統一されている。と考えて結構です。
  IBCSG 23-01(臨床試験)で934症例での「微小転移症例の非郭清と郭清群との比較」で「生存率も再発率も差がなもいまだに「日本の地方のどこかで(ひっそりと)明らかなN0症例に対して、センチネルリンパ節生検をせずに腋窩郭清をしている(一般)外科医が居るとしたら、非難されるべき時代」と言えい」ことが証明されています。
 これを受けて「乳癌診療ガイドライン」でも「腋窩郭清の省略が勧められる」乳癌ガイドライン推奨グレードBとなっています。
♯Bとはなっていますが、内容的にはAと思います。
③SLNに肉眼的転移(>2mm)を認めた場合
  ここが、正に「議論の多い」ところです。
  ・SLN転移陽性患者の約半数は非SLN転移を有していない
  ・ACOSOG Z0011(臨床試験)では、以下の条件
     「腫瘍径5cm以下で画像上リンパ節転移を疑わない」「SLN転移2個以下」
「温存手術(術後照射を行う)」「術後薬物療法あり」を満たす場合には「郭清の有無で生存率も再発率も差がない」との結果
  ・2014のASCOガイドラインでは「照射を行う温存手術」であれば「2個までの転移」であれば、腋窩郭清を省略すべき
  これらの中で「適切な基準に基づいて腋窩郭清省略を考慮しても良い」乳癌ガイドライン推奨グレードC1となっています。
 この「適切な基準」というのが各施設で様々なのが現状です。
「2.現在もリンパ節にまだ癌は残っているのでしょうか?」
⇒可能性は極めて低いです。
 だから、上記②となっているのです。
 
「残ってあるとしてもエコーでは発見出来ない程度なんでしょうか?」
⇒その通りです。
 
「3.放射線治療は必要ないのでしょうか?」
⇒全摘後の放射線治療の適応は「リンパ節転移4個以上」です。
 
「一期再建をしたので勧められないのでしょうか?」
⇒違います。
 そもそも「照射適応外」です。
 
「4.今後は、定期的な外来受診でエコー確認していけば問題ないのでしょうか?」
⇒問題ありません。
 
「5.田澤先生は、私の病理検査結果では抗がん剤は必要ないとご回答頂きましたので、主治医より進められているオンコタイプDXは必要ないとのお考えですよね?」
⇒その通りです。
 
 

 

質問者様から 【質問6】

田澤先生
こんにちは。
何時もわかりやすいご回答有難うございます。
幾度となく質問させて頂き申し訳ありません。
ホルモン療法について、ご質問をさせて頂きたく宜しくお願い致します。
質問
1.現在、1日1錠タモキシフェンを服用しておりますが、このままで大丈夫でしょうか?
また、強めの薬を服用する必要はあるんでしょうか?
閉経前です。
2.3ヶ月に一度、注射で月経をとめている方もいるとの事ですが、月経をとめる方ととめない方では、何が違うんでしょうか?
3.私も今後、月経をとめる可能性はありますか?
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
「1.現在、1日1錠タモキシフェンを服用しておりますが、このままで大丈夫でしょうか?また、強めの薬を服用する必要はあるんでしょうか?閉経前です。」
⇒閉経前は「タモキシフェン」しか適応がありません。(20mg)ですよね?
 それ以上の薬はありません。
 
「2.3ヶ月に一度、注射で月経をとめている方もいるとの事ですが、月経をとめる方ととめない方では、何が違うんでしょうか?」
⇒これは「LH-RHagonistの皮下注射」のことです。
 タモキシフェンは(卵巣から出てきたエストロゲンが)「作用する時点で抑える」のに対し、LH-RHagonistは「卵巣そのものを抑える」のです。
 あくまでも「タモキシフェン」が標準であり、「LH-RHagonist単独という選択肢はなく、LH-RHagonistを用いるとしたら(タモキシフェンとの)併用」となります。
 SOFT試験の結果では
 「35歳未満」や「化学療法閉経となった後に月経が再開した人」では「タモキシフェンにLH-RHagonistを併用しても、上乗せ効果が無かった」というデータがあります。
 ○その意味では、質問者は41歳という年齢なので「タモキシフェン単独」でいいと思います。
 
「3.私も今後、月経をとめる可能性はありますか?」
⇒不要です。
 
 

 

質問者様から 【質問7】

田澤先生
いつもわかりやすい回答ありがとう御座います。
再度質問させて頂きます。
術後の病理検査で、リンパ節へ微小転移があった事で、主治医より抗がん剤を検討してみてもいいのでは?との事で、
田澤先生にもご相談させて頂きましたが、
私の性格上、トコトン調べて決めたいと思い、オンコタイプDXを行い、検査結果がでました。
『検査結果』
再発スコア 15
ホルモン療法 11
ホルモン療法+化学療法 12
主治医には、低リスクとの結果からホルモン療法のみとする旨をお伝えしました。
主治医からは、ホルモン療法のみで問題ないが、RS11以下ならホルモン療法だけと言い切れるが、RS15は低リスクだが、抗がん剤を検討してもいいとは思うとの事でした。
あまりに、抗がん剤を言われるので心配になりホルモン療法のみで大丈夫でしょうか?
化学療法をプラスする方が数値が悪いのは、化学療法の効果が見込めないとの理解でいいのでしょうか?
また、最近、手術した側の腕が少し痛く、腕を確認しましたら、血管の様に筋みたいなものが浮き上がっていますが、センチネルリンパ節生検の影響でしょうか?どの程度で治りますか?
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは。田澤です。
OncotypeDXの結果、低リスクで良かったですね。
それにしても「低リスクとでても、まだ抗がん剤を勧めるとは!」担当医の思い込みにも「少々あきれるばかり」です。
 
「『検査結果』再発スコア 15ホルモン療法 11ホルモン療法+化学療法 12」
⇒化学療法の上乗せは「わずか1%」です。
 せっかくOncotypeDXをして、(この結果だったのに)「抗がん剤を勧める医師」など、常識外というか「規格外」と言えます。
 
「主治医からは、ホルモン療法のみで問題ないが、RS11以下ならホルモン療法だけと言い切れるが、RS15は低リスクだが、抗がん剤を検討してもいいとは思う」
⇒この主治医は「何か抗がん剤を好きな理由でもある」のですか?
 まともな解釈とは思えません
 
「あまりに、抗がん剤を言われるので心配になりホルモン療法のみで大丈夫でしょうか?」
⇒明らかです。
 OncotypeDXを高額な費用を払ってまで行い、この結果がでても「なお、その結果を無視する」のは止めましょう。
 
「化学療法をプラスする方が数値が悪いのは、化学療法の効果が見込めないとの理解でいいのでしょうか?」
⇒その通りです。
 
「また、最近、手術した側の腕が少し痛く、腕を確認しましたら、血管の様に筋みたいなものが浮き上がっています」
⇒まさに「血管そのもの」です。
 モンドールの一種で「血管炎」なのです。
 
「センチネルリンパ節生検の影響でしょうか?どの程度で治りますか?」
⇒その通りです。
 2カ月みましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問8 術後の経過】

性別:女性
年齢:42歳
田澤先生
いつも勉強させて頂くとともに、励みにして拝見させて頂いております。
また、2年前にはご丁寧に対応頂き有難う御座いました。
2年前の手術以降、タモキシフェンを服用しながら3ヶ月毎の受診をしておりますが、昨日の受診時のエコーで、脇のリンパが腫れていると主治医より話がありました。
主治医によれば、再建後、2年経っても腫れることがあるので心配ないと思うとの事でした。
また、胃、脇腹も時々痛む事があり、その旨も伝えましたが、再建後にはあるとの説明でした。
田澤先生はどのうにお考えになられるかご意見を伺いたく宜しくお願い致します。
オンコタイプDXまで行い、低リスクとの結果でしたが、再発したのではないかと心配です。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答8】

こんにちは。田澤です。
「昨日の受診時のエコーで、脇のリンパが腫れていると主治医より話」
「主治医によれば、再建後、2年経っても腫れることがあるので心配ない」

⇒実際のエコー像を見ていないので全く判断のしようがありませんが…
 私からみれば…
 「もしも、本当に心配がないのであれば、余計なことは言わなければいいのに」と、純粋に思います。(何のために言ったのだろう?)
「胃、脇腹も時々痛む事」
⇒これをリンパ節と結び付けるのは止めましょう。
 胃が痛かったら、(普通に)消化器内科を受診して胃薬を飲めばいいのです。
「田澤先生はどのうにお考えになられるかご意見」
⇒正直もしも、術後の通常のリンパ節と判断したのであれば(それは良くあることですが)「リンパ節が腫れている」などと「無意味に(患者さんを)心配をさせるようなコメントをしなければいいのに」と不思議に思います。