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医師による意見の違い

[管理番号:2294]
性別:女性
年齢:49歳
初めまして。
よろしくお願いいたします。
昨年3月に区の乳がん検診で、要精密検査となりエコーを受けたところ悪性の所見はなく経過観察6か月後となりました。
左胸です。
半年後に再診しました。
同じ病院ですが医師は変わりました。
エコーをし、右胸に小豆大のしこりを見つけていたので、自己申告したら、左右両方細胞診をしました。
たぶん良性だと思うけど、念のためという説明でした。
細胞診の結果は両胸ともクラス3で、針生検をした方がよいといわれました。
私の都合でその病院へ通院することが困難になったので、別の病院へ紹介状を書いてもらい、今年になってその病院を受診しました。
 その病院でマンモ、エコー、触診をし、左胸は乳腺症の典型的な所見とのこと。
エコーでヒョウ柄のような画像で、生理前に胸が張るなどの症状があることから、女性ホルモンの影響で乳腺が固くなっている乳腺症で間違いないという説明でした。
右胸の私がしこりと思っていところは、全然問題ないということでした。
 ということで、経過観察でよいとのこと。
自分が最初から診察していれば、細胞診をするような所見ではないといわれました。
もし、どうしても検査してほしいならば針生検することはできますがどうしますか?
と聞かれましたが経過観察でお願いしますと答えました。
 医師によってこのように違いがあるのは、経験の差でしょうか?
 すべての医師が乳腺専門医です。
転院後の医師は、○○医療センターの乳腺科や、総合病院の外科部長を務めた経歴のある先生で一番キャリアが長そうです。
今は個人の乳腺専門クリニックを開業しています。
 経過観察をしていればいいということで納得したのですが、先生のご意見を伺いたく思います。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「自分が最初から診察していれば、細胞診をするような所見ではないといわれました」
⇒かなり「危険な考え方」だと(私は)思います。
 画像診断に余程自信があるようですが、「年数は何の足しにも」なりません。
 
 ○細胞診で「クラスⅢが出た以上、針生検すべき」と思います。
 時として「乳腺症と乳癌(硬癌や小葉癌など)はエコー上、鑑別困難」となります。
 
「医師によってこのように違いがあるのは、経験の差でしょうか?」
⇒経験の差というよりは「考え方の違い」です。
 画像診断だけで「なるべく組織診をしたがらない」タイプだということでしょう。
  
「経過観察をしていればいい」
⇒この「経過観察」が曲者です。
 余程「画像所見が怪しくない限りは(針生検をやりたがらず)何でもかんでも経過観察とする」タイプの医師は(万が一)半年後に「やっぱり乳癌だった」となった場合でも「経過観察でよかった」などと言うのです。
 本当は「早期発見のチャンスを自らつぶした」ことを反省すべきなのです。
 
 
○画像上、「良性と断定しきれない」場合には「組織診で決着をつける」それが私の考え方です。