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遺伝性乳がんについて

[管理番号:2890]
性別:女性
年齢:40歳
こんにちは
ステージⅡ、左胸全摘出後、現在EC療法3回目で、リンパ節転移なしのため、
あと1回のEC療法のみで治療は終了する予定のものです。
治療は終了する予定でしたが、トリプルネガティブの診断を受けた際に、
治験の話があり、家族・親戚に癌で亡くなった者がいなかったため、
まさか対象にはならないだろうという軽い気持ちで引き受けたら、BRCA1遺伝子に変異があることが分かりました。
こちらの[管理番号:2597「トリプルネガティブ乳癌」]で
「このPARP阻害剤は、一度は「トリプルネガティブでの有用性は否定:米国2011ASCO」されています。
 ただし、「トリプルネガティブの中でもBRCA遺伝子変異に絞れば有効性があるのでは?」
というのが現在日本で行われているOlympiAなのです。」という記述を拝見しました。
現在まさにその治験に参加するかどうか迷っています。
治験を受ける場合、パクリタキセルを12週追加しないとなりません。
EC療法を受ける際にもかなり迷ったので、抗がん剤の追加は全く想定外のことでした。
パクリタキセルを追加したほうが、私のようなケースでは良いということは分かっていますが、
利かない、もしくはもともとやっても再発しないということもここで勉強させて頂いたので・・・。
また、先生のオラパリブの記述をみて、やるだけ無駄なような気もしています。
とにかく遺伝性乳がんについては情報が少なく、追加の抗がん剤をすることを決めかねています。
そこで質問のなのですが、
1.遺伝子異変のある乳がんの場合、発症のリスクは未発症より1回発症したほうが高まるのかどうか。
2.遺伝子変異のある場合でも、環境リスク(喫煙、飲酒等)は発症に関係あるのか。
3.パクリタキセルの副作用、特にしびれと眉・まつげまでの脱毛の発現割合は感覚的にどのくらいでしょうか。
4.オラパリブについてどのようにお考えでしょうか。
お忙しい中、不躾な質問で申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「1.遺伝子異変のある乳がんの場合、発症のリスクは未発症より1回発症したほうが高まるのかどうか。」
⇒そのようなことはありません。
 
「2.遺伝子変異のある場合でも、環境リスク(喫煙、飲酒等)は発症に関係あるのか。」
⇒関係あります。
 
「3.パクリタキセルの副作用、特にしびれと眉・まつげまでの脱毛の発現割合は感覚的にどのくらいでしょうか。」
⇒痺れは軽いものを含めれば「12回完遂すれば必発」です。
 まつげまでの脱毛もそれ程多くはありません(30%くらいでしょうか)
 
「4.オラパリブについてどのようにお考えでしょうか。」
⇒臨床試験で効果が否定された以上、(幾ら理論的には、優れた薬であっても)無意味だと思います。
 勿論、臨床試験に参加することで「BRCA遺伝子変異群だけには有効」という新たなエビデンスが出てくる可能性は否定できません。
 ただ、「現時点でエビデンスが無い」以上、勧めることはありません。