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ホルモン療法について

[管理番号:4020]
性別:女性
年齢:45歳
今年1月に部分切除、5月に全摘・同時再建し、現在はノルバディクス10を服用しています。
先日、子宮けいがんと体がん検査を初めて行いました。
婦人科の先生は「見た感じ大丈夫でしょう。ちょうど排卵の時期かな?」と言ってました。
私はホルモン療法で女性ホルモンは抑えられているものだと思っていたので、
びっくりして、薬がきいていないのではないかと不安になってしまいました。
確かにあまり副作用もないので。
薬の量や薬を変えた方がいいのでしょうか?リュープリン?とかいう注射を追加した方がよいのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者は(閉経前の)ホルモン療法を勘違いしています。
同様の「勘違い」は日常診療でも多くの患者さんにみられるものです。
タモキシフェン:そもそもこれは「卵巣そのものを抑制」するものではありません。
        卵巣から出た女性ホルモン(エストロゲン)が(癌細胞に)作用するところをブロックするのです。
        ♯つまり、エストロゲンは通常通り産生され、それは普通に子宮に作用(そして通常通りの月経となる)するのです。(タモキシフェンによる子宮への作用は限局的です)
これに対して、LH-RHagonistは「卵巣そのものに作用」するので(結果として)「エストロゲンによる子宮への作用が弱くなり月経が止まる」こととなります。
♯「月経を止める」ことが目的ではなく、「卵巣を抑える」ことにより「結果として月経が止まる」ことにご注意ください。
「薬がきいていないのではないかと不安」
⇒上記コメント通りです。
 タモキシフェンでは「月経が止まらない」ことは、むしろ当然です。
 薬が効いていないこととは無関係です。
「薬の量や薬を変えた方がいいのでしょうか?リュープリン?とかいう注射を追加した方がよいのでしょうか。」
⇒お解りですか?
 「月経が止まる」ことと「ホルモン療法の効果」とは無関係です。
 気にする必要は全くありません。