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閉経前ホルモン治療

[管理番号:1886]
性別:女性
年齢:48歳
お忙しいところこのようなQ&Aを設けて下さりありがとうございます。
術後ホルモン治療でご相談がございます。
これまでの経緯です。毎年秋に乳癌検診しておりましたが(石灰化もない「所見なし」で安心してました)今年4月ぐらいに自己で左胸にしこりを感じ、例年より早めの6月に検診したところ乳癌と診断されました。
手術可能な病院に転院後9月に左胸全切除しました。
病理検査の結果、乳管内に多発・最大値は9㎝、浸潤部分は1か所・硬癌11×10×9㎜・ER(TS7)Pgr(TS7)・HER2-・Ki67 7% センチネルリンパ0/5
リンパ管浸潤あり・静脈なし。術後は化学療法は必要なくホルモン治療のみとなりました。
42歳で子宮摘出しているため、血液検査(卵胞刺激ホルモン22.2、エストラジオール124)で閉経前との判断でタモキシフェンのノルバデックスの服用です。
ノルバデックス服用3~4日から倦怠感・吐き気・めまい・頭痛が酷くなり、5日目ぐらいからおう吐が始まりました。吐き気止めとめまい止めのお薬を処方して頂き服用しましたが、おう吐は毎日続き体重も37㌔台(もともと158㎝42㌔)になり4週間後の診察で服用を一旦お休みすることにしました。
血液検査は主治医から「問題なし」といわれましたが、年に数回献血していた私にとってALTが20を上廻ったこともないのに40になり、血小板も正常値が120になっていたのも(内出血がひどかったです)気になりましたので。
他のホルモン治療薬はあるのでしょうか?閉経後には別の治療薬もあるようですが。
20代後半から数年、不妊治療をおこなっていた際、「両卵巣が10㎝以上に腫れ腹水が溜まり血液中の酸素が不足する」状態だったので、卵巣に作用するLH-RHを使った場合の副作用も心配しています。
もし、このまま無治療だと右胸への再発率・他臓器等への転移率はどのくらい増加するのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(11mm), pN0, luminalA
随分ひどい副作用ですね。
これでは「タモキシフェンの継続は無理」ですね。
「LH-RHagonist」しかないでしょう。
「卵巣に作用するLH-RHを使った場合の副作用も心配」とありますが、
「LH-RHagonistは卵巣抑性」なので「卵巣が(不妊治療時のようには)腫大することはない」と思います。
「このまま無治療だと右胸への再発率・他臓器等への転移率はどのくらい増加するのでしょうか?」
⇒質問者の核グレードが不明なので(Ki67=7%なので、1か2の筈ですが)それぞれの場合のホルモン療法の効果を示すと
核グレード1の場合 6%
核グレード2の場合 8%
 となります。