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術後補助治療について

[管理番号:3442]
性別:女性
年齢:55歳
いつも拝読して勉強させて頂いております。
術後の補助治療について、確認しておきたいのと、質問をお願い致します。
浸潤性小葉癌(ステージ2A)で7月に右乳房全摘とリンパ節郭清しました。
病理結果は次の通りです。
大きさ:93×50×28mm
組織学的グレード3
エストロゲンレセプター:90%
プロゲストロンレセプター:60%
HER2:陰性
Ki-67:10%
センチネル生検:13/17個
ルミナールA
主治医からフルコースを提示されましたが、ルミナールAなので、化学療法は拒否し9月から放射線25回とホルモン療法(フェマーラ)10年を受けることにしました。
☆質問は、微妙なところですが、化学療法を受けないと再発・転移・生存率にそんなに影響をうけるものなのでしょうか?私の選択は、まちがっているのでしょうか?リンパ節郭清の個数の多さ(しかもレベル2まで)が、ひっかかるんですが、田澤先生はどう思われますか?
☆あと一つ質問ですが、術後後遺症症候群?(無感覚・筋のつっぱり等)は、生涯 完治しないものなのか、リハビリを何年も続ければ少しはマシになってくるものなのか、是非教えて下さい。
ご多忙中、申し訳ありませんが、宜しくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
完全なルミナールAで化学療法が本当に必要なのか?
ここは実は微妙だと思います。
実際に臨床試験では「リンパ節転移の個数や腫瘍の大きさにかかわらず」ルミナールAでは化学療法による「上乗せはない」ことが報告されています。
ただし、実臨床の場では「リンパ節転移4個以上で化学療法をしない」ことには「我々医師側の腰が引けている」ことは間違いありません。
○ルミナールAとか無関係に「リンパ節転移の個数」で比較すれば、当然「リンパ節転移4個以上」は抗ガン剤の上乗せはあるからです。
「☆質問は、微妙なところですが、化学療法を受けないと再発・転移・生存率にそんなに影響をうけるものなのでしょうか?」
⇒おそらく「大きな違い」はないのでしょう。(化学療法をしなくてもいいとはさすがにコメントできませんが)
「私の選択は、まちがっているのでしょうか?リンパ節郭清の個数の多さ(しかもレベル2まで)が、ひっかかるんですが、田澤先生はどう思われますか?」
⇒間違っているとは思いません。
 自分の状況を理解(どの医師でも化学療法を勧める)された上での決断であれば、問題ないでしょう。
「☆あと一つ質問ですが、術後後遺症症候群?(無感覚・筋のつっぱり等)は、生涯 完治しないものなのか、リハビリを何年も続ければ少しはマシになってくるものなのか、是非教えて下さい。」
⇒これは手術の精度が異なるので、「他人の手術について」私がコメントしずらいですが。
 少しずつは改善する筈です。