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非浸潤癌が浸潤癌に

[管理番号:685]
性別:女性
年齢:49歳
昨年11月(上旬)日の人間ドックにて、早急な要検査の連絡を受け(中旬)日に総合病院に受診し細胞診等検査の結果右側非浸潤癌と診断されました。
自分なりに色々と調べ見聞きし焦らず納得の行く病院を探しました。
サードオピニオンで納得行く先生と巡り会いそちらで手術の運びとなりました。
その際左側も怪しいとの事で、マンモトーム5箇所検査しました。
こちらは、「検体適正 正常あるいは良性」でした。2月12日に、同時再建手術を致しました。
セカンドオピニオンの先生が、最初の先生の師匠にあたる先生で、「最初の所で手術をどんどんやないと非浸潤が浸潤になっちゃうよ」と言った事が
いまだ気になり悩んでしまいます。
手術後病理結果で、浸潤が見つかりました。
先生、そこで質問です。
諸説あるとは、存じますがわたくしは、時間の判断を誤り非浸潤を浸潤してさまったのでしょか? ご意見お願いします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「非浸潤癌が3カ月の間に浸潤癌になったのか?」それとも「単に、非浸潤癌の中に浸潤部分がすでに3カ月前に存在していたのか?」
 これは誰も正確な答えは出せない話ではあります(質問者も重々ご承知のようですね)

回答

「諸説あるとは、存じますがわたくしは、時間の判断を誤り非浸潤を浸潤してさまったのでしょか?」
⇒私の時間的感覚では「3カ月」では、「変化した訳ではない」と思います。
 勿論、非浸潤癌は「どこかのタイミング」で浸潤癌となった訳ですが、それが「たまたま、その3カ月だった」という可能性は相当低いと思います。
 これはあくまでも私の感覚です。
 
「最初の所で手術をどんどんやないと非浸潤が浸潤になっちゃうよ」
⇒これはあくまでも、「診断したからには、手術をすぐにするべき」という一般的な乳腺外科医の感覚を代弁したに過ぎません。
 
 

 

質問者様から 【質問2 病理結果から】

早速のご解答ありがとうございました。
告知から半年、手術から5ヶ月悩みも色々変化して行きます。
時間の経過を今悔やんで見ても前に進む事は出来ません。
今一度病理結果から、先生のご意見ご解答を伺いたいと存じます。
1.組織型 : Papillotular carcinoma
2.WHO : Invasive carcoma of no special type
3.大きさ : 肉眼的(20×20×13㎜)
顕微鏡的(浸潤部 12×8㎜、in situを含めると 22×18×14㎜)
4.切除標本の割面所見 : F(f)
5.脈管侵襲 : Iy0 v0
6.リンパ節転移 : センチネルリンパ節(0/1)
7.核異型度 : Nuclear atypia : score1, Mitosis : score1ですので、Nuclear Gradeは1
8.水平、体表側、胸壁側、乳頭側断端 陰性
9.その他 : 浸潤巣は少ないですが、幾つかの部位に浸潤があります。いわゆるEICです
ER : + 80%
PgR : + 70%
HER2 : Score 0
ki67 labeling index : 約30%
以上が術後の病理結果です。
ホルモン療法かプラス抗がん剤かで悩みました。オンコタイプDXにて検査を
しました。
Recurrence score Result 19
腫瘍内科の先生からホルモン療法だけで10年治療して行きますましょうとの
事で、ノルバデックスを始めました。
先生のご診断を是非お願いし致します。 またわたしくしは、ルミナールで表すとB
でしょうか。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 pT1c(12mm), pN0, luminal, NG1
○Ki67約30%とでていますが、『Mitosis : score1(10視野で核分裂が0-4個)』であるので実質luminal Aとしていいと思います。

回答

「先生のご診断を是非お願いし致します」
⇒上記のように、NG1であるし実質luminalAでいいでしょう。(一般的にはKi67の閫値は20-30%にあります)
 脈管侵襲無し(ly0, v)
オンコタイプDXのrecurrence scoreは19(ほぼ低リスク)
 タモキシフェン単剤で全く問題ありません。
 
「またわたしくしは、ルミナールで表すとBでしょうか。」
⇒Ki67の閫値については定説はなく、St.Gallen 2015でのvotingでは20-30%が最大多数でした。
 ここにmitosis 1を考え合わせると、luminalAでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

以前 685 で質問、回答して頂いた者です。
その節は、ありがとうごさいました。
こちらのサイト拝読は、私の日常となり、ノルバデックスとセットでルーティーンとなっております。
先生の信念がこのサイトの盛況を表し、質問出来た者より遥かに多い私の様な立場の者が心強く、安心し、乳癌に真摯向き合い納得を経て日々を過ごしていると思います。
先生が思っているる以上に、頼られてますよ。
手術から1年が経ちました。
私の場合ノルバデックスは昨年4月からですが、子宮体癌の検査を、最初の段階で診ておいて貰おうと2週間程で地元の婦人科を受診しました。
その時点で子宮内膜が厚く内服のストップが掛りました。
主治医(腫瘍内科医)の紹介で5月半ばに、◯研◯明へ受診、検査の結果内服を再会し、定期検査を経て12月の受診の際、次回は、1年後になりました。
閉経直前で更年期障害とノルバデックスの副作用が混ざり合い、そんなに先でいいのか?不安です。
江戸川病院へ経過相談を含め受診は可能ですか?
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
術後1年経ったのですね。
最初の頃は「非浸潤癌が浸潤癌に」みたいなところや「抗がん剤を追加すべきか」などで悩んでいらっしゃいましたが、「時間経過と共に」落ち付いた日常に戻っていると思います。
タモキシフェンによる「子宮内膜肥厚」があったようですが、昨年12月には落ち付き「1年経過観察となっている」ようですね。
まずは「タモキシフェン継続」ができていることが幸いな事です。
 
「閉経直前で更年期障害とノルバデックスの副作用が混ざり合い、そんなに先でいいのか?不安です。江戸川病院へ経過相談を含め受診は可能ですか?」
⇒この件でいえば、私にできることはあまり無さそうです。
 「子宮内膜肥厚で1年後でOK]という判断は「婦人科」のようですから、「乳腺外科医」としてそれに反対する理由もありません。
 ○もしも具体的に何か、受診される理由がありましたら受診してください。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

ご無沙汰しております。
何度か質問させて頂いた者です。
先生の、ご意見をご教授お願い致します。
昨年 オンコの検査の結果を受けノルバデックス10年の治療となり、先生からも心強いお墨付きを頂きました。
4月より開始しておりました。
これまで、子宮体癌など検査など進める中順調に過ごして参りましたが、今年の6月.7月.8月と肝臓の数値が、上昇致しました。
AST.ALT共
130位までになりました。
9月の1カ月を休薬しました所60と80になり、
今月薬をフェアストンに変更し1週間たったところまた、80と111に、上昇してしまいました。
2週間様子を見る事となりました。
薬変更も何だか腑に落ちませんでしたが、この数値の上昇が大変不安に思い至りました。
体重増加も有りますし、脂肪肝の診断も下され内科の先生も判断付きかねていらっしゃるところであります。
先生よろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「AST.ALT共130位までになりました。9月の1カ月を休薬しました所60と80になり、
今月薬をフェアストンに変更し1週間たったところまた、80と111に、上昇してしまいました。」

⇒それ程珍しい事ではありません。
 ホルモン療法剤は「薬剤性肝障害」を起こす可能性のある代表的な薬剤と言えます。
 
一回、完全に正常値に戻してから、「タモキシフェン10mg」から開始してはどうでしょうか?
何も不安に思う必要はありません。
強いて言えば、「日常生活で肝障害の要素を取り除く」ことです。
高カロリーを避け、「伝統的な和食+毎日の運動」です。
健康な生活をこころがけましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

ご無沙汰しています。
相変わらずこちらのサイトを、頼りに日々過ごしています。
たまたま出演された先生を拝見しました。
残念で、落ち込んでしまっていたところ、不謹慎ながら嬉しく思ってしました。
さて、肝臓の数値も少しずつ落ち着き始めております。
2桁になりまして、規則正しい生活をおくり数値を継続して安定させたいと思っております。
この度ご連絡させて頂きましたのは、
手術していない方の胸や鎖骨、首の筋など痛みが三カ月ほど続いているのでぜひ先生に一度観て頂きたく連絡させて頂きました。
納得と安心を担保したいのです。
経過と合わせ一年に一度の検査になり、 どうしても、先生にお願いしたいのです。
水曜日に並んだ方がよろしいでしょうか?
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
まずは冷静になりましょう。
「手術していない方の胸や鎖骨、首の筋など痛みが三カ月ほど続いている」
⇒こんな転移は絶対にありません。
 冷静になりましょう。
 どう考えても「ホルモン療法の影響」です。
 ☆あらゆる事は「black boxにいれずに」きちんと理由を考えるべきです。
「経過と合わせ一年に一度の検査になり、 どうしても、先生にお願いしたいのです。」
⇒検査をすることは可能ですが、まずは「ご自身が何をしたいのか?」ということが大事です。
 通常、私は1年に1回の検査は「マンモ+エコー+採血マーカー」だけです。
 決してCTだの骨シンチだの、PETは撮影しません。
 ☆もしもご本人の心配が(上記ののような)「いろいろな痛み」であれば、通常の「マンモ+エコー+採血マーカー」だけでご安心いただけるのか?が問題となります。
   その辺を整理した上で「何が希望なのか?」が判明したら秘書メールにしましょう(「メディカルプラザ市川駅
がいいようです)
「水曜日に並んだ方がよろしいでしょうか?」
⇒それは「お互いのために」止めましょう。
 昨日は21;00を過ぎてしまいました。
 ♯(私や患者さんだけでなく)病院スタッフに負担がかかるのです。

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