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HER2 3+で化学療法をしない選択は?

[管理番号:3329]
性別:女性
年齢:60歳
はじめまして、よろしくお願いします。
海外在住の膠原病持ちです。
先月末に手術を終え、今後の化学療法について悩んでおります。
多数の石灰化の中に15mmの腫瘍とリンパ浸潤が1つありました。
pT1c、pN1、pMx、ステージ2a、
グレード3、ER/PR (-)、HER2 IHC 3+
現在の病状(癌以外)ですが、
膠原病はシェーグレン、強皮症(疑いまたは混合型)、
経度の肺線維症があり、他にも骨粗鬆症があります。
毎日疲労感がかなりあり、ステロイドを服用しています。
この様な現在の健康状態で化学療法に耐えられるのかを危惧しております。
そこで、先生にお伺いしたいのは
1. 化学療法をしなかった場合、転移の可能性はどのくらい変わるのでしょうか。
2. ここでは化学療法なしにハーセプチンは使用出来ないのですが、日本では可能ですか、また、効果はあるのでしょうか。
3. 私の様な健康状態の場合で使える抗癌剤にはどの様な物ありますか。
もしくは、どの様な治療方針がお薦めですか。
ここの医師に少なからず不信感もあり、事前に先生のアドバイス頂けると大変助かります。
健康状態を考えると何もしない選択肢もあるのではと考えております。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
抗HER2療法は「非常に優れた」治療法なので是非行う様にしましょう。
「この様な現在の健康状態で化学療法に耐えられるのかを危惧しております。」
⇒大丈夫です。(一応、膠原病主治医の許可は必要とはなりますが…)
 質問者は十分早期だし、こう言う時の止めに「非アンスラサイクリンレジメン」が
あるのです。
 副作用を最小限にするためには、是非「weeklyPTX+HER」を勧めます。
(PTX+HER 毎週投与12回⇒HER単独で14回)
「1. 化学療法をしなかった場合、転移の可能性はどのくらい変わるのでしょうか。」
⇒抗HER2療法は「再発率を半分」にします。
「2. ここでは化学療法なしにハーセプチンは使用出来ないのですが、日本では可能ですか」
⇒日本でも「ハーセプチン単独は適応外」です。
「効果はあるのでしょうか。」
⇒単独では効果は証明されていません。
「3. 私の様な健康状態の場合で使える抗癌剤にはどの様な物ありますか。もしくは、どの様な治療方針がお薦めですか。」
⇒冒頭に挙げたような「weeklyPTX+HER」です。