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部分切除後の変形について、組織診について

[管理番号:2548]
性別:女性
年齢:51歳
おはようございます。
はじめて質問させていただきます。
よろしくお願いいたします。
年次の人間ドックでの超音波検査で、右胸外側下部に5.5ミリほどのしこりが見つかり、
追加のマンモグラフィーでも悪性の疑いと言われ、紹介状をもって都立の病院を受診しました。
先週、骨盤から頸部のCT造影検査、乳腺のMRI造影検査の結果を聞きにいきましたところ、
しこりは6ミリくらいだが、わりと乳輪に近い。
部分切除でもいいが、バストのラインがかなり上がってしまうので、
全部摘出、乳房再建という選択もありうると言われました。
放射線治療に通う必要がないことも説明されました。
乳房再建の説明のパンフレットなどを読んだ後、色々なところを傷つけ
ずに済む部分切除(温存手術と同意と理解しました)と
放射線治療(25回といわれましあた)を選択したいと思いました。
さらに治療の選択のためにネットを調べていて、先生のサイトに辿りつきました。
まずお尋ねしたいのは、右胸があがり左右差が気になるという説明についてですが、切除する位置により仕方のないことなのでしょうか。
術者の技術により大きく変わるものでしょうか。
胸はDカップで、昔から大きいことが気になるほうでした。
多少形が変わるのは仕方がないことだと思っています。
また、先日細胞診をしていただきましたが、全摘をする場合には、組織診も必要になると言われました。
温存と全摘で、組織診の必要性が異なるのでしょうか。
ガンのタイプ、切除範囲についてはまだ伺っておりません。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「年次の人間ドックでの超音波検査で右胸外側下部に5.5ミリほどのしこりが見つかり追加のマンモグラフィーでも悪性の疑い」
⇒「5mmでみつかる」ことこそ、「検診のかいがあった」と言えます。
 質問者にとっては(癌になったという事は、とてもショックだったと思いますが)早期発見できて良かったという意味合いが強いと思います。
 
「骨盤から頸部のCT造影検査」
⇒6mmの腫瘍には「全く無用な検査(被爆)」です。
 
「乳房再建の説明のパンフレットなどを読んだ後、色々なところを傷つけずに済む部分切除(温存手術と同意と理解しました)と放射線治療(25回といわれましあた)を選択したいと思いました。」
⇒「腫瘍径」から考えると、「無理の無い選択」と言えます。
 
「右胸があがり左右差が気になるという説明についてですが、切除する位置により仕方のないことなのでしょうか。」
⇒乳房切除再検を選択したとしても、当然「完璧に元通り」と言う訳ではありません。
 部分切除が「それに比べて、特に目立つ」と言うほどにはならないと思います。
 
「術者の技術により大きく変わるものでしょうか。」
⇒それは大いにあります。
 
「多少形が変わるのは仕方がないことだと思っています。」
⇒その位の感覚であれば、部分切除の方が「体に対する負担」も考え合わせるといい選択だと思います。
 
「先日細胞診をしていただきましたが、全摘をする場合には、組織診も必要になる」「温存と全摘で、組織診の必要性が異なるのでしょうか。」
⇒これは驚きです。
 癌の手術をするのに「細胞診だけの診断」ではリスクがあり、「組織診が大原則」となります。
 
 ○通常は「温存でも全摘でも組織診を行います」 
  
 ☆その病院の「温存なら細胞診だけでもOK]というスタンスは,うがった見方をすれば、「温存ならば誤診(手術してみたら良性でした)しても許される」と言わんばかりです。
 私には到底、賛成できません。