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針生検の鑑別困難について

[管理番号:2490]
性別:女性
年齢:40歳
微細石灰化と乳腺症(痛みと腫れ)で数年経過観察をしてきました。
乳腺症の上部に1cm程、触診で気になる箇所があると言われ、細胞診を受け結果が鑑別困難となり針生検を受けました。
針生検では、特別な染色も行い良性と悪性の両方の結果が出たそうで、
0期の非湿潤ガンか、良性のポリープのようなもの(病名がよく分かりませんでした)、
良性と言っても、ガンの前段階と言う医師もいるので経過観察が必要ですと言われました。
判断を間違えると大変なことになるので大学病院ではっきりさせましょうと言われ、大学病院で再度の針生検を受けて結果を待っています。
ここで質問なのですが、悪性の結果が出たなら悪性だと思うのですが、最初の医師からは「おかしく思うかもしれないけれど、どちらもありえます」と言われました。
良性でも悪性の結果が出ることはあるのでしょうか。
また、今回の針生検で鑑別困難となった場合、マンモトーム生検と外科的生検、どちらを希望した方が良いのでしょうか。
なかなか結果が出ないので、外科的生検で全部摘出して結果を出してもらった方が確実で早いのではないかと思いつつ、マンモトーム生検で結果が出れば治療が選べるのかなと迷っています。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「判断を間違えると大変なことになるので大学病院ではっきりさせましょうと言われ、大学病院で再度の針生検を受けて結果を待っています。」
⇒大学病院に紹介することが「解決に繋がる」とは思えませんが…
 
「良性でも悪性の結果が出ることはあるのでしょうか。」
⇒かなり「少ない」ですが…
 それを「偽陽性」といいます。
 
「また、今回の針生検で鑑別困難となった場合、マンモトーム生検と外科的生検、どちらを希望した方が良いのでしょうか。」
⇒通常は「マンモトーム生検でいい」と思いますが…
 慣れていない者が行うと「針生検とあまり大差ない」ものとなっていまうので、注意が必要です。
 
「なかなか結果が出ないので、外科的生検で全部摘出して結果を出してもらった方が確実で早いのではないかと思いつつ、マンモトーム生検で結果が出れば治療が選べるのかなと迷っています。」
⇒担当医に聞いてみましょう。
 自信を持って「マンモトームであれば大丈夫」と言い切れるのであれば、「マンモトームでいい」と思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

1年ほど前に針生検での鑑別困難について回答をいただきました。
その際はありがとうございました。
結果、大学病院の針生検も確定しなかったものの、触診の感触はガンの可能性が高いと言われ、摘出手術かセカンドオピニオンを勧められました。
アドバイスいただいた通り、マンモトームでの確定を希望するか、田澤先生へのセカンドオピニオンか迷ったのですが、新たに予約や検査で時間をかけるより、最短で結果が出るのは手術だろうと思い、全摘手術を受けました。
結果は、DCIS 5cm×3cm×2.7cm PR>75% ER>75% HER2+
断端陰性 希望があればホルモン療法も可能だが無治療
もできると言われて、こちらのQ&Aを参考に無治療を選択しました。
術側は、一番最初に微細石灰化が引っかかった時に、詳しく調べるか(良性なら過剰診療・悪性なら超早期・結果が出ない可能性もある)、経過観察(良性なら体への負担がない・悪性なら早期で発見する)を提案され、良性に賭けて経過観察を選びました。
結果的に、超早期で対処できたわけですが、やはり詳しく調べておけばよかったと思う時もあります。
術後は大学病院から経過観察をしていたかかりつけの病院に戻されまして、先月、1年目の検査を受けました。
今月、執刀した大学病院での検査があります。
かかりつけの病院では、健側のあちこちにのう胞?膿瘍?
があると言われましたが、水分がたまっているだけとのことで経過観察となりました。
術側と同じものが健側にできる可能性がかなり薄いことは承知していますが、
術側で結果が出るまでに時間がかかったこともあり、また検査結果が出にくいものができているのではないかと不安に思っています。
いまさらですが、健側のために術後にホルモン療法を希望した方が良かったのではないか、
もしくは今月の大学病院での検査時に、のう胞?膿瘍?をきちんと調べてもらった方がいいのではないかと悩んでいます。
水分がたまっている程度であれば、経過観察でも大丈夫でしょうか。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「いまさらですが、健側のために術後にホルモン療法を希望した方が良かったのではないか」
⇒その考えには決して賛成しません。
 「対側の予防のため」では「有害事象(ご本人が感じる副作用及び子宮体がんのリスク)」とつりあいませんし、更に「医療経済(日本全体)」も考えなくてはなりません。
「水分がたまっている程度であれば、経過観察でも大丈夫でしょうか。」
⇒嚢胞は「正常乳管が詰まって、(分泌液が)貯留しているだけ」です。
 正常所見であり、そもそも「嚢胞」は経過観察の対象でさえありません。