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乳管腺葉区域切除あとの再検査時期

[管理番号:2122]
性別:女性
年齢:45歳
はじめての質問になります、よろしくお願いいたします。
単孔の血性分泌

翌日に乳腺科クリニックで診察・検査
乳管内乳頭腫の疑い
マンモ(しこりなし、以前より良性石灰化はあり)
エコー(乳腺の拡張を確認)
※乳管造影はしていません

一週間後
日帰りでの乳管腺葉区域切除

約三週間後
乳管内乳頭腫の診断
パピローマ、細胞の壊死、その上下部分にがん細胞なし
という経過をたどりました。
質問事項は以下になります。
先生がおっしゃる乳管造影をしていません。
乳管内乳頭腫はがん細胞が隠れていることもあると聞いて、
すこし不安になっています。
これは必須の検査なのでしょうか。
また、再検査はどれくらいのペースで行えばいいのでしょうか。
自分としては、エコーを半年に1回、マンモを年1回と考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
内容は了解しました。
その(日帰りで行われた)「乳管腺葉区域切除」の精度がどうなのか?という問題点があります。
「全身麻酔」で行われたのでしょうか?
もしも「局所麻酔」であると、『きちんと、その乳管系を乳頭直下(中枢)から乳腺の端(末梢)まで切除されているのか?』という疑問点が残ります、
○病理組織検査結果で「乳管内乳頭腫]とでているので「中心病変は切除されている」可能性は大きいですが、「その乳管が完全に取りきれていない」場合には「その(同一)乳管から(今現在もしくは将来的に)癌が発生する可能性」があるのです。

回答

「乳管内乳頭腫はがん細胞が隠れていることもあると聞いて、すこし不安になっています。」
⇒上記通りです。
 「乳管区域切除」時に、「その乳管を端まら端まで完全に切除しているか、どうか?」が鍵になります。
 ○その乳管を完全に切除してしまっていれば大丈夫です。
 
「先生がおっしゃる乳管造影をしていません。これは必須の検査なのでしょうか。」
⇒「乳管内病変が存在するのか?」の検査であり、本来「乳管区域切除をすべきか?
という手術適応のために(術前に)行われるべきもの」です。
 その意味では「乳管内病変が(結果的に)存在していた」訳ですから、今更不要」と言えます。
○但し、きちんと「乳管区域切除」するためには術中に正確に「乳管内に色素を入れる必要」があります。
 乳管造影をしない医師に(術中に正確に、その乳管に色素を入れて)乳管区域切除が為されているのかが問題とはなります。
 
「また、再検査はどれくらいのペースで行えばいいのでしょうか。自分としては、エコーを半年に1回、マンモを年1回と考えています。」
⇒「きちんと中枢から末梢まで、その乳管を完全に切除」していれば、「経過観察は不要」となります。
 「乳管区域切除が正しく行われていなかった」と仮定した場合には「エコーを半年に1回、マンモを年1回」という考えは極めて妥当です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

早い回答いただき、ありがとうございます。
乳管腺葉区域切除(乳管造影なし)の件です。
日帰り手術は、局所麻酔でした。
その際とったものをみせてもらい、
かたちがくっきりした袋状だったので安心していたので
すが、
こちらのサイトを見て質問した次第です。
そちらの病院の予約を取りましたが、
同じように悩んでいる方がいるかもしれないので
この場で再度質問させてください。
私のように乳管造影なしで切除術をした場合、
乳管造影は無理(不要)として、
エコーなどで取りきれているか確認することはできるの
でしょうか。
ガン化を待つような状況で不安を感じています。
再度の質問で申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

回答

「乳管腺葉区域切除(乳管造影なし)の件です。日帰り手術は、局所麻酔でした。」
⇒局所麻酔で「精度のある」乳管区域切除を行う自信は(私には)ありません。
 乳管の端(乳頭直下の皮膚ぎりぎり)から端(乳腺の裾野)まで「乳管を完全に追
いかける」ことは、なかなか「神経を要する」ものなのです。
「乳管造影は無理(不要)として、エコーなどで取りきれているか確認することはできるのでしょうか。」
⇒乳管は「内部に腫瘍ができて」拡張でもしない限り、エコーで確認することは不可能です。
 現実的なところとしては、前回質問者がお話されていたような「半年に1回の超音波+年に1回のマンモ」でしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生、ご回答本当にありがとうございます。
情報不足だったことを反省しています。
現実的な今後の検査、理解しました。
そのペースで行おうと思います。
ただ、現状にも不安があります。
手術前にエコーで確認した乳管拡張がなくなっているのか、ほかの病変はないのか、反対側の乳腺は問題ないのか、です。
これらを、先生に診療いただくことは可能でしょうか。
自分の無知で招いた事態で悔いています。
ただ、できるだけのことはして今後に繋げたいので、できれば診療をお願いしたいのです。
お忙しいなか、何度も質問してしまい申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「ただ、現状にも不安があります。手術前にエコーで確認した乳管拡張がなくなっているのか、ほかの病変はないのか、反対側の乳腺は問題ないのか、です。これらを、先生に診療いただくことは可能でしょうか。」
⇒大丈夫です。
 「現状の正確な把握」から再スタートするのもいいとは思います。
 
「自分の無知で招いた事態で悔いています。」
⇒そこまでの状況ではありません。
 御心配なく。