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単孔性乳頭分泌について相談があります。分泌物CEA400 分泌物細胞診クラスⅢ 良悪性判断つかずとなっており、9月下旬に造影MR予定です

[管理番号:3664]
性別:女性
年齢:42歳
経過
乳腺症で年一度の経過観察をしていました。
2015.11月、左乳房のちくちくした痛みが気になり、またセルフチェックにて母乳を絞るように柔らかい部分から乳首に向けて絞ると、単孔性の黄色乳頭分泌がありました。
乳腺クリニックを受診し、マンモグラフィとエコーをしました。
エコーで少し縦長の気になる嚢胞?があるとのことで細い針の細胞診をしましたが、異状なしでした。
少し安心していましたが2016.3月、やはりセルフチェックにて単孔性の黄色分泌があることが気になり、再度乳腺クリニックを受診しましたが、クリニックでは分泌がでなかったので、気にしすぎないように言われました。
2016.4月、気にするなと言われても気になるので折に触れ絞って確認していたら、分泌物が出たりでなかったりで、気にして何度が絞るとしばらくは頑張って絞っても出ないような感じだったのですが、ある時それまで薄い黄色だった分泌液が少し赤くなったので、恐怖を感じ5月頭に再度乳腺クリニックを受診しました。
しかしクリニックでは分泌液が全くでなかったので検査することもできず、気にして強く絞りすぎて乳管が傷ついたのでしょうということで、
次回半年後まで絞るのはやめるように言われて帰宅しました。
2016.9月定期健診
マンモグラフィ時に薄黄色の分泌液がボトボトっとでたので、診察時に先生が絞ってくれて分泌物の細胞の検査をし、上記の結果となっています。
ここで先生にご相談なのですが、
こちらのQ&Aなどで学習させていただきまして、単孔性の乳頭異常分泌の症状の原因には、乳管内乳頭腫とガンの可能性があり、見極めるためには乳管造影をして区域切除をして生検する必要があると理解しています。
私の主治医も、乳管造影の話は初めにしてくれたのですが、(やり方や、初めにこんな管を入れて、次に太くしていって、など、方法も話してくれました)それは今はあまりしないし、患者の体に負担がかかる(やる場合は、麻酔は乳管造影に差し支えることがあるから麻酔なしでするそうです)、まず造影MRをすると言っています。
それで場所が分かれば、その部位をもう一度超音波で徹底的に見て(セカンドルックというそうです)部位が分かれば生検もしわからなければ、乳管造影して摘出生検
と言われていますが、これは田澤先生が折に触れて書いていらっしゃる、MRを確定診断に用いるのは間違っています、というのにあたるのでしょうか。
そもそも、乳管造影よりもMRのほうが先になっているのはおかしいのではないでしょうか
MR→超音波で、適当な場所を生検(この場合の生検は、乳管腺葉区域切除とは違う、また別の生検なのでしょうか)することに、意味があるのでしょうか…
主治医が乳管造影の可能性について説明してくれたので、少し安心していたのですが、考えれば考えるほどMR先行なのはなぜなのか、その結果で変な生検をすることになりガン細胞が散らばってしまったりはしないのか、など、恐ろしくなってきました。
単孔性乳頭分泌は江戸川病院へ、と田澤先生もおっしゃってくれているので、可能でしたらぜひとも田澤先生に診察して、治療していただきたい気持ちでいっぱいです。
私は関西在住なのですが、先生にお世話になることは可能でしょうか。
やはり悪性だった場合のその後の治療については、小さな子供ももおりますので関西で受けたいと思っております。
診断手術は田澤先生で見てもらい、その後はこちらの病院でという連携はできるものでしょうか。
実は先日そちらの電話に問い合わせのお電話をしましたら、予約の場合11月ぐらいになると思いますとのことでした。
先生のところで診ていただくと決めて、11月までこのまま放置していいものかどうかも気がかりです。
(分泌は一度も下着についたりしたことはないので、「浮きは沈むまで待て」を読むと、11月でも大丈夫なのでしょうか。
分泌物の細胞検査がよくないので、不安です。)
またそちらで診ていただく場合、こちらで決まっているMRは実施しない方がよいでしょうか?あるいは、MRまで実施してその結果をそちらに持参して診ていただくのが良いでしょうか?
それとも、関西で今診ていただいている病院にて、今の流れで検査と治療に入っても大丈夫でしょうか?
アドバイスよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「単孔性の乳頭異常分泌の症状の原因には、乳管内乳頭腫とガンの可能性があり、見極めるためには乳管造影をして区域切除をして生検する必要がある」
⇒その通りです。
 (それらを総称して)「乳管内病変」といいますが、これがある乳管は、この機会に末梢まできちんと切除しておく」ことが「将来的な、同一乳管に発生するかもしれない未来の病変に対する治療」も兼ねることになるのです。
「それは今はあまりしないし、患者の体に負担がかかる」
⇒身体に対する負担とは??
 MRIより負担があるとは思いませんが???
 ○問題は(乳管造影をやる医師にとって)「習熟を要する手技」であり、(下町の町工場のような)「技術の伝達がなされてこなかった」ことです。
「(やる場合は、麻酔は乳管造影に差し支えることがあるから麻酔なしでするそうです)」
⇒その通りです。
 局麻など用いたら「分泌乳管の同定」に支障がでるでしょう。(そもそも局麻でやったことがないので、不明ですが)
「まず造影MRをすると言っています。」
⇒乳管造影をしない(できない)医師の「常套手段」です。
 ただし、MRIでは「ある程度しっかりした所見(それであれば、そもそも超音波で解ります)」が無ければ「MRIで異常が無いから、経過観察にしましょう」となりそうです。
 ♯MRIを診断で用いる弊害(これを私は『MRI的免罪符』と呼びます。
「これは田澤先生が折に触れて書いていらっしゃる、MRを確定診断に用いるのは間違っています、というのにあたるのでしょうか。」
⇒MRIなぞ、「乳頭分泌に何の意味も無い」検査です。
 担当医に、「MRI的免罪符を発行させるだけ」です。
「そもそも、乳管造影よりもMRのほうが先になっているのはおかしいのではないでしょうか」
⇒先も後も「MRIの意義」などこの場合全くありません。
「私は関西在住なのですが、先生にお世話になることは可能でしょうか。」
⇒可能です。
 是非、「メディカルプラザ市川で予約」とってください。
「実は先日そちらの電話に問い合わせのお電話をしましたら、予約の場合11月ぐらいになると思いますとのことでした。」
⇒それは江戸川ですか?
 市川の方がいいです。
「「浮きは沈むまで待て」を読むと、11月でも大丈夫なのでしょうか。」
⇒その通りです。
 全く「緊急性はない」のです。
「分泌物の細胞検査がよくないので、不安」
⇒全く無意味な検査です。
 気にしない様にしましょう。
「またそちらで診ていただく場合、こちらで決まっているMRは実施しない方がよいでしょうか?あるいは、MRまで実施してその結果をそちらに持参して診ていただくのが良いでしょうか?」
⇒当院に来るなら「MRIは不要」です。
「それとも、関西で今診ていただいている病院にて、今の流れで検査と治療に入っても大丈夫でしょうか?」
⇒残念ながら…
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
10月22日(土)、(関西)県より母とともに上京し、乳管造影で診察していただきました○○と申します。
その節は、乳管造影および超音波検査等、お忙しいにもかかわらず丁寧な診察をしてくださってありがとうございました。
入管造影の結果、乳管に詰まりは見られないということで、本当にホッとしました。
他でもない田澤先生に診ていただいたことにより、心の底から安心しました。
そのはずだったのですが、あれから1週間たった時に、あれ?ということに気づきました。
そちらで乳管造影していただいた乳管は、奈良で細胞診やCEAの結果が
クラス3であった乳管ではなかった可能性が非常に高いです。
田澤先生の診察時に分泌のあった乳管(乳管Aとします)とは別に、
ずっと分泌のあった乳管があり、それは乳管Aの少し下のようなのです
(乳管Bとします)
4年前あたりから分泌物を確認し、奈良の病院で9月のマンモグラフィーの際に分泌物の検査をし、細胞診とCEAともにクラス3だった乳管は、乳管Bです。
なぜ田澤先生の診察の際に乳管Bから分泌がなかったのか不思議です(もし分泌があれば、気づいていただけていると思うので)
「多孔性分泌なのに乳管造影希望してきたのか?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
状況としては、ずっと乳管Bの単孔性分泌であり、乳管Aは以前から分泌があったわけではありませんでした。
乳管造影をしていただく10日ほど前に、セルフチェックをして無理やりギュウギュウ絞ったりした際に乳管Aからの分泌し、絞りすぎて乳管が傷ついてしまったせいで田澤先生の診察の際にも出たのかもしれません。
これが絞りすぎて乳管が傷ついたことによる分泌とすれば、今回の造影は、傷ついたことにより乳管分泌している個所(乳管A)を造影したことになり、
本来造影すべきだった乳管Bの造影をやはりしておかなくてはならないのではないかと考えています。
このような状況に気づいてから1週間、迷いましたがやはりどうしても気になり、
非常に心配になってきておりますので、どのようにすべきかアドバイスいただけますようよろしくお願いいたします。
(1)すぐにもう一度予約を取らせていただいて、入管Bの造影をお願いしたほうがいいでしょうか。
(2)あるいは分泌は絞らないと出ない状況なので、今後の経過観察の際(6か月後あたり)にでも気になるようなら田澤先生にお願いするお願いする。
(3)もしくは、今回造影したのは乳管Aであるが、その確認の際、乳管Bからは分泌がなかったということは、
やはり出たりでなかったりするホルモンのバランスによる可能性が高いということになり、乳管Bのことはあまり気にせずに普通の経過観察(1年後あたり?)で大丈夫なのか
お忙しいところ大変申し訳ありませんが、アドバイスよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
乳頭分泌で重要なことは、「十分な分泌」が無い限り気にする必要はないということです。
私が実際に診察して「分泌のあった乳管が異常無だった」わけだからそれでいいのです。
もしも質問者の気にする「別の乳頭分泌?」があれば、『その分泌が絞れば必ず出る』状態まで(もし、そのようになるならば)様子を見ましょう。