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骨転移確定しました

[管理番号:1104]
性別:女性
年齢:38歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:932「悪いもの

 
 
田澤先生、お世話になっています。
以前もご丁寧にお答えいただいてありがとうございます。
その後の結果が出て、本日聞いてきました。
骨シンチをやったところ、やはり胸骨に集積があり骨転移は確定しました。それ以外に、腹部エコーで肝転移はないとわかりました。
それからサブタイプですが、ホルモン受容は陽性、HER2は陰性で、Ki67は10%でルミナルAタイプだとの事でした。
今後の治療として、まずホルモン療法、
ゾラデックス注射とタモキシフェンの内服。
それから骨の治療薬、ランマークの投与
との事でした。
現状、この治療が今できるベストでしょうか?
それから、一つ提案された事なのですが、
ステージⅣ乳がんの原発巣切除の意義、切除なしと切除なしのランダム化の比較試験への参加です。
今の病院でも、やはりステージⅣだと皮膚に浸潤して来たりなどの事が無いと、基本は原発巣は手術しないんだそうです。
もし、その試験に参加すれば、ランダムに選ばれるので、切除ありのグループに選ばれるのかはわからないけど、選ばれたら手術してもらえるとのことですよね?
私自身は、触って分かるシコリ、全身に転移してしまう原因のがんがおっぱいにずっとあることが気持ち的にも嫌で、なくしてしまった方がいいのではないかと思っています。
でも現状の医療では切ることはスタンダードじゃないのですよね。
以前、田澤先生は手術も十分に可能だとおっしゃっていただいたとは思うのですが、現状そちらに伺うことは無理ですし、今の病院で治療していくとなると手術のことは悩みます。
「ランダム}というのがネックですが、手術してもらえる可能性があるのなら参加するのも一つの手なのでしょうか?
なかなか決めかねてしまっているので、ご意見いただけたら嬉しいです。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 正直、このメールを見て「ターニングポイント」だと思いました。
 骨シンチグラムで「胸骨だけ」に「hot spot」ですか。
 私の経験上、「骨転移で胸骨だけに転移」というのは、「かなり稀な部類」に属します。
 一番多いパターンは「椎骨(背骨)と骨盤」そして「肋骨」です。 
 「胸骨単独の骨転移所見」もちろん、「無い事は無い」ですが、私であれば「本当か?」とまずは疑ってかかります。
○それはそれとして2つの可能性があることになります。
①胸骨に(本当に)転移が有る場合
②(実は)胸骨は転移では無い場合
実際に画像を見ていないので、私には「これ以上」①なのか②なのかのコメントは控えます。
○そして治療の考え方ですが
「基本は原発巣は手術しないんだそう」
⇒これは、「遠隔転移が存在している時点」で「局所の治療などやっても、無駄(予後の改善に繋がらない)」という考え方です。
 私も、無論その主旨は理解しているし、「声を大にして」反対するつもりもありません。
 (遠隔転移を持った)患者さん『全てに、原発巣の手術を勧める』わけでもありません。
 体にメスを入れる以上、「利点が欠点より勝っている必要性」が重要です。
 
○質問者の場合「ここからは、胸骨転移だと仮定します」は2つの点で「手術を勧めます」
①胸骨単独の骨転移であれば、局所療法「放射線特にトモセラピー」+全身療法「化学療法をするとしても、基本はホルモン療法や骨吸収抑制剤(ゾレドロン酸やデノスマブ)」で十分長期予後が望める(特に質問者はルミナールAなのでホルモン療法単剤でも長期予後が期待)
②原発巣をそのままにしておくことで「原発巣からの新たな転移の可能性」及び「原発巣が潰瘍形成等出血の原因となり、そうなってしまうと手術不能となってしまう」

回答

「現状、この治療が今できるベストでしょうか?」
⇒「乳癌」「骨転移」「治療」というキーワードだけで判断すれば、そうなるでしょう。
 ただし、「個別に望ましい治療は異なる」というのが私自身の経験から出た答えです。
 
「選ばれたら手術してもらえるとのことですよね?」
⇒そういう臨床試験です。
 こういう臨床試験が存在するということは、
 逆に言えば「薬物療法により長期予後が可能となった現在」において「転移性乳癌では本当に原発巣の手術に意味が無いのか? 結論がでていない」と言う事を意味しています。
 
「現状の医療では切ることはスタンダードじゃないのですよね」
⇒その通りです。
 但し、「本当にそうなのか?疑問がある」から「そのような臨床試験が組まれている」訳です。
 
「ご意見いただけたら嬉しいです」
⇒冒頭でコメントした通りです。
 もしも「自分の家族」であれば、迷うことなく「手術」を行い(本当に胸骨転移ならば)「トモセラピーした上で、全身コントロール」を(無理無い程度に)図ります。
 決して「諦めるべき状況」とは私は思いません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生。
失礼します。
以前にもこちらで質問させて頂きました。
私は39歳、8月に乳がんと診断され、すでに胸骨転移ありでステージⅣでした。
ルミナールAということで、ホルモン療法が始まりました。
毎日タスオミンの内服、月に1度のリュープリン注射、ランマーク注射の治療をしています。
12月に判定の為にCTをとり、原発巣は数ミリだが縮小傾向、他の転移は特になく胸
骨の転移も悪くなっていないとの事でした。
初診時にはあった胸骨の痛みも全くなくなり、私としては元気いっぱいの為、今の治療で行けるところまで行きたいと思っています。
ですが、腫瘍マーカーが初診時より徐々に上昇傾向なんです。
 

9月 10月 11月 12月 1月
CEA 1.8 1.9 1.9 1.9 2.0
CA15-3 35 43 51 55 64

主治医は、画像で縮小傾向だし、他に異常はないし、痛みもよくなっているなら腫瘍マーカーはそれほど気にしなくていいとの事でした。
でも、毎月上がっているので心配になります。
主治医も、「う~ん。なんでだろうね?」っていうんです。
心配することないのでしょうか?それともしっかりほかの検査が必要なのでしょうか?
 
あと、もうひとつ。
私は手術はしないことになりましたが、この先ホルモン療法が効か
なくなってきたら抗がん剤という選択肢になると思います。
 
末期のがんに低用量の抗がん剤投与で、今の状態を保つ、がんと引き分けるという情報がありますが、それについては田澤先生はどうお考えですか?
ステージⅣでも、定量の抗がん剤でがんをたたいて、副作用に耐えるのが必要なんでしょうか?
それとも、今の状態を保つため低用量の抗がん剤治療をして脱毛等の副作用もなく生活するのもひとつの手なのでしょうか?
 
治る見込みのないがんで絶望していますが、なんとか少しでも長く、今の元気な状態でいたい!これが私の願いです。
お忙しい所申し訳ありませんが、教えて頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
以前ご質問いただきました。
私とは「治療方針が決定的に異なる」ので、私の回答が適切かどうか不明です。
もしも、「不適切」であれば、「見なくても結構」ですし、「システム管理者」に「削除」を依頼していただいても結構です。
何故なら、私は「全てのQに回答することを是」としているからです。
だからといって、自分の意に反する事を「慰みに書くことができない」性分なのです。
この場をお借りして、(予め)お詫びいたします。
「ルミナールAということで、ホルモン療法が始まりました。毎日タスオミンの内服、月に1度のリュープリン注射、ランマーク注射の治療をしています。」「12月に判定の為にCTをとり、原発巣は数ミリだが縮小傾向、他の転移は特になく胸骨の転移も悪くなっていない」
⇒私には「胸骨単独転移(?)」でホルモン療法単剤をしている意味が不明です。
 こんなことをしていると「手術せずに(残している)乳腺の腫瘍」から「全身転移」を起こす可能性があります。
 きっと、「この様な治療法を選択している医師」は「遠隔転移があるのに原発巣を切除するのは意味がない」とか「結局予後は一緒、手術してその痛みをおう分、無駄な事」というのでしょう。
 もしかして「手術することで、大人しくしていた癌が暴れ出す!」なんて事を言いだすかもしれませんね。
 
「心配することないのでしょうか?それともしっかりほかの検査が必要なのでしょうか?」
⇒(ホルモン療法単剤での)マーカーの動きなので「私であれば」気になります。
 
 ただ、「担当医」は「soft landing」を狙っているようなので、おそらく「気にしていない」のでしょう。
 
「私は手術はしないことになりましたが、この先ホルモン療法が効かなくなってきたら抗がん剤という選択肢になると思います。末期のがんに低用量の抗がん剤投与で、今の状態を保つ、がんと引き分けるという情報がありますが、それについては田澤先生はどうお考えですか?」
⇒これについては、(担当医とは異なり)私には「質問者を末期」として考えていないので、回答を差し控えさせてもらいます。