Site Overlay

乳ガンの悪性

[管理番号:1250]
性別:女性
年齢:32歳
はじめまして。
3日前に乳ガンで悪性と告知されました…
悪性とは、どういうことですか?
今週と来週にCTと骨シンチ?の検査をやってから結果、治療内容にいくと言っていまし
た。詳しくはまた、何もわかりません…
自分で、しこりに気づいて触った感じでは、素人なのでなんともいえませんが、5㎝
はあります…
不安でたまりません…
まだ3歳と1歳の子供達がいます。
私は生きたいです…
1日過ぎるごとに怖さは増します…
何をどうしたらいいのか頭がついていけません…
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者は「勘違い」しています。
「癌=悪性上皮性腫瘍」のことであり、「良性の癌は存在しない」のです。

回答

「3日前に乳ガンで悪性と告知されました」
⇒これは、その担当医が「乳癌と告知」した際に、「結果が癌だった」ということが
「質問者の頭に入り、治療に向かわなくてはいけない」ことを強調するために「癌と
言うのは悪性ということなのですよ」という表現です。
 決して「乳癌の中で、特に悪性度が高い」という意味での表現では無いと思います。
 
「今週と来週にCTと骨シンチ?の検査をやってから結果、治療内容にいくと言っていました」
⇒「5cm」とありますので、「CTや骨シンチ」は妥当かもしれません。
 ただし、「初期治療の段階で遠隔転移があることは、まずありません」
 あんまり心配しないでください。
 
「何をどうしたらいいのか頭がついていけません」
⇒選択肢は2つに1つしかありません。
 「手術先行」か「術前化学療法」かの2択です。
○術前化学療法を選択すべき場合
 これは「小さくして温存を狙う場合」となります。
 それ以外の理由「薬剤の感受性がどうだら、とかどうせ化学療法をやるからとか、
目に見えない癌細胞をたたくなど」では選択すべきではありません。
 ♯化学療法は決して「必ず効く」わけではなく、治療で用いる薬剤も決まって
いるのです。
○手術先行を選択すべき場合
 最も安全な選択と言えます。
 ただし、「5cmの大きさ」からは、「乳房全摘が必須」となります。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

お忙しい中、回答ありがとうございます。
先生のお言葉を頂き、前に進まなければならない現実だと改めて強く思いました。
いくつかまた、質問があります。
私は、どのくらい生きられるのですか…?
リンパや臓器などに転移してないことだけを毎日祈りながら過ごしています…。不安と恐怖が離れません…
ステージは何になるのですか?
全摘しても、後は臓器に転移する確率が高いのですか?まして、生存率も…
悪いことばかりが頭の中を駆け巡ります…
セカンドピニオンで、先生のところに行ってみたいのですが、私は東北の上の方だし、子供も小さく難しいです…でも、後悔はしたくないです。
私の症状では時間が限られていますか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
情報が無い中では回答できないものも多いのです。
例えば「乳癌のステージ」は「腫瘍の大きさ(正確には浸潤径)」と「リンパ節転移の状況(個数)」で決まります。
質問者の場合には「腫瘍の大きさ(5cmというのは触診所見だと思いますが、超音波で見れば通常はそれよりは小さいと思います)」と「リンパ節転移の状況」が不明です。

回答

「私は、どのくらい生きられるのですか…?リンパや臓器などに転移してないことだけを毎日祈りながら過ごしています…。不安と恐怖が離れません…」
⇒ステージが不明(今度、受診される際には担当医に超音波での「大きさ」とリンパ節転移の有無」について聞いておいてください。)なので回答できません。
 ただザックリ言うと「乳癌の5年生存率は80%以上」あります。
 
「ステージは何になるのですか?」
⇒冒頭でコメントした通り、超音波での「腫瘍の大きさ」と「リンパ節転移の有無」が不明なので回答不能です。
 是非、次回受診時には担当医に「超音波での腫瘍の大きさとリンパ節転移の有無」を教えてもらってください。
 
「全摘しても、後は臓器に転移する確率が高いのですか?」
⇒「乳腺を全摘するか、部分切除して放射線をかけるか」は「乳腺に対する治療(局所療法)」です。
 「他臓器に対する再発予防」としては腫瘍の性質(サブタイプ)に応じた『全身療法が必要』です。
◎サブタイプとは?
組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
エストロゲンレセプターの発現(ER)
プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
●luminal type:(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性) ホルモン療法が有効(更に増殖指数Ki67の値が低いAと高いBに分けます)
♯luminalA(Ki67低値)ではホルモン療法単独を、luminalB(Ki67高値)には(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い
● HER2 type:(HER2陽性のもの) ハーセプチンという分子標的薬と通常の抗癌剤の組み合わせを行う
●トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
●トリプルポジティブ:(ER陽性、PgR陽性、HER2陽性)ホルモン療法と分子標的薬と抗癌剤の全てを行う
 ※正式名称はluminal B(HER2タイプ)と言います。
 
「セカンドピニオンで、先生のところに行ってみたいのですが、私は東北の上の方だし、子供も小さく難しいです」
⇒残念です。
 乳癌は「初期治療が重要」なのです。
 
「私の症状では時間が限られていますか?」
⇒そんな事は決してありません。
 乳癌は「死を連想」するような必要は無いのです。